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萩焼でお抹茶を頂く
器といえば、
山口では萩焼。
長門に暮らしていると
萩焼に親しむ
機会が多い。
慶長5年(1600年)に
毛利輝元が
朝鮮の陶工・李勺光を
萩の松本村に
移住させ窯を築いた。
その約半世紀後に
一部の陶工たちが
萩から長門に移り、
「三ノ瀬焼物所」を開いた。
ここで創作される萩焼を
深川萩という。
三ノ瀬は、
私が暮らす
湯本の温泉街から、
歩いて十分ほど。
今も五つの窯元が
360年続く深川萩の
伝統を受け継いでいる。
三ノ瀬には、
日本の田園風景の
美しさがぎゅっと
詰まっている。
外国から友人が
訪ねてきたら、
必ず連れて行く場所だ。
三ノ瀬の窯元が焼く
お茶碗は、
値段が高すぎて
手が出ないけれど、
手頃な萩焼の器で
毎朝お抹茶を
頂いてる。
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実は
裏千家のお茶を
ジュネーブで
2年ほど習った。
作法は、
すっかり忘れてしまったけれど、
お薄の美味しさは
しっかり覚えてる(^◇^;)
私のお茶の先生は、
お稽古の後
いつも生徒のために
お茶を点てて下さった。
請われるままに
何回でも。
先生のお茶は、
香りも味も口触りも、
とびっきり上等だった。
そんな素晴らしい
先生に師事しながら、
私は出来の悪い生徒で、
今もお茶を上手に点てられずにいる。
お抹茶用に
使っている萩焼は、
行方不明になってしまった
猫さんの器だったもの。
毎朝お茶を点てながら、
猫さんを偲ぶ。
一服、一服、
頂くごとに、
一日、一日、
猫さんが
戻ってくる日が
近づいているような
気がしている。