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イボテンさん……って誰!?

 皆さんこんにちは、エレメントクリエイターズのまったりミクロです。
 今日も今日とて毒のお話です。
 テングタケを食べた男性のお話を思い出したので今回の記事を、と。

「毒と言えば毒キノコ」

 そんなイメージありますよね?
 私は昔聴いた話に「キノコが横に裂けたら毒がある」というものがあり
 逆に「縦に裂けたら食べられる」というものでした。
 ですがこれ、残念ながら誤情報でした。
 小学生の頃に「きのこのひみつ」という本を読んだ際に毒キノコの一覧がありましたが
 そこに載っていた毒キノコの中にも普通に縦に裂けるキノコがありました(ドクツルタケなど)。
 こういったお話は鵜呑みにしないように注意しましょうね(本記事も含めてですが)。

 本記事ではとりあえず毒キノコの代表格である「テングタケ」について軽く、です。
 この毒キノコの成分といえば「イボテン酸」ですね
 構造はうまみ成分で知られている「グルタミン酸」とそっくりの毒成分です。
 摂取してしまうことで嘔吐下痢、幻覚や発汗、呼吸困難に至ります。
 名前の由来は「イボテングタケ」から見つかった成分だからです。

注意 イメージは「ベニテングダケ」という毒キノコです

 グルタミン酸と構造が似ている、という点が非常に厄介で
 神経伝達物質として利用されるグルタミン酸と身体が間違えて利用してしまうのですね。(その分美味しいと感じてしまう現象も確認されています)

 イボテン酸がグルタミン酸の代わりに神経伝達物質として過剰に作用し、興奮毒性を引き起こします。
 簡単に言えば神経がすごく興奮してしまいます。
「興奮しすぎると何がいけないの?」
 と思う方もいらっしゃるかもしれませんが
 前回申し上げた通り、過ぎたるは猶及ばざるが如し、なのです。
 過剰に反応した結果、神経細胞はその刺激に耐え切れず損傷あるいは死滅してしまいます。
 それなくともまぁ、街中で凄く興奮しているヒトが居たら「やべぇ」って思いますよね。

 さて反応をしすぎるというのがどういうことかと言うと
 「目の前で強力なライトをつけっぱなしにされる」
 「0℃を下回る水、もしくは沸騰したお湯の中に居続ける」
 上記のようなことを想像していただければと思います。
 まず間違いなく苦痛を感じるでしょう。
 神経が過剰に反応し続けるというのはそれだけ苦しいこと、と思ってください。
 (強い光と言えば……?)

 因みにイボテン酸には第二形態「ムシモール(ムッシモール)」があります。こちらのお話はまた今度しましょう。

 今回もまた過剰が毒となるというお話になりましたね。
 ちなみにグルタミン酸が過剰に存在しても興奮毒性は起きるとされています。何事も適量に、を心掛けたいですね。

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