甲状腺のせい?ニセ更年期かもしれないだと?【更年期記録】
更年期だと思っていたのに、更年期ではないかもしれない疑惑。
非常に言い回しがまどろっこしい。
前回のつづき。
婦人科でご近所にある内分泌内科への紹介状を貰った私は、ぐずぐず先延ばしにしても解決しないので、速攻予約をした。
どれくらい速攻かというと、婦人科を出てTULLY'Sで一息つき、おもむろに外に出てすぐ、だ。
時間にして、30分後。いや、本当に速攻なら直後だろうが、一応、落ち着く時間が欲しかった。
駅前のベンチに腰掛け、婦人科で貰った病院のリーフレットを参考に電話をかける。
2コールで軽やかな女性の声が受付てくれた。
名前を名乗り、初診で予約を入れたい旨を伝える。
すると当然、どういった症状ですか?と質問が返り、答えようとして口ごもった。
この時点で私が持っている情報は、【婦人科で更年期だと思って受けた血液検査で、なんか異常が出たらしく紹介状を貰ったので、素直に電話をかけている】以上!である。
まだ混乱していたのかもしれない。
前回の記事では、のちに調べたりして自己解釈とともに理解して書いたので、分かっている風に思われたかもしれない。
しかし、直後はこんなものだ。仕方ないじゃないか。
婦人科の先生の説明も、実際はもっとふんわり歯切れが悪め(確定診断出来ないのだから仕方ないが)だったし、具体的な病名を提示されてもいなかった。
説明しづらい。というか、出来ない。
一瞬の間が生まれた。
だが相手はプロだった。すぐに【紹介元のクリニックと科】を復唱して確認後、受付てくれた。
よくあることなのかもしれない。
なにはともあれ無事1週間後に予約が取れ、満を持して初めての内分泌内科受診と相成った。
当日、受付してすぐ、問診票記入と血圧測定、そして普通の内科ではあんまりないと思う(少なくとも健康診断の時とか薬の量を調整する為以外では経験がなかった)身長体重体脂肪の測定を受けた。
おそらく内分泌内科という専門では、必要になるのだろう。
一年以上ぶりに測った私の数値は、身長173.9cm、体重47kg、体脂肪8%。
―――8%?
測ってくれた看護師さんの目が少し大きくなっている。
実は私は自分の体脂肪を今まで知る機会がなかった。
我が家の体重計は古くて、体脂肪は測れない。たまたま職場の健康診断でも測定がなかった。
初めて知った体脂肪に、きょとんとしてしまったのは許してほしい。
ハードな運動や筋トレなどしていない。20前後、もしくは隠れ肥満かもしれないとすら思っていた。
一桁ってどういうことだ?と考えたが、ひとまずここは「そうか、8%か、わかった」とした。
計測後、看護師さんからの質疑応答を結構こまかく受けた。
その後待合室に戻り、10分程待って名前を呼ばれ、診察室へ。
初対面の先生はとても穏やかそうな人だった。
あらかじめ紹介状による診療情報が伝わっているし、看護師さんからの問診も詳細で、血液検査の結果も婦人科からのデータがある為、先生はにこにこ笑いながら、名前の確認し、ちょっと失礼しますね、と、喉元に触れた。甲状腺の腫れを確認したらしい。
「うん、腫れてないね」
「じゃあ次は念の為にエコーとりますね」
甲状腺のエコー。これは初めての体験だった。案外辛かった。
ただ仰向けになり喉にエコーを当てるだけなのだが、首を反らすような体勢で少し長い時間(とはいえ5分ほど)強めに機械を当てられると、首を締められているといったら大げさかもしれないが、圧迫感がすごい。
あくまで個人差をあるだろうけど、首元が弱い私には結構辛く、「うっ」となる。
ハイネックやマフラーも嫌な私は、胃カメラ並みに嫌かもと感じた。
とはいえ、しっかり、でも素早く診て貰えたので、短時間で済んだ、と思う。(平均時間がわからない)
「うん、こっちも大丈夫。異常なしですね」
異常はないらしい。
ということは?
すぐに診断がつくのかと、椅子へと戻り、先生の話を待つ。
が。
「追加の血液検査するね。来週には結果出ますので、その時に説明します」
で、終了。
えっ。もっかい?異常ないのに?
まだ引くのか、結果発表!(発表ではない)
絶対先生の中では診断はついている。分かっているのだろうけど、ちゃんとした証拠を揃えない限りは断言出来ないのが医師だというのも分かっちゃいるけれど!
もやもやしたが、仕方ない。大人しく採血して、次の週まで悶々と待った。
そして結果発表の日がきた。
先生が出した診断は【低T3症候群】(参考:横浜甲状腺クリニック)だった。
先生の説明をまとめると、以下の通り。
婦人科の先生は甲状腺の病気の可能性を疑い、紹介状を出した
甲状腺の病気である機能亢進症(パセドゥ病)と低下症(橋本病)は更年期と似た症状が出る
そこで今、甲状腺自体に問題があるか調べたけれど異常はない
身長・体重・体脂肪、血液検査の数値(低血糖値、低アルブミンなど)からして痩せすぎ
甲状腺の病気で痩せてしまったとしたら、異常がある筈のTSH(甲状腺刺激ホルモン)は正常
T3とT4いうホルモンが低値なのは、低栄養状態なのを示している
ようは、太れば治る。
痩せすぎた体がは「緊急事態に陥っている!」と判断した。
ただちに生命維持モードに切り替わり、なんとか代謝を最低限に抑え、生存維持をしようと防衛している。
そうなるとホルモンの分泌が制御される。それに伴い、生きていく上では後回しになる(というよりこの状態で妊娠出産などしたら命に関わる)女性ホルモンは、わりと早い段階で停止しやすいらしい。
つまりは甲状腺の病気ではない。内分泌科で出来ることはない、という結果だった。
素直に「良かった!」と、すっきり病院を出た私は、お決まりになってきた最寄りのTULLY'Sで、定番の豆乳ラテを飲み終え、気付く。
痩せた原因であるが。
私にも言い分がある。
「更年期症状(たぶん)による不調が始まってから、なのだが?」
今までも、そして今も、更年期が先で痩せたと思っている私。
だが痩せたから低T3症候群とやらになって、更年期っぽくなったのか?
実際にはまだ更年期ではないのか?
いやいや年齢的には更年期でおかしくないよね?
⋯その前にうつで仕事を辞めたけど、それが原因なのだろうか。
しかしうつで痩せはしなかった。
月経が止まった頃に受けた健康診断では、今回よりも10kg近く体重は多かったのだ。
むしろうつで仕事を辞めてから、少し太ったくらい。(ひきこもり)
頭の中で、鶏と卵が浮かんだ。
卵が先か、鶏が先か。
更年期が先が、激ヤセが先か。
TULLY'Sから見えた、赤と白のカラーリングを背に微笑んでいるカーネルおじさんと目が合う。
ため息しか出なかった。