mockumentary歌詞集


微睡

嗚呼、見ていた
あの景色は意識へと消えてゆく
嗚呼、君の笑う顔が
無性に悲しく見えたんだ

夢想家な僕が沈むように眠る頃
路地裏の花は色褪せて枯れていた
素朴な世界を染め上げていく思想
ただ在る世界 静かに廻る

嗚呼、揺れてた
結ぶために分離をしていたんだ
嗚呼、君の笑う顔で
無性に嬉しくなっていた

夜露に閉じ込めた心情
朝日が照らして忘れてしまうかな
虚しくなってまた間違えてしまうかな
荒れた世界 静かに眠れ

嗚呼、目が覚めたら
あの日負った傷はまだ痛むかな
嗚呼、苦しくて涙流したこと
忘れないで!

影踏み

夕暮れの疲れ
ため息
よれた服と靴の音
何もないけど守っていく
この生を

淀みに揺蕩う心
いつしか時に浚われてく
影は伸びて重なる
曖昧な僕と君の間

世界の瑣末な
ひとつひとつを大事に紡いで
くだらない輝きを守っていくよ

夜露で裾が濡れる
汚れた足と土の音
何もないけど歩いていく
変わらぬ日々を

柔らかい肌をなぞる涙
この痛みも洗い流してくれ
次第に鈍くなる感覚
時の流れに素直な体

世界の瑣末な
ひとつひとつを大事に紡いで
くだらない輝きを守っていくよ

こもり歌

雲に映る鳥の影
午後の光に照らされる
校舎の影と風に髪を揺らす

陽に照らされて僕の下に影がひとつ
揺らぐ木々の音
僕が秘める獰悪や鬱を
青みがかった光が撫でる

子どもが眠る時
安寧が永続することを
祈るような子守唄
胸元にぎる
堪える涙

この一夜に唄う詩が
時を超えて空気を揺らし
いつかの僕が堪えた
涙を渇かす

月に照らされて僕の下に影がひとつ
夜の凪
誰もが持つ心の隙間に
音を響かせる
この音を

優しい光の揺り籠で
眠る僕らを見守っている
泳ぐ夜の雲
薄暮に投げた情動の波紋

黝い空の陰纏い
燃える残照もそっと隠した
最後に僕が流した一粒
大きな涙

ぼくのせかい

読みかけの本には無限の世界
時計が止まって部屋に永遠ができたよ

おゝ、気付かぬうちに体も意識も沈んだ
僕は僕だけの世界へ舟を出すのだ
季節を変えた風で変わらなかった思いを積んで
夢の中へ

言えなかった言葉で水切りして遊ぼう
せめて遠くへ跳んでゆけ
大きな波紋が僕の足元へ

太古の巨大な生命が悠々と歩く姿をみる
遠い昔に汗を落とした

陽の届かないほど暗く深い記憶の底で
その生命の気配を感じている
草刈り後の青臭さで蘇る少年の日の思い出
汗を落とす

ただ一人の夢
眠りの中で棹を握りしめて巡る
記憶と空想に揺蕩う
今まさに浮かぶ運命の光
未来の願いの中でさらば東の方へ

言えなかった言葉で水切りして遊ぼう
せめて遠くへ跳んでゆけ
大きな波紋が僕の足元へ

一緒に歌ってくれるかい
僕らまた会えるかな
ここで泣いていたのだ
君に涙見せないで

もう静かになって夢の中
小さな寝息が波音のよう
僕は眠っているのだ

涙雨

寂しい夜に灯を消して
遠くに聞こえた誰かの悲鳴

空虚が笑みを浮かべる
地面に映る僕の影

あの日の記憶に火をつけて
情けない空気と吸い込んだ
雲の隙間を埋める孤独
指に染みつく思い出

寂しい夜に閉じこもる小部屋
遠く叫んだ救いの歌

蹲って見つめた
鏡に映る僕

弱った顔して
深くなってゆく虚空

無垢な子どもの笑みにも負けない
優しい声が空を覆って
降らせた雨に打ち付けられて
穢れと恐怖を洗いながせ!

驟雨の後に芽吹く温もり
雨に頬を濡らせた
少年が生きた真実に曙光射す
長い眠りも終わる

覚醒

目覚めた今、忘れたこと
あの日救いたかった心
目覚めた今、覚えてるよ
あの日、心を抉ったこの手を

喜びも寂寥も畏怖も
僕らの内にあるもの全て認めて
互いに汚れた手を繋いで未来を作ろう

嘘と傷を涙で
洗い流した

佇む僕の震えてる体を抱きしめて!
繋ぎ合う心と心
僕らの祈り

田の面を駆ける祖先の霊
消えた音がまた鳴り出す
巡る命と意思に祈りの歌を

木々の向こうの光をのぞむ
すぐ側にある未来を見つめる
連なる街の果てにのぞむ
どこかで暮らす君と目が合う

嗚咽して弱る僕に世界はいつも他人事さ
光と闇を懸命に越えて
泡影な一生を終えるんだろう

佇む僕の震えてる体を抱きしめて!
繋ぎ合う心と心
僕らの祈り

田の面を駆ける祖先の霊
消えた音がまた鳴り出す
巡る命と意思に祈りの歌を

悲劇と喜劇の間にある諧謔
そう思う愚かさ
認めてこその優しさだろう

佇む僕の震えてる体を抱きしめて!
繋ぎ合う心と心
僕らの祈り

田の面を駆ける祖先の霊
消えた音がまた鳴り出す
巡る命と意思に祈りの歌を

光の中、目を覚まし
笑い合う悲しき日々
脆いけどまた歩いてゆく
微笑む君と僕

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