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自作キーボードの沼に沈めるチャートを考える

こんにちは。自作キーボードを初めてそろそろ1年くらいのひよっこの沼人(ぬまんちゅ)です。今日は友人を沼に沈めるための自作キーボードのフローチャートを組んでいきます。


まずキーボードの沼には複合的な要素があります。
・エルゴノミクス(Kinesis Advantage360)
・分割(Corne Cherry
・特殊な配列(今回はロウスタッガードでないという意味)
・ポインティングデバイス付き
今回はこれらの要素を元にしてチャートを組んでいきます。

使ってるキーボードが一般的なキーボードのユーザーをどのように進化させていくかという感じで今回はフローチャートを組んでいきます。今回は一般的なキーボード・マウスを次のお安いエレコムのフルサイズキーボードと仮定してやっていきましょう。この要素を通常として扱います。

チャート概要

新しい沼の住人を増やすためには、できるだけゆっくり丁寧に沼に浸けていかなければいけません。焦ってはいけないのです。キーボードに数万円をポンポン払っていくというのは明らかに一般感覚からしたらズレているのです。この誤解をゆっくりと解いていき、実はキーボードで3万円とかは格安というのを刷り込みしていきます。

 基本戦略として上のような形で最終的にmoNaやKeyballに沼らせていきたいです。なぜ最終地点としてこれらをピックしたかというと、一番要素盛り盛りなものに慣れさせればそのあとに要素を減らすことは簡単だからです。KeyballからHHKBに戻るのは簡単ですが、HHKBからKeyballというのは少し抵抗が大きいことは明白でしょう。というわけで最終的にそこを目指しつつ、そこまでゆっくりと沈める方法を考えていきます。

今回は3ルートでそれぞれの甘言を用意し、沼に沈めていこうと思います!

ルート1 やっぱりエルゴノミクスだよ!

「最近デスクワークが多くて肩こりがする…」「やっぱりエルゴノミクスキーボードだよ!」。ということでまずはエルゴノミクスを推していくルートからいきましょう。一般の人にも無理なく上昇負荷を与えずに沼に沈めていきます。

まず通常の一般人は全くキーボードに不満を持っていないということを認識しましょう。不満もクソもそもそも「キーボードの使い勝手…?えっ?キーボードが不便もクソなくね…?キーボードってこういうもんだろ」という認識を一般の人は持っているのです。ここでいきなりKinesis Advantage360なんか持ってきたら金額と見た目の衝撃でトラウマ必至なのでまずは優しく緩やかにいきましょう。焦ってはいけません。

1-1 エルゴノミクス

最初の話のとっかかりはいきなりキーボードからいくのではなく、世間話くらいのところから始めます。いきなり「なぁ!キーボード興味ない!!?」みたいに鼻息荒く言ったら新参は萎縮してしまいます。なので最初は「最近肩が凝るんだよね。デスクワークが多いからかな?」のように自分の最近の困りごとの共有くらいから話を持っていきましょう。そして「キーボードって打つときに結構肩がすぼまっちゃうから肩こりやすいよね。そういえばエルゴノミクスみたいなやつあるよね」という感じでさりげなく、キーボードの新調を促します。

今回はAjazzのエルゴノミクス(アリス配列)のキーボードを紹介しましょう。いきなり市販品でない自作キーボードというのはハードルが高いと感じられてしまいます。

個人的にはRiemannのような小さくておしゃれな自作キーボードを紹介したいですが、ここではグッと抑えます。

ここではできるだけアリス配列など、通常のロウスタッガードから遠くないキーボードを選ぶことで抵抗感を減らします。紹介しているキーボードは以前購入しましたが全体的に完成度が値段の割に高く、高品質です。特にいいのはこのキーボードはベアボーンで届くので、自分でキースイッチをはめ込み、キーキャップをはめる作業があります。これにより、キーボード=「市販品のまま使う」という先入観をほぐしていきます。そしてこのキースイッチというものにより打鍵感が変わるということをしれっとすり込みます。

このキーボードはAjazzがやってるだけあってゲーミングとしてもそこそこは使えます。なのでオフィス用途でなく、ゲーミングデバイスとして紹介することでも導入のきっかけにしやすく、きっかけの択を作りやすいところがさらにGood。

1-2 分割キーボード

そしてエルゴノミクスに慣れてきたらこう声をかけます。「自分もエルゴノミクス使ってたんだけど、思い切って分割キーボードにしたら全然肩が凝らなくなった」。あくまで沼へのアシストとして徹底しましょう。

エルゴノミクスは確かに効果があるとは思いますが、やはりそれは微々たるものです。結局人間の自然な姿勢でタイピングできるわけではないので、やはりもっと効果を求めるなら分割キーボードになるでしょう。なのでここで紹介するのはMajestouch Xacro。

これはシンプルに半分に分割したキーボードであり、最悪くっつければほぼ普通のキーボードとして使えます。ここでチョイスした要因としては、「仮に分割キーボードに慣れなかったらこんな高価な買い物どうしよう」という不安を減らすため、くっつければ普通の形になるものを選んでいます。さらに言えば、分割キーボードを始めたての人の言う「B」を右手で押してるから分割は困るのようなことも、余分に中央に追加された列によって対応できます。これにより、もっと安心感を与えつつ分割キーボードに触れさせることができます。

ここまでは優しくゆっくりしてきましたが、ここからはジェットコースターのように自作キーボードに引きずり込んでいきます

1-3 分割&特殊配列

分割キーボードにまで手を出させればこっちのものです。これに慣れたらもう一体型のキーボードには戻れません。沼に膝上まで浸かっているのです。そして分割キーボードを使っているということはタッチタイピングを当然習得しています。なのでここら辺でタッチタイピングにも変化を入れます。それは特殊配列です。

特殊配列とはここではロウスタッガードではない、という意味です。つまりは格子配列やカラムスタッガードといったものです。エルゴノミクスを口実に沼に引き込んできたので、さらにアシストをします。

ロウスタッガードって明らかに指の形にあってなくて、エルゴノミクスじゃないよね」。これだけです。そしてここでもっとエルゴノミクスなものを提案しましょう。今回はErgoDashを上げます。

ErgoDashはカラムスタッガードの分割キーボードです。比較的安価に購入できます。そしてこのタイミングで購入のために遊舎工房に連れ込みましょう。そして自作キーボードの世界の存在を知ってもらいます。

そして次にCorne Cherryなどを紹介し、ゆっくりとキー数を減らしていきます。ここでいうのは、「数字キーってホームポジションから押しづらいし、もっと小さくすれば持ち運びできて外でも使えるよね」とささやきます。そうしてCorne Cherryまでキー数を減らせたら大成功です。ほぼ沼にはヘソまで使ってもう出られません。

End 分割&特殊配列&ポインティングデバイス

ここでとうとうKeyballの登場です。どのKeyballでも構いませんが、おすすめする時には「ここまでエルゴノミクスにしたのに、マウスのたびにホームポジションからズレるの嫌だよね」と囁きましょう。ここまでついてきた相手ならきっと共感し、たった数万円のKeyballを安いと言って買うでしょう。

さてさて、仕上げにmoNaもおすすめします。Keyballまで勧めたんだからもういいんじゃないか?甘いです。家以外の作業環境でも快適に自作キーボードを使えるようになった方が便利です。そしてそれをより刷り込むためにも完全無線の自作キーボードというところまでコマを進める必要があるのです。ここまで言ったらもうそうそうのキーボードにはビビりません。もちろんroBaもありますが、外出のためのよりコンパクトな内容を求めるのであればやはりmoNaを私は推したい。

さらにさらにもっと面白い方向に育てるのならShapeKey46みたいに分割+ダブルトラックボールみたいな方向も良いでしょう。ここまで来ればKiller Whaleだろうとなんだろうと物怖じせず楽しめるぬまんちゅの完成です。次は自分で設計しましょう。

ルート2 ロウスタッガードって非効率じゃないか?

ルート1はエルゴノミクスという人間的な不便にアプローチしましたが、次はキーボードが非効率的な形状ではないかということにアプローチしていきます。

2-1特殊配列

「ロウスタッガードって明らかに届きづらいのがあるよね…」ということでまずはキーボードの不便さに気づかせましょう。どう考えてもそこ指無理して押してるよね?ということを気がつかせます。これにより、配列に注目させます。

まずはいきなり分割などのオーバーな変化を与えるのではなく、ゆっくりとした変化を与えます。つまりは格子配列の提案です。言われていれば「ロウスタッガード」というのは少し不自然な形状です。運指を考えれば上下の移動をしやすいのはちゃんと列が揃っているもののはずです。ではここでオススメするのは何か?それはKeychron Q15!打鍵感も最高で品質も当然文句なしです。ノブモついており、さらにスペースバーが半分なのでレイヤーキーという概念を教えやすいです。

しかし1点問題があるとするとこのキーボードは高いです。自作キーボードの沼の住人でも4万円を超えるとちょっとだけ躊躇します。なのでもう少し安価な感じで格子配列を試したい。それならばleneko60Oなどが良いでしょう。キー数もHHKB程度はあり、慣れるのも容易でしょう。

2-2 分割&特殊配列

次に分割にも進めましょう。先ほどは格子配列の紹介をしたので、この時点で慣れてきたら配列は学習コストとして低いものとして認知します。ロウスタッガードでもなんでもタッチタイピングがそもそもできるのであればあまりキャッチアップのコストは高くないのです。

タッチタイピングができるのあれば分割しても困らないです。なのでここで提案するのは分割&格子配列。cool650を今回は取り上げます。

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End 分割&特殊配列&ポインティングデバイス

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ルート3 マウスで手が離れるのって面倒だよね…

3-1 ポインティングデバイス付き

キーボードとマウスを使ってて思うのは「手を行き来しなくてはいけない」という不便さ、非効率さです。これを解決するためにはどうすればいいか。簡単です。足せばいいのです。

ここでは素朴に「1日何度もキーボードとマウスを行き来するのに時間を使ってて無駄な時間が多い」という投げかけです。1度その非効率に気づけば、だんだん心の中でそれの存在感は大きくなります。そんな時に提案するのはHHKB Studioです。

こちらの良いところはあの有名なHHKBであるということ。HHKBとしては静電容量無接点方式ではないので、好みが分かれるところではありますが憧れのメーカーであることは間違いないでしょう。そこの出してる今回のテーマに合うソリューションとなるキーボード。これは購入するしかないでしょう。

もちろんあなたの言いたいことはわかっています。トラックポイントは好みが分かれるし、用途によってはあまり向かないだろう(3Dモデリングなど)と言いたいのですね。全くもってその通りです。そんなあなたの言い分をカバーするためにcocotも紹介します。

cocotkeebsで販売されるpicot_O44は中心にトラックボールがあり、配置だけ見ればHHKB Studioのトラックポイントをトラックボールにしたような形状です。格子配列やロウスタッガードなどもあるので、好みを見つけやすいのも良いです。

End 分割&特殊配列&ポインティングデバイス

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終わりに

この記事は中学生が「教室にテロリストが入ってきたらどう制圧するか」というのに近いコンテンツでしょう。友人を沼に沈めるというのを妄想し、そのためのチャートをニヤニヤしながら楽しむコンテンツです。つまりどういうことかというと、あなたも自分の沼チャートを作成して一緒にニヤニヤしましょう。(以下は商品ページサムネ画像を引用しております)

もちろんチャートのルートもいくらでもあります。いきなりKeyballに行かせるような千尋の谷ルートもあれば、もっとマイルドなルートも色々考えられます。その際のチャートをあなたも考えぜひ公開してください。私もそれを見てニマニマするので。

もっと細かく行くのであれば狭ピッチ、マウント方式、ファームウェアなどなどいくらでもあるのですが、これを書くともう文字数がすごいことになってしまうので一旦今回はここら辺で。ではまた!

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