#牧歌日記 周期
今日はかなり冷え込んだ。最近は毎年のように暖冬だから、冬らしい冷え込みになるのも僕が子どもの頃に比べてだいぶ遅くなった。
ようやく年の瀬らしくなってきた。
僕の家では、必ず年末年始を祖父母の家で過ごしていた。大体12月28日くらいに帰省して、1月2日に親戚家族と初詣に行き、1月3日に自宅に戻るというのが毎年の恒例行事だった。いつまでもそういう年末年始を過ごすのだろうと勝手に思っていた。
今年、祖父母が立て続けに亡くなった。
土地は叔父が相続したが、住んでいないので実質空き家となった。
そんな今年は、祖父母の家ではなく自宅で正月を迎えることになった。帰省の理由には、いろいろあったが、親戚からお歳暮がたくさん届いて祖父母2人だけじゃ処理しきれないからというのもあった。
でも、もうその必要もない。
今年から、新しい形の正月の迎え方をすることになる。
習慣に甘んじてるのは楽だし安心する。
それを安易に否定はしないし、どちらかといえば僕は怠惰な人間なので、習慣の中で過ごしている方が性に合っている。
でも、その習慣もあるとき急に終わってしまうこと、変わってしまうことがある。
僕らは毎日の暮らしの中で、ありふれた、満ち足りた平凡な日々が、まるで永遠に続くかのように錯覚してしまう。
むかし、花燃ゆという大河ドラマ(吉田松陰の妹が主人公)で、「人には季節がある」という台詞があった。僕は子どもながらにその台詞に胸を打たれた。
季節は巡る。過ぎてゆく日々を思うとどこかもの悲しい気持ちになるが、いつかまた同じような日々が訪れるかもしれない。そう思うと、寧ろ色々な季節を僕は見てみたくなる。
正月を家族親族で過ごす季節は終わったのだろう。次に家族親族で過ごす時が来たら、もしかしたら僕も家庭を持っているかもしれない。もしそうなら、おそらく相当未来の話なんだと思う。