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TDT200 前編

自分はどこまでやれるのか?

こんな事を考えるようになってきた矢先に、TDT200の告知が舞い込む。

TDT200とは、TDT100という多摩川河口の羽田大鳥居 (通称サロモン) から青梅高水山の常福院に行き、24時間以内に帰ってくる100マイルランニングイベントを、2回連続で挑戦するイベント。200マイル48時間というスペックは、当然自身にとって最長距離と時間である。

特にキツいだろうと思っていたのは2点。1つ目は、2周目スタートが1周目スタートから24時間後でかつ2周とも24時間以内に帰らねばならない、つまり疲労が蓄積していく2周目にペースをほぼ落とせない点。2つ目は、2回夜を超える為に睡魔との激闘を制さなければいけない点。

両方とも経験した事がない領域だが、どこまでやれるのか?を試すには絶好の条件のため即参加表明。

スタート40分前だが誰もいない悪天候下のサロモン、不安しかなかったw

参加者はエマちゃん、シンさん、前田さんと自分の4人、スタート前から暴風雨にも関わらず笑ってるイイ意味でおかしな人達w スタート後も暴風雨だったが、翌日から真夏の暑さになるとわかっていたので、むしろ涼しくありがたかった。ただ、備えてナトリウム補給だけは意識して進む。序盤はシンさん、前田さんと同じペースでしゃべりながら進む。そして平日の昼間かつ悪天候にも関わらず聖子ちゃん達やジュンジさん達が応援に来てくれた、早速元気を貰う。

気持ち良い雨で楽しかった Photo by聖子ちゃん、翌日TDT100に出るのに来てくれた

二子玉川手前で、渋滞でスタートに間に合わなかったトモさんが待ってくれていて、ゼッケンを受けとる、テンションが上がった!二子玉川のセブンは、2周目は寄っている余裕はない可能性があるから、1周目は寄らずにどんな感じになるか試そう作戦の予定だったが、みんなも寄らなかった。考える事も大体同じな変態達に混ぜて貰えて良かったと思えた。その後も喋りを交え淡々と走り、37km地点の最初のデポに到着。そこでトモさんから食べ物や飲み物を頂き、エネルギーと元気を補給。

応援のお陰でその後も淡々と走り続けることができるが、日差しが出てきた。日差しに強いハズのお馴染みハットも、横から差し込みには無力で攻撃を防ぐことができず、結構暑さを感じると共に、翌日からの夏日が恐ろしく思えた。そしてやっぱり疲労がたまってきた。やはり、同じ動きを50kmも繰り返すと動きは悪くなる。多摩川から上がり。最初のセブンでアイスを食べる。身体が冷えるし美味しかった、翌日からの暑さに備えて体温をあまり上げ過ぎないようにすることも狙いの1つ。そこで初めましてのコミネさんから冷感ボディシートをもらい更にさっぱりした、暑い時はこれはアリ!その後東青梅駅で今野さんから応援を貰い、その先のファミマで補給をして鉄道公園に到着。まだライトが要らない時間でまあまあ早かったが、ずっと同じ動きなので結構疲労感はあり。

翌日からの真夏への序章

ここからはTJ戦士の前田さんに引っ張ってもらう。使う筋肉が変わり動きが戻ってきて楽しかった。無駄な動きがなく一定のリズムで力強く進む感じは勉強になった。そして下りも丁寧でダメージを避ける体の使い方をしていた。楽しみながら榎峠を越え、3段ロケットといわれる3段以上の大きな登りの途中でシンさん達に追いつき、林道に出たところでエイドに到着。トモさん、松井さん、トモちゃんやジミーさん達から元気を吸収する。完走賞のダルマもあり、気合が少し入った。2周目にはRyuGさんも来るとの事なので、絶対にもう一度ここに来ようと気合が入る。そして常福院への行きも常福院からの帰りも松井さんの美味しいおにぎりを頂く。いい塩梅で身体に絶対効果があった。その後は、シンさんのペーサーをしていた池田さんを先頭にいい感じのペースで進むが、池田さんが足を捻ってしまい先行させてもらう。大事に至らなかったみたいで良かった。トレイルを楽しみながら鉄道公園に到着。やっぱり山パートは脚を色々と動かすので気持ちも脚も解れた。

ただ、ここで気付かなくてもよい重大なことに気付いてしまう。なんと、この後ロードを120kmも走ってまたここに戻ってこなければいけないらしい。チャレンジ富士五湖ではないか!片道60kmを往復する事はわかっていて意味は同じだが、途方もなく遠くに感じてしまった。でも行かなきゃいけなのでさっさと出発。救いはトレイルで脚が解れていたという点で、そこそこ気持ち良く走り、最後のセブンで補給してラクな感じで多摩川に到着。ここでまた脚の重みと動きの悪化が隠せなくなってきた。だいたい午前2時で真っ暗な河川敷を歩いてる人がいてビビったが、深夜ウォークなのか早朝ウォークなのかという難題について前田さんと論議するきっかけとなって気が紛れた。それぐらい夜中の河川敷はイベントがない。結果自分との対話が増えキツさが徐々に蓄積し、騙し切れない感が出てくるのが分かった。そんな中シャウさんの応援はとても有り難かったしとても良い刺激になった!そんな感じで、なんとか最終デポポイントに到着。

ここでは。予定通りボディーシートですっきりしつつ日焼け止めを塗りたくり出発。毎回トモさんが食料や飲み物を出してくれて本当に助かった。そしてそこからちょっと行ったところでレジェンド月岡さんに遭遇!メッチャ優しく元気で、相当元気と刺激をいただいた!

レジェンド月岡さん。84歳で100マイル挑戦なんて信じられますか?しかもメッチャ元気、足取りも軽やかだった!


ただでさえイベントもなく淡々とキツさに耐え続けている中、優しくされるとついつい泣きそうになる。そのあとも淡々と進むのは変わらないが、ペースを維持するのが段々キツくなる。もっと前から分かってはいたがもう隠せない感じ。キロ7分ペース位だしまだ1周目なのに…、脚全体が熟成しているが、その中でも右スネの張りがヤバそうだったので、右足の使い方に気をつけ始める。
そして日の出を迎え日差しがヤバい事に!このコース、日の入り時刻に西に向かい、日の出時刻に東に向かうため日差し対策が重要、サングラスがあって良かった。そしてどんどん体感温度も上昇するため、手拭い濡らし作戦を開始。所々にある水道で濡らした手拭いで、脚や腕を冷やし首に巻いて進む。とにかく体温を上げたくない。そんな事をやるお陰で更にペースも下がり気味になり、キツさも出て遂に行けるかどうか不安になってしまう弱い心が出だした。まだ半分も行ってないのにコレはマズいがどうしようもないので、手拭い作戦を続けながら粘りの進行。何とか23時間弱位で1周目を終えられそうな事がわかり、1時間以上休憩が取れるのがわかったので、サロモンに戻る数km手前でコンビニに寄り、補給を買って1周目を終えた。大体6〜7割の脚を使ってしまった感があり、期待よりかは不安の方が大きかった。サロモン周りにいたスタート前のTDT100参加者が、とてもキラキラしていた。

後編へ続く。→後編


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