階層の違う人
私が勝手に「賢いマン」と心の中で呼んでいる人物がいるのだが、この人とは前々職で知り合った。
賢いマンは私が辞表を出した数日後にやってきたのだが、初対面の時に「関東に行けばもっと良い待遇の会社がいくらでもある」と言うので、「まあ、こちらに付き合いの長い友人もいるし、年齢的にも…」などと適当に答えていたところ、「遠方に住んだからって切れる縁なんて、放っておいても切れる」とアッサリ剛速球を放ってきたため、この人なかなかキレ者だな?と感じたのだった。
この人は、週3日は別の仕事をし、週3日こちらの会社にやってくるが待遇は正社員と同じかそれ以上…という正に「フレキシブル」な働き方をしており、「そんな働き方が有り得るのか?役員でもないのに?」と面食らったのだが、当人は「社長に許可を貰ったのでアリだ」と宣っていた。
まあ実際にかなり有能な人であり、1年後には10年近く赤字続きだった会社が黒字化し、2年後には公式サイトのアクセス数が何倍も増えたらしい。
そんな賢いマンは現在、社長業をしつつも前々職の会社にも社員として在籍するという、なかなか高度な二足のわらじを履いた生活を送っている。
昨年、転職活動の最中に久々に会ったのだが、その際に「仕事の関係で昔よくつるんでいた友人と10年振りに再会した」という話をしていた。
…よくよく聞いてみると、その友人というのは某有名テーマパークの社長であり、「ああ、やはりこういう人は若い頃から階層の違う世界で生きているのだな」などと思ったのだった。
なお、特に難関大学を出ているとか、華々しい社歴が並んでいるとか、そうした誰にでも理解しやすいエリート層ではないのだが、どこで道が分かたれたのだろうか?
偏差値45〜55の世界に住まう者でも、稀にこうしたレアな人物に出会う事がある。