FF14日記①
おれがファイナルファンタジーXIV(オンラインゲーム。以下FF14)をはじめたのは4月頃である。そう、新型ウイルスの流行により学校に行けず、家に閉じ込められている頃だ。さて、事の発端は4月からさらに数ヶ月前まで遡る。遠くに引っ越す友人が「プレイステーション4を一万円で買わないか。好きなソフトもつけてやる」と持ちかけてきたのだ。おれはその悪魔のささやきに頷いてしまった。こうして我が家にプレイステーション4がやってきた。最初に選んだソフトは「グラビティデイズ」というやつで、キャラクターが落ちてゆく方向を操作するという独特の重力操作アクションゲームである。前から気になっていたのだ。ちなみにおれのプレイステーション歴は初代のクラッシュ・バンディクーで止まっている。起動してみて驚いた。なんと美しいグラフィック!アマゾンプライムも観られる!?すごい!というわけでおれはグラビティデイズを楽しんだ。のめり込んでいちにちじゅうプレイするようなことはしなかった。なぜなら上下左右に落ちまくるせいで激しく画面酔いするからである。ゲームは1日1時間。そういうわけで1ヶ月ほどかけてのんびりクリアして、さあグラビティデイズ2でもやるか……というタイミングで、そういえば別の友人から連絡が来ていたのを思い出した。連絡というか、具体的には「PS4買った」というツウィートに対し突然リプライが飛んできたのだ。それがFF14のフリートライアルへの勧誘である。途中までは無料でできるからやれ、シナリオが超絶いいから、との誘い文句だ。最初はあまりやる気にならなかった。そもそもオンラインゲームというものを経験したことがない。対人のゲームは苦手だ。人とコミュニケーションするタイプの(いわゆるギルド等が存在するような)ソシャゲもやっていない。シンプルにゲーム内で他の人と接するのが苦手である。何なら現実世界でもツウィッター上でも苦手である。そういうわけで気が乗らなかったのだ。しかし、別の友人も同時期に始めたという。古くからの友人だ。二人ならいけるのでは……という思いから、おれはついに始める決心をしたのだった。まずはキャラクターを作り始めた。いわゆるキャラメイクというやつだ。作成は大いに難航した。そもそも猫っぽいミコッテ族やら鱗のあるアウラ族やら、種族を選ぶところから始めなければならない。そしてなんと、種族ごとに異なる命名の規則があるという。どうせやるならしっかり世界観に浸りたいので、おれは種族ごとの命名規則に沿った名前も考えなければならなかった。そうしてようやくヒューラン・ミッドランダー(もっとも普通のタイプの人間。よく言えば無難、悪く言えば無個性)を選び、名前をつけた。こいつがこれから世界を救う英雄になるのか。英雄にしてはずいぶんかわいらしい気もしたが、気にしないことにした。ちなみにゲームを始めてみると、周囲のプレイヤーたちは揃いも揃って耳や尻尾が生えていたり身長が大きかったり小さかったりした。無個性人間は逆に少数派であったのだ。種族の説明に「エオルゼア(※冒険の舞台となる地方)でもっとも人口が多い」と書いてあったのに。看板に偽りありとはこのことである。そういうわけでおれのFF14生活はぬるりとスタートした。全部書くととんでもない字数になるので、FF14日記には通し番号を付けて今後もぬるぬると続きを書いていくことにする。