スペインの裸文化に挑戦
こんにちは!ツアーガイドのFujikoです✨
13年前に書いたスペイン留学ブログ「不惑のハポネサ」を、25回のシリーズで別バージョンでお届けします。映画業界で働いていた頃の体験をお楽しみください!
いよいよハポネサ(日本人女性)の崖っぷち大人留学も終盤を迎える✨
「スペイン映画の研究」という名の下で、2012年1月8日に出発し、ビザが切れる7月15日までスペイン生活にどっぷりと浸かるのであった📅
大学でスペイン語を学び、フィルムセンターで50~60年代のスペイン映画を観まくる日々🎞️
その合間にデートしたり、スペイン国内の旅を楽しんだりと、聞くものや見るもの全てを吸収しようと‘欲望’をむき出しにしていた🔥
そしてついに、欲望を満たす、フィナーレを飾る経験を…
それは日本にはなく、スペインにはあるもの✨
「ヌーディスト・ビーチ」だ‼️
■ヌーディズム
「ヌーディスト・ビーチ」
この言葉を聞くと、全裸になった人たちが海岸で日焼けをしたり、本を読んだり、海で戯れているシーンを想像する👙
ウィキペディアで「ヌーディズム」を検索すると、「ヨーロッパでは、ヌーディズム=裸体主義と定義され、全裸でありながら服を着た状態と同じように過ごすこと。ただし衣服を着て生活することが規範となっている社会における活動を指す。(中略)19世紀末、ヨーロッパでは近代化に反発して自然回帰の動きが生まれた。(中略)日本では、『全裸』が他人の性的羞恥心を害するため、公然わいせつ罪に問われる」
なるほど
時代が変わっても「裸」=「わいせつ」という解釈が根強く、「恥」が文化の一つとして浸透している日本では、「ヌーディスト・ビーチ」が定着しないのは当然かもしれない👀
■新たなヌーディズム
マドリードで仲良くなった日本語教師のNちゃんとは、ポルトガルやセビリアに出かけたり、バルで過ごしたりして、一緒に行動する時間が多くなっていた🍷
そんなNちゃんに彼氏ができたらしい💕
それもスペイン人の年下の彼👦
バルでサッカー観戦をしている時、Nちゃんを迎えにきた彼氏のOを紹介される
NちゃんとOは久しぶりの再会だったこともあり、OのNちゃんへの愛情表現は強烈だった💏
Nちゃんは日本人女性らしく恥ずかしそうに抵抗していたが、OはそんなNちゃんを完全無視。むぎゅ~と窒息させるぐらい抱きしめていた💪
そんな2人のじゃれあいが、まるで大きい犬が小さな人形を転がして遊んでいるかのように見えた🐕
Oは訛りのあるスペイン語を話す
聞けば、カナリア諸島出身らしい🌴
北アフリカに近く、1年中トロピカルな気候なため、毎日海で泳いでいたという🏖️
「海水パンツなんて付けたことないね。パンツをはいて海に入るなんて抵抗があるよ」
彼のこの一言から話はバレンシアにあるヌーディスト・ビーチに発展🌊
「ヌーディスト・ビーチ」という言葉は聞いたことがあったけど、イタリアやフランスの一部の避暑地だけの話で、一生縁がないと思っていた
そう、スペインにもあるとは知らなかった
話を聞いているうちに、「行きたい!」という私の欲望が刺激され、ついにはハッキリとした欲望に変わった🔥
さらに話は実行計画に進展し、3人で行くことにしたのだ🎉
スペイン滞在が残り1か月を切っていた私には、‘欲望’を満たす朗報ではあった
しかし、一方でこのアツアツカップルと一緒というのは、孤独感に襲われる可能性もあるなと覚悟するのであった
■パエリアの街、バレンシア🍚
バレンシアと言えば、バレンシア・オレンジが馴染み深い🍊
しかし、この地が米どころとしても有名なのは意外に知られていない
バレンシア市の中心部から少し離れると田園風景に出会う🌾
青々とした稲が緑の絨毯のように地を覆い、風が吹くと稲がなびく様は私には懐かしかった
私の故郷である山形の家の周辺は田んぼだらけで、小学校の通学路はたんぼ道1本だった🌾
春夏秋冬を通して稲の成長ぶりを目にしていたので、バレンシアでこんな光景を目にするとは、なんとも感慨深かった✨
そして、米が収穫できるということは、美味しいパエリアができるということでもある
ここバレンシアは、海岸沿いの街でもあるので魚の漁獲量も高い🐟
パエリアの具材である米、魚、肉、野菜のうち、2つの具材が地元でそろう
ということは、パエリアの名所になるのも当たり前である🍽️
でも、我々が注文したのは米のパエリアではなく、ショートパスタのパエリアだった🍝
Oのセンスに任せてしまったからだ
注文した後に後悔したが、幸いこれまで食べたパエリアのなかで一番美味しかった💯
味にも満足だったが、この気候のもとで食べるパエリアが格別だったのかもしれない☀️
■いざ、ヌーディスト・ビーチへ!🏖️
胃袋を満たした後は、待ちに待ったヌーディスト・ビーチへ出発🌞
Oが運転する車の助手席はもちろんNちゃん🚗
私は後部座席で車酔いに気をつけながら、2人のイチャつきぶりから目をそらしつつ、外の風景を楽しんでいた🌄
ビーチには駐車場が無いため、近くの道路の路肩に駐車し、炎天下を歩くことに🌞
しかし10分歩いてもビーチは見えてこない
2人のイチャつきパワーも、この暑さで消沈ぎみだった💦
ついに青い海が見えた🌊
「やったー、海だ!」
海岸線を見渡すと、ほとんど誰もいない
遠くに丸裸の家族連れが1組いるだけだった👨👩👧👦
誰もいないヌーディスト・ビーチ
裸になりやすいが、Oがいるな……
さすがカナリア出身のOは、「ちょっと失礼。裸になるけど」と言って、一糸まとわぬ姿になり、海に行ってしまった🏊♂️
Nちゃんと私は水着のまま、後を追いかける🏄♀️
海でイチャつく2人から逃げるように浜へ戻った私は、水着を着たままドライブインで買った女性誌をパラパラとめくる📖
スペインのゴシップ誌には何の興味もなかったが、何も考えなくていい雑誌として初めて買ってみた
そしたら、なんと言うことか…‼️
雑誌のインクが、水着や手、足にベタベタとまとわりつくではないか!
身体についた海水に反応したのか、雑誌の写真の色が歪んでいたり、消えたりしている
日本の雑誌ではありえないことだ📚
そこへ2人が戻ってくる
インクまみれの私を見て、驚き、そして大爆笑😂
私もつられて笑ってしまうが、せっかくのおニューの水着が台無しだ👙
ヌーディスト・ビーチだからといって、水着を持ってこない勇気はない。新調したばかりなのに…
砂でこすっても落ちない
もうこれは海しかない🌊
3人で急いで海へ走り、洗い流す🏃♀️💨
2人も必死に私の手と足からインクをこすり落としてくれている
でも水着についたインクは落ちなかった
「もう、いいや!」と諦め感が湧いてきた😌
すると、その諦め感が、私の心の中で何かを解き放ち、開放感に変わった✨
私もOに倣って、自らを開放することにしたのだ🕊️
Nちゃんは日本人女性らしく最後まで抵抗していたが、3人には奇妙な連帯感が生まれていた
文字通り「裸の付き合い」が、国や性の違いを超えて人間同士が交わるきっかけを与えてくれたのだ🌐
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