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#001 ポッドキャストはじめました|ElevationSpaceの『宇宙、配信中。』
「ElevationSpaceの『宇宙、配信中。』」とは?
株式会社ElevationSpaceの、プレスリリースやイベントでは伝えきれないディープな情報を、宇宙ビジネスを取り巻くホットな話題とともに、社内の様々なメンバーと楽しくお届けするポッドキャスト番組です!
ElevationSpaceは、「宇宙環境利用・回収」という、数ある宇宙ベンチャーの中でも、特に珍しい事業に取り組んでいるスタートアップです。
初回配信となる今回は、代表取締役CEOの小林さんとともに、「宇宙環境利用・回収サービス」についてや、ElevationSpaceの2023年の振り返りをお送りします。
インタビュアーは、広報・PRの武藤です。
1.代表取締役CEO 小林稜平 自己紹介
- 早速ですが、小林さん、自己紹介をお願いします。
小林
ElevationSpace代表取締役CEOの小林です。
代表ということで、経営全般や組織作り。スタートアップ企業なので、投資家からの資金調達を含め、幅広く担当しております!
元々、私自身は建築が専門でしたので、建築を見るのが好きです。
仕事柄、国内外含めて出張に行く機会が多いので、色々建築物を見て回るというのが、自分自身の趣味です。
結構、色んなところに行けるので個人的にはすごく楽しくやってます。
2.宇宙環境利用・回収サービスとは?
- 私たちは、宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」というサービスを提供しようとしています。「宇宙環境利用」ってどういうことなのか、そこからさらに「回収」ってどういうことなのか教えてください。
小林
まず簡単に言うと、私たちは人工衛星を開発しています。
この人工衛星は、宇宙から地球に戻ってくることができる「再突入・回収技術」という技術をコアにした人工衛星なんです。
「宇宙環境利用」と言うとちょっと分かりづらいかもしれないんですが、宇宙空間での研究開発や製造・実験、実証などを行うことができるプラットフォームを開発しています。
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今、宇宙空間での研究開発というのは主に、国際宇宙ステーション(ISS)を使って行われています。けれど、寿命の関係からISSは2030年に運用を終了することが決まっているんですね。
そこで、2030年以降は新しい民間のサービスが求められています。
私たちは、従来の有人の宇宙ステーションとは違って、小型で無人の人工衛星を使って、宇宙空間での研究開発や実験、実証を行うことができるプラットフォームというものを開発しています。
- 「宇宙環境での研究開発」、宇宙を使ったR&Dみたいな、そういうことができる”場”を提供しようとしているということですね。
- 会社ができたのが2021年2月ですので、もうすぐ創業から3年になりますが、今、会社が最も力を入れていることは何ですか。
小林
大きく2つあります。1つは、研究開発面です。
最初の人工衛星を2025年に打ち上げる予定で、現在開発をしております。ここに向けて、新しく開発しなければならない技術項目が多数あります。
ハイブリッドスラスターと呼ばれるエンジンの技術だとか、地球に戻ってくるための再突入・制御の技術など、通常の人工衛星では必要とされないような「地球に戻ってくる人工衛星」ならではの技術開発に取り組んでいます。
今は、試験用のモデルを使った地上試験を行っている段階です。
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もう1つは、新しい宇宙環境利用を広げていく市場作りです。
私たちが取り組む「宇宙環境利用」というマーケット自体が、まだあまり一般的ではありません。しかし、これから宇宙産業全体の市場が大きくなる中で、新しく宇宙市場に参入したいという企業が増えていくと見込まれます。そうした企業向けに、「宇宙空間での技術実証」という形で宇宙環境を利用してもらう、という領域に注力しています。
ただ、どのように宇宙市場に参入すればいいのかわからないという企業も多くいますので、単に宇宙での研究開発や実験、実証の場を提供するだけではなく、その前段階から支援をしていくという取り組みをしています。
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- 宇宙環境利用・回収という領域に取り組む民間企業は、他にいますか?
小林
日本国内で、我々のようなサービスを提供しようとしている企業はいません。
世界では、同じようなことを小型衛星を使ってやろうとしてる競合企業は出てきてはいるんですけど、まだどこも、技術実証には成功していない段階です。
「再突入・回収技術」と簡単に言いますが、小型の衛星を制御しながら地球に戻すことに成功しているのは、世界でも実は日本だけ、JAXAのみなんです。
私たちは日本の技術を活用して、JAXAともパートナーシップ契約等を結んで、「再突入・回収技術」を国内民間企業として初めて獲得しようとしています。
- JAXAで成功させてきた回収ミッションの系譜などを踏まえて取り組んでいる私たちの事業を、ぜひたくさんの方に知ってもらいたいですね。
ところで、ISSが2030年に退役するということ自体、一般の方にはあまり知られていないんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。
小林
そうですね、特に国内では、月面開発が注目されがちだと思いますが、アメリカとかヨーロッパといった海外では、宇宙ステーションの運用が終了して、その先、2030年以降に新たな民間のプラットフォームができるということは、かなり注目され、期待されている領域です。
なぜ日本であまり注目されてないかというと、ポストISSに対する取り組みを行っているスタートアップ企業が多くないからかもしれません。一般の方には、あまり馴染みのない分野かもしれませんね。
- まさに「ポストISS」に取り組む私たちが認知を広げて、課題として認識していただく必要がありますね。こうしたポッドキャストなど、様々な方法で皆さんに情報をお届けしていきたいなと思っています。
3.2023年を、代表・小林さんと振り返る
- ElevationSpaceにとって、2023年は激動の1年だったのではと思いますが、小林さんとしてはどうですか。
小林
2023年は、ElevationSpaceにとって様々な変化があった1年でした。
年の初めから比べると、人数もかなり増えました。
技術的にも、これまではパソコン上での設計が中心でしたが、今は本格的なものづくりフェーズに入ってきていて、部品も多数届いて、各種地上試験を行っている状況です。
- ではここでクイズです。「人数が増えた」という話が出ましたが、2023年に増えた社員数は何人でしょうか?
小林
6人くらい??
ー 10人だそうです。(笑)
小林
えっ、そんなに増えました?!
【編集部注】
退職したインターン生等を差し引くとメンバー数の純増は6人だったため、間違いではありませんでした!失礼しました!
新たに加入したフルタイムメンバーとしては10人でした!
- このまま続けます。(笑)
プレスリリースは、2023年何本出したでしょうか?
小林
13!!
ー いい線ですね!15本出しました。 ※記事公開時点では16本。
小林
多いな。 (驚きながら)
- そして、2023年はイベントや講演会などの登壇もすごく多くて。
さすがにこれは、クイズ形式にしないので安心していただきたいんですけど(笑)、小林さん以外が登壇したものも含めて、全社で50本くらいは登壇したかなと思います。
あと、先日発表されたJapan Venture Awardsなど、様々な賞を1年間で5ついただきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1702886306995-RRXR0OLMDw.jpg?width=1200)
小林
今、改めて1年を振り返っていましたが、ビジネス面でも様々な変化がありました。
初号機完売というプレスリリースを出しましたが、そのペイロード・顧客企業も様々な分野のお客様に利用いただくことが決まっています。
2号機以降の機体に関しても、初号機より多くのペイロードを乗せられるように動いていて、いろんな企業から、宇宙での実験・実証に興味があるという声をいただいています。
JAXAさんとの共創事業(J-SPARC)や、三井物産さんが事業者になっている日本モジュール「きぼう」後継機検討事業にもパートナー企業として参画していたり。
新しい事業が数多く立ち上がった1年でした。
優秀なメンバーが日々1歩1歩、着実に事業を進めている。その成果が形になって、これまで積み上げてきたことが実り始めていることを実感できる1年だったと思います。
4.2024年の抱負
- 来年に向けて、そして初号機打ち上げに向けて、2024年はどんな1年にしたいですか。
小林
2024年は、さらにアクセルを踏む1年になると思います。
2023年はいろんなことがありましたが、個人的にはまだブレーキを踏んでいる感覚があります。来年は飛躍の1年にしたい。
組織規模も事業も、今は国内に注力していますが、来年は国外に目を向けた活動もしていく予定です。
技術開発においてはより本格的な物作りが始まって、…カオスな1年になると思います。(笑)
- 2023年、たくさんの方に支えていただいてここまで来ましたよね。各方面でご支援いただいている皆様、今後ともよろしくお願いします。
5.最後に
今日は代表取締役CEOの小林さんとお届けしました。
今後も、経営陣をはじめ、様々なメンバーに出演してもらいながら、いろいろな人の言葉でこの会社や取り組んでいる事業についてお話していこうと思います。
ぜひ楽しみにしていただけたら幸いです。
この番組では、みなさんからの感想やこんな話が聞きたいというリクエストをお待ちしております。Xで #宇宙配信中 というハッシュタグで投稿してください。
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それではまた次回の「ElevationSpaceの、『宇宙、配信中。』」でお会いしましょう!
編集部による収録裏話
初回のポッドキャストということで、手探りでお送りしました…お楽しみいただけていれば幸いです。
このポッドキャストは、ElevationSpaceの広報だけでなく、社員やインターン生の有志が「編集部」という形でお届けしています。
これからも社内の様々なメンバーに出演してもらう予定ですので、温かく見守っていただけたら幸いです。