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ドレの旧約聖書物語 1

創世記:天地の創造からバベルの塔の物語まで

谷口江里也 構成訳
ギュスターヴ・ドレ 画
©️Elia Taniguchi

目次
1 天地創造
2 人の創造
3 楽園追放
4 カインとアベル
5 最初の殺人
6 ノアと洪水
7 ノアと洪水その2
8 ノアと洪水その3
9 ノアと洪水その4
10 バベルの塔


1  天地創造 (創世記 1)

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初めに神は、天と地を創った。
しかし地はいまだ形も何も無く
混沌とした深淵の
その表面を闇がおおい
神の霊が水面を渡りばかりだった。
そこで神は言った。

光よあれ。

こうして光が創られた。
光を善しと見た神は光と闇とを分けた。
そして光を昼と
闇を夜と呼ぶことにした。
そのようにして夕べが、そして朝があり
最初の一日が終わった。

同じように神は
空よあれ、水を分かつものとして、と言い
水を、空の上の水と
空の下の水とに分けた。
そのようにして夕べが、そして朝があり
二日目が終わった。

また神は空の下の水を寄せ集め
それを海とし
そこで現れた乾いたところを
大地と名付けた。
さらにその大地の上に
種を持つ緑の草と
実のなる木々を創った。
神はそれらを善しと見た。
そのようにして夕べが、そして朝があり
三日目が終わった。

それから神は
昼と夜とを区別するものとして
また、季節や日や年を
識(し)らしめるものとして大空に
大きな二つの光り輝くものと
星とを創ると
そのより大きな方に昼を
小さな方に夜を統(す)べさせた。
こうして昼と夜とを治めさせ
闇と光とを分けた神は
それらを見て善しとした。
そのようにして夕べが、そして朝があり
四日目が終わった。


光よあれ、という神の言葉によって天地が初めて姿を現したとしていることは、とても重要です。つまり聖書が、神の言葉が無ければ何も始まらなかったとしているということです。西欧の言葉を重視する文化がここから始まっているからです。

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