北海道・函館の教会巡り 冬のまちの景色は唯一無二の芸術だ
函館元町の教会を訪れた。最愛の父を亡くし、喪に服しているんで、祈りを捧げたい思いもありました。父と母との家族旅行で、幼いころから函館の教会はよく訪れていました。数十年ぶりに再訪すると、昔と変わらぬ、まちは静謐な空気に包まれていました。
市電で末広町の「十字街」駅で降りると、私が大好きな坂「二十間坂」を上ります。老舗の洋食レストラン「五島軒」もある坂ですね。坂を上りながら振り返ると、港が見えます。イチョウの実でしょうか、雪景色の静かなマンションの前の木々が美しい。坂を上ると、教会群が広がります。
まずは、私が最も好きな教会「カトリック函館元町教会」です。この教会の祭壇は美しいの一言に尽きます。教会内は写真撮影禁止なので撮れないので、静かに訪れるのがベターです。フランスの宣教師メルメ・カションが、安政6年(1859)に創建したローマカトリック教会で、徳川幕府が発布していたキリシタン禁教令が廃止されるのに先駆け、キリスト教宣教再開の象徴として、横浜と長崎に建立するカトリック教会と並び、国内では最も古い歴史を持つそう。現在のゴシック様式の建物は大正13年(1924)に完成しました。祭壇は、火災の見舞いとしてローマ法皇ベネディクト15世から贈られたもので、ローマ法皇から贈られたものとしては、日本で唯一の貴重なものだそうです。ローマ法皇が、個別の教会に贈り物をすることは「珍しい」という、大変貴重なものなんですね!しんとした教会で祭壇を眺めて、父の魂に安息を祈ります。
続いては、ロシアの教会です。「函館ハリストス正教会」に向かいます。グリーンの屋根が美しい教会です。日本初のロシア正教会聖堂です。内部は写真撮影禁止なので、ぜひ訪れてほしいのですが、入館の際に、50円で教会内で灯すろうそくを買うといいです。火を灯して、祈りを捧げます。
聖堂内部は高いドーム型の天井に窓から光が射しこみます。キリストたちを描いた美しい絵画があります。
このほかにも、函館市内には、トラピスチヌ修道院、函館聖ヨハネ教会もあります。これらの教会では、色んな教派の修道女たちもたくさん暮らしているんで、ほんとうに祈りの場、静謐な空間ですね。元町の冬の景色は、凜とした祈りが似合う。私も、静かに目をつむり、聖書の一節を脳内で思い出し、父の魂に思いを馳せることができました。
函館の元町の教会や、まちを美しくはかなく描いた映画ナンバーワンは故・森田芳光監督の「海猫」ですね。素晴らしい映画です。原作は谷村志穂さんの小説ですね。美しい小説。森田監督は、函館市にも住んでいたんですよね!その昔。
ぜひ、クリスマスなんかもロマンチックな場所でもあるので、恋人たちで訪れるのもお勧めですね。函館の教会は訪れてみてください。では、また。