mockumentaryⅡ~outside~歌詞集

Eureka

死が世界を覆うような
不安と安らぎが満ちる夜
僕が感じたことは
君の中で何になるのかな

悪夢に魘されてしまう時は
手を当てて見守っていてよ
僕らは光を探し続ける
在りし日の理想が叶う時を待つ

夢みる僕が抱える憂鬱を
静かに共感してくれた
その時、僕と世界との隔たりを知り
結合した心を分解した

人々が目を背ける
孤独の姿を追いかけていた
恐怖を感じてしまうものに
また僕は甘えてしまう

人々の隙間を満たしている
空っぽが孤独の正体だった
僕はひとり腕を広げて
虚空に迫って自分を感じた

夢みる僕に絡まる世人を
孤独が切り裂きひとりにした
その時、僕と世界の繋がりを知り
分解した心を結合した

僕が隣で笑っていたこと
それが全てだったんだろうな
それぞれの内に渦巻く
美醜を許しあう
そんな愛に包まれた

クラゲ


雨に光る煙草の火
波紋が知らせたのは涙
言えずに渦巻く本音も
あと数秒で灰に埋もれる

夜空と同期した部屋で呟く
僕はここにいるよ

僕らはまた勘違いを繰り返す
ただひたすらに茫漠な海原で
後付けするための意味を探してる
僕ら、時代に漂うクラゲのようだ

泳ぐ燭影は
襲い来る不安や過去の声
誰かの虚な言葉で
傷つけられた人の涙を
笑うな

饐えた言葉の匂い
言いたいことはない
僕らがなくしてしまったこと

変わらず退屈で愛おしい日々が
柔らかい肌と心に染み渡る
幸せを求め忘れた優しさ
僕ら、時代に漂うクラゲのようだ

戯れ歌


大口叩いて別れた君に
まだ会えないな
約束を果たせていない僕は容疑者
言い訳着込んで何処かへ逃げる

愚痴の混ざった煙草の煙

夢も時間も灰の中
騒ぐ街が寝静まった後
僕の話し相手は残った不安だけ
積もっていく灰
惨めな心が崩れてく

空高く嘶く鳥が
次の街へ飛びたつ
揺れる電線、震える神経
僕もいまに飛びたつさ

幸せを誰かに託さずに
理想を掴み取ろうともがいてる

きな臭い社会に背を向けて
君が諦めた未来に
僕は歩いていく
訝しげな眼で僕を見つめてる
君に届けたいこの戯れ歌

ついでで生きてく人生だ
そう思えたから
明日も生きていける
僕の胸の内
倫理の餌
僕はその内
それすらも喰らう

影の向こう


紡ぐ陽の光
花びら越しに背は翳る
揺蕩う風に黙っていた
いま身を寄せて
僕は確かに生きている

無邪気な心が瞳に映る
君のことを
思いだしてもいいかな
孤独の中にある侘しさよ

光がぶれる
重ねた花弁と涙
流れ去る日々
忘れてしまったこと
凪がぶれる
静寂を撫ぜる君の声
煙に隠した僕の心

綻ぶ陽の光
紡ぎだしたのは星月夜
重なるあの夜に語りかけた
いま聞こえるか
僕は確かに生きている

響き合う
君と僕の心
影の向こうで今も共鳴してるかな
孤独の中にある優しさよ

鬱も彩る
夜空の記憶に触れた
寂しく焦がれる
忘れ得ぬこと
時を重ねた心情
拙い言葉
届かずとも
君のもとへ

愛憎の手の中で暮らしている
愚かしい僕らは
唾を吐きつつ細やかに願う
不条理な世界でも笑っていたいから

時と共に消えぬように
手を繋いでいて
夕映え、揺れる髪
君にみいだした光
花陰にみた
幾千年変わらぬ思い
僕らは等しく樹影に眠る

いつか全て繋がって
この時代を生きぬいた意味になる
僕は行くよ
新たな思いを抱いて未来へ

それでも僕らは祈るのだ


君に移植した
僕の痛み、君を知りたい
自分のことを殴った
狂った良心、僕は悪酔い
コンビニに集った彼ら
明かりに群がる虫の大群
刹那主義の暴走族
宵闇を駆ける流星

未来に馳せた高揚と不安を混ぜること
こうして軌跡となるのだ
ずっとここに留まっていた
部屋にこもって祈りに没頭した

下校する子どもの足音
駆けていった
虚しくなった
戦う姿、罵られる
抒情も感傷も殺されてゆく
傘に打ち付ける雨
数多に弾けるパラレルワールド
雨傘揺れてぶつかる
心もぶつかる、移った悪意

抗うつ薬の代わりに持っていた
ナイフはきっとずっと錆びていた
僕の自尊心もずっと錆びていた
壊れた心に上がる焔
世界が怖くて部屋にこもって
思い出を傍に未来を思ってみたら
不安に負けて呼吸が荒れていく
錆びたナイフが喉元に近づく

煙草屋の暖簾は感傷に燻され
寂しくも優しく静かに揺れていた
ゆるやかに移ろう時代の中
遺跡のようなシャッター街での営み

それでも僕らは祈る
祈るのだ
悲しい言葉に引き寄せられても
僕は逃げない

ただそこに

移ろう季節と
景色に掠める記憶
消えては色づく
その姿に何を求む

ひとりきりで泣いていた
ひとりきりで泣いていた
形をなぞる指先
こころの流体

世界の木陰で
静かに終わる命
残り香、香らせる
その香りに何を思う

ひとりきりで泣いていた
ひとりきりで泣いていた
最後に見る景色が
美しくありますように

ただそこに佇んでいた
そこから育まれてゆく
君がまだ知らない
世界のその愛と
また手を取り合って


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