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遠くても家族や友人がやって来る田舎

小さな頃、
祖母に連れられて、
よく淡路島に行った。
 
祖母の娘で
私の伯母が
淡路島に婿養子をとって
暮らしていたから。
 
伯母の家は、
元々別荘として建てられた
平屋の日本家屋で、
広いお庭と
回り縁があった。
 
縁側で
お腹いっぱい
スイカを食べて、
昼寝をするのが
大好きだった。
 
暑い夏でも
涼しい風が吹き抜けて
気持ち良かった。
 
大阪の暮らしとは真逆の
田舎の日常が
新鮮で楽しかった。
 
小さな村のあちこちに
トコトコ出掛けては、
陽がくれるまで外で遊んだ。
 
時には、
伯父の田んぼ仕事に
くっついて行って、
レンゲを摘んだり、
従兄弟のお兄ちゃんに
釣りや潮干狩りに
連れて行ってもらったりした。
 
夕方になれば、
自転車でお魚屋さんが
やって来る。
伯母がお魚を買って
新鮮なお刺身を
夕飯に出してくれる。
 
お風呂は、
大きな木の
五右衛門風呂。
 
小さな私は、
底板と一緒に浮きながら
お風呂に浸かってた。
 
板の床を切り抜いただけの
ぼっとんトイレが
心底怖わかったし、
伯父が育てていた
牛に追いかけられた時は
死ぬかと思った。
 
それでも、
「淡路に行こか?」
と祖母が言う度に
私は大喜びした。
 
大阪から
淡路島の伯母の家までは、
電車やバスを乗り継いで
半日がかりで行った。
 
遠くても
何度でも行きたい場所だった。
 
私が今暮らす、
長門湯本温泉も
そんな場所。
 
こんな所に実家や
祖父母の家がある人は
すごくラッキーだ。
 
特に子供達には
「オソト天国」。

夏ともなれば、
湯本の子供達は、
一日中川で遊んでる。
 
自転車で、
海にも山にもすぐ行ける。
 
子供達だけでなく、
大人もオソトで存分に
遊べる。
 
お金を使わず遊べる。
 
遊び疲れたら、
足湯に浸かって
のんびりしても良いし、
源泉掛け流しの
まちの温泉に入ってもいい。
 
海・山・川が揃った
長門は食材も豊かで
何でも美味しい。
 
特に近海に揚がる
日本海のお魚が絶品だ。
 
ジビエも捨てがたい。
 
お魚もジビエも
大都会に流通すると
とても高価になるけど、
長門では、「え?」
と思う値段で堪能できる。
 
野菜も同じ。
 
例えば先日、
都会なら2,000円は下らない
立派な自然薯が、
たったの700円で売られていた。
 
オソトで愉しく遊べて、
美味しいご飯に
源泉掛け流しの温泉。
 
遠くても
家族や友人が
しょっちゅうやって来る田舎。
 
長門はそんなところ。

(タイトル写真は、冬の楽しみフキノトウ)


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