寄り添うことの大切さ
母が人工透析を始めてから10年以上の月日が経った。その間、お世話になっている病院は変わらないものの主治医の先生は、何人も変わっている。毎回、今度はどんな先生だろうとちょっと緊張しながら、今思えば本当に病院のスタッフの方には恵まれた。
はっきり言って素人にはいわゆる「お医者さんの腕」の良し悪しはわからない。でも、一番大事なのは、患者の気持ちにどれだけ寄り添えるかということではないかと最近つくづく思う。
ちょっと前に普段の腎臓ではない分野の先生に診ていただく機会があった。母の腎臓は、もともと高血圧からくるものであったが、その先生は、高血圧を放っておいたからこうなったんですよと私と母の前で言い放った。生まれつきの高血圧というものではなかったので、専門家からしたら、好き放題食べてきたからでしょ、自分で体のコントロールしてなかったからでしょと思ってるのかもしれないけど、実際に病気になって、辛い思いをしている83歳の母に、そう言うことを言い放つ医者に私は怒りすら覚えた。
大変な知識と努力がないとお医者さんにはなれないと思うし、心から尊敬する仕事だけど、もっと患者の心に寄り添ってくれたらとその時思ったものである。
普段、母が通う透析室の先生や看護師さん、技師さん達は本当に皆さん温かくて、普段2人暮らしの母と私にとって、変な話、通うのが楽しみになってしまうようなそんな空間を作ってくれている。
母は、昔からその病院以外には通いたがらず、絶大な信頼をおいているが、それは、きっとスタッフの方たちの温かさがあってこそ。患者がいかに心から体を預けられるかって実はとても大事ではないですかね。
最後に、コロナ禍で、大変な思いをしている医療従事者の方々には、本当に患者しかないし、尊敬している。