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幸進堂さんの苺大福

幸進堂さんの
苺大福が
店頭に並び始めた。
 
もうすぐ春だ。
 
奈良に暮らした
子どもの頃は、
東大寺のお水取りが
春の始まりだった。
 
スイス・ジュネーブ
に暮らした時は、
モーターショーが
春の到来を告げた。
 
冬の間止められていた、
レマン湖の大噴水、
ジェ・ドも
モーターショーの
初日から再開された。

長門湯本温泉に
暮らす今は、
幸進堂さんの苺大福が
春のシンボルになった。

大粒の苺を
白あんと
求肥が包んでる。
 
このお菓子は、
大胆に頂くに限る。
 
つまり、
大口を開けて、
かぶりつく。
 
求肥が
むにゅっとしなる。
この食感がたまらない。
 
口の周りが
もち粉で真っ白になる。
 
気にしない、
気にしない。
 
じっと目をつむって、
口中に広がる
苺の香りを愉しむ。
 
う〜ん。
 
ゆっくり、
ゆっくり、
苺の酸味と
白あんの柔らかい
甘みが
やってくる。
 
口の中が
春爛漫になる。


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