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ELEMENTSが7兆円のクラウド市場に挑む理由|新規事業「ELEMENTS CLOUD」の展望

昨今のシステム開発においては、AWSやGCPなどのクラウドサービスがインフラ構築の重要な基盤となっています。これらは「パブリッククラウド」として知られ、AmazonやGoogleといった世界的な大企業が提供しているプラットフォームです。

実は、GAFAと比較するとまだ日本の小規模ITスタートアップであるELEMENTSが、このクラウド領域に新規事業としてチャレンジしています。
「え、AmazonやGoogleが競合になるサービスを作っているの?それって実現可能なの?」という印象を持たれるかもしれません。

しかし、「ELEMENTSなら実現できるという確信」と「今ELEMENTSがやるべき理由」があります。今回は事業責任者の久田がそのビジョンについてご紹介いたします。

代表取締役会長 久田 康弘
慶應義塾大学法学部卒業後、2008年に大和証券SMBC株式会社(現・大和証券株式会社)に入社し、ITベンチャー企業のIPOコンサルを担当。「自分自身を自分だと証明するのに、自分だけでは出来ない」という、当たり前のように思えて出来ないことを解決すべく、2013年12月に株式会社Liquid(現・株式会社ELEMENTS)を創業。


市場規模7兆円のクラウド市場に挑む

ニーズを捉え、サービス拡大へ

日本のパブリッククラウドサービス環境は、新型コロナウイルス感染症の影響もありオンプレミス環境からクラウドへの移行が近年急速に進みました。(参照:総務省
ITサービスの需要が増大し、急激なDX化の変化にも対応できる柔軟な環境構築・管理・運用がクラウドサービスでは可能だったためです。


そのような背景から、日本のクラウド市場規模は2023年の7兆8,250億円(売上額ベース)から、2028年には2.1倍の16兆6,285億円になると予想されるほど巨大かつ急成長を続けています。

引用: IDC Media Center

現在は各社パブリッククラウドは従来通りのCPUを軸に展開されています。しかしLLMの登場を機にAIの民主化は進み、高度な計算資源が求められつつあります。
そこでELEMENTS CLOUDが着目したのはGPUです。
(CPUはコンピュータの頭脳で、さまざまな計算を少しずつこなすのが得意です。一方、GPUはたくさんの計算を同時に素早く処理することに強みがあります。つまり、GPUは機械学習等で使用される圧倒的な計算の量とスピードを実現するための基盤となります。)

まずは、GPUのマネージドサービス(IaaS)を足がかりとして開始しています。
GPUのマネージドサービスは、クラウド市場全体の5〜10%程度の規模に過ぎませんが、これはあくまで入口にすぎません。今後は、推論モデル自体を提供するPaaSや、機械学習をエンジニアだけでなく誰でも利用できるようなSaaS化も視野に入れ、サービスを拡大していきます。

AIビジネスは主に4つのサービスレイヤーに分かれる
AI活用が進むにつれ、求められるサービスも変化
ELEMENTSでは通常SaaSでは持ち得ない"データ"も弊社自身が管理しているため
それらを活用したサービス展開が考えられる

安全なデータ管理を通じて持続可能な社会を実現する

単に市場の大きさのみでクラウド事業への参入を決めたわけではありません。自国のデータの低コストかつ安全な管理を実現する、という大きなビジョンも持っています。

先に挙げたようなAWSやGCPなどは、言うまでもありませんが米国が提供しています。実は日本と米国では、国がどうデータを取り扱うかの考え方が大きく異なっています。
米国ではClarifying Lawful Overseas Use of Data法、いわゆるCLOUD法(クラウド法)が2018年に施行されました。詳しい説明は省略しますが、米国のクラウド事業者に預けている情報は、特定の条件を満たすことで米国政府が閲覧可能になることがある法律です。

データは現代の情報社会では「資産」です。
もちろんこの”違い”によって、ただちに私たちの生活を脅かすなにかがあるわけではありません。しかし今後の何が起きるかわからない世界情勢等も考えると、食料などと同様自国のデータは自国で管理できる状態が望ましいと言わざるを得ません。

長年の経験を活かしたGPUによる個人情報を含むAIデータの大規模活用と
セキュリティを両立する仕組みの構築により、センシティブなデータの取り扱いが可能

だからこそELEMENTSでは、信頼性の高い国産のクラウドサービスを提供し、社会に貢献することを目指しています。

認証モデルでリードするELEMENTSだからこそ挑戦しなければならない

ELEMENTSは顔認証に強みを持ったeKYCサービスを提供していますが、それがELEMENTS CLOUDの開発につながっています。

一つに、私たちも顔認証モデルの構築をしていく中で、GPU活用で壁にぶつかってしまった経験をしてきたことがあります。既存のクラウドサービスでは機械学習を用いた高度な計算に耐えられず解決を迫られる、なんてことはまさに日常茶飯事でした。
またAIを扱っている他の事業者からも同様に、GPU活用に課題があるという話はよく耳にします。

また、ELEMENTSが自社でデータを広く保有していることもクラウド開発の強みになっています。
データはサービスを導入している会社に帰属してしまうケースが多い中で、サービス提供者のELEMENTS自身がデータを持ち、それを活用しています。実はそれこそが他社の参入障壁の高さになっていると言える部分でもあります。
通信や金融といったセキュリティや安全性が大いに求められるクライアント様との取引をさせていただく中で、私たちは個人情報を含むAIデータの大規模活用とセキュリティを両立させるための仕組みが構築できました。これらの経験から、クラウド開発においてもデータの安全性を保ちながら、より多くの価値を提供することがELEMENTSにはできると確信しています。

デジタル本人確認に関する競合との比較
Liquid(=ELEMENTSのeKYCサービス)では、広くデータを保有している

簡易的なマネジメントシステムを開発しているSIerや、国外のGPUマネージドサービスであるRun:AI(NVIDIA子会社)などを競合イメージする方もいるかも知れません。ただ実際これらはできることが限定的なので、競合として重なる領域は少ないと言えます。むしろ、今後は協業していける可能性のほうがあるとも言えるでしょう。

“新しいインフラを作る”そんな経験は今しかできない

この「国産クラウドを作る」とは、いわば、水道や通信キャリアなどのインフラをゼロから作るぐらいの大きな挑戦です。でもこれは、勝者が決まってからでは、後から作りたいと思っても挑戦できない。難しい挑戦ではあるものの、今しかできない大きなチャンスでもあります。

この挑戦を成功させるためには、「イノベーションを起こしたい」という情熱が不可欠です。逆に言えば、極端な話それ以外は後からどうとでもなるとすら言えるかもしれません。

事業を拡大する中で、これからさらにメンバーを増やしていく必要があります。そんな情熱を持つことができる方と、ぜひ一緒に働きたいです。
ELEMENTS CLOUDに少しでも興味があるという方はぜひカジュアル面談からでもお話しましょう!

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