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ハードモードも悪くない? 3つのわらじを履く私が語る、SISUで乗り越える人生の壁

こんにちは。エラマプロジェクトの和文化担当、橘茉里です。

2025年が始まって、約2週間が経ちました。

本日1月15日は「小正月」と呼ばれ、この日の朝にお粥(特に小豆粥)を食べたり、地域によって「どんど焼き」などの様々な行事が行われたりします。

そして、小正月(もしくは1/20の二十日正月)が過ぎると正月は終わりと見なすことが多いです。

皆さんはどんなお正月を過ごしましたか?

今年一年の目標を立てたり、今年はこんな風に過ごしたいなぁと願望を書き記したりした方もいらっしゃるでしょう。

ちなみに、私の今年一年の抱負は「前進あるのみ」です。

そして今の私を表すキーワードは、「努力」「根性」「忍耐」です。

豊かで幸せな生き方を探究するエラマプロジェクトのチームメンバーとして活動をするようになって、今年で6年目。

6年目に辿り着いた先が、まさか「努力」「根性」「忍耐」とは!

自分でも驚きの展開ですが、自分にとっての “エラマ(人生、生き方)” を探究していったら、いつしか「努力」「根性」「忍耐」というステージに突入してしまったのです。

ですが、私はこの状況をとてもポジティブに捉えています。

長い人生において自分が望む豊かな生き方を実現するためには、短期的には、耐えて頑張ることが必要とされる時期もやってくると感じています。

ただしそれは、やりたくないことを我慢してやり続けることではありません。

「自分の望む人生のために、今は頑張り時なのだ」

こういう感覚のことです。

今までこの「よむエラマ」では、自分を認めたり自分を大切にしたりといった、こじれていたものを解きほぐすような方向性の記事を書いてきました。

しかし今日は、あえて「頑張っている私」のことをお話したいと思います。


自分のやりたいことをやっていたら、ハードモードが始まった

私は前回の記事で、「自分の命が残り一週間だとしたら、私は何がしたいだろう?」を考えると、自分の本当にやりたいことや自分らしい生き方が分かるよ、というお話をしました。

〈前回の記事はこちら〉

その記事の中で、「特別なことは何もしなくていい。自分の家で、愛する猫たちと心穏やかに過ごしたい。これが私の望む生き方だ」と書きました。

さらに、仕事をガツガツ頑張るモードではなく、今ある幸せに目を向けて「足るを知る」暮らしにシフトしていきたいとも書きました。

その思いは全く変わっていないのですが、その記事を公開したあたりから、私の思いとは裏腹に、私の生活はどんどん忙しくなっていきました。

私の本業は私立高校の国語教師です。そして副業として、和文化講師やお香の調合師などをしています。

ここ5年間は、本業と副業の二足のわらじを履いて活動してきました。

この二足だけでもなかなか忙しかったのですが、実は三足目のわらじを履いてしまったのです。

昨年、私は愛猫の持病改善のために、アニマルレイキ®という動物への手当て療法を学び始めました。

3ヶ月の講座を受講し終えた後も、もっと学びを深めたいと思い、今はティーチャークラスに所属して、将来的にプロとして活躍できるように勉強しているところです。

このように国語教師、和文化パラレルワーカーという二足に加えて、アニマルレイキという三足目ができた結果、ますます忙しくなってしまったのです。

でも、自分のやりたいことを選び取った結果の忙しさなので、後悔はありませんし、精神的なつらさもありません。

今の私は、確かにちょっと頑張りすぎているかもしれない。
だけど、私は間違いなく自分の望む人生のために、今を目いっぱい生きている。

そう胸を張って言えるので、「頑張っている自分すごい!」と自己肯定しながら、仕事に追われる日々を送っています。

フィンランドの人たちの価値観「SISU(シス)」とは?

フィンランドにはSISU(シス)という考え方があります。

SISUは「勇気」「忍耐力」「粘り強さ」「不屈の精神」「困難に立ち向かう強い意志」などを表わす言葉で、瞬間的なものではなく、困難を耐え抜く長期的な力を意味します。

SISUの代表例として、1939年の冬戦争で圧倒的に不利な状況にも関わらず、フィンランド軍がソ連軍に対して勇敢に戦ったことが挙げられますが、SISUの精神は現代のスポーツ、ビジネス、教育など様々な場面で発揮されます。

エラプロジェクトではSISUを大切な価値観の一つとしてお伝えしていますし、このよむエラマでも、SISUの記事がいくつかありますので、ぜひ読んでみてください。

〈SISUに関する記事はこちら〉

そして、私が今「ちょっと働きすぎでは」というくらい頑張っているこの状況は、SISUを発揮していると言えるのではないかと思います。

SISUは、困難に陥った時に冷静に状況を分析して、長期的な視点で粘り強く行動することです。また、目標を達成するために合理的に判断することでもあります。

衝動的で無謀な「とにかく努力!根性!」ではなく、冷静に長期的な視点を持つというところが、SISUの魅力だなぁと感じます。

この記事の冒頭で、今の私のキーワードは「努力」「根性」「忍耐」だとお伝えしましたが、これらは無謀な我慢を強いる根性論のことではなく、実はSISUのことを指していたのです。

豊かで幸せな人生のためには、時にSISUを発揮することも必要

人生においては、「無理をしないこと」「頑張らないこと」を実行すべきタイミングもあれば、その反対に、今は頑張り時というタイミングが訪れることもあるでしょう。

もしくは、自分にとっての豊かさを探究する過程では、自分と向き合うことで見たくない自分の本音に気づいたり、隠しておきたかった自分の弱さに出会ったりすることもあるでしょう。

自分にとっての豊かさを探究するって、実はだいぶハードなことだと思います。

都合の良い、口当たりの良いところだけしか見ないのでは、真の豊かさは得られないでしょうから。

きっと皆さんも、自分の豊かさを探究する過程で、目を背けたくなったり、逃げたくなったり、もう頑張りたくないと思ったりすることがあるかもしれません。

そんな時は、SISUのことを思い出してほしいのです。

もちろん無理をする必要はありませんし、つらい時は逃げても休んでも良いと思います。ですが、もし「頑張ってみたい」と思ったら、その時はあなたのSISUを発揮してください。

SISUのことを「粘り強さ」「不屈の精神」「困難に立ち向かう力」などと紹介しましたが、これらは日本人にもかなり馴染みのある感覚だと思います。

日本には忍耐が美徳とされる価値観がありますし、「石の上にも三年」や「雨だれ石を穿つ」ということわざがあるように、長期間にわたって辛抱し、努力をすることを良しとしてきた文化があります。

だから、日本人はSISUが得意だと思います。

ただし、日本人の場合は、自分の豊かさのために頑張るのではなく、私欲を捨てて、主君や国、会社、家族のために尽くすという自己犠牲的な頑張りが目立つように感じます。

私は、忍耐の末に本懐を遂げる『忠臣蔵』のようなストーリーが大好きですし、日本の自己犠牲的な頑張りに魅力を感じますが、自分で実行するとなると、私欲を捨てて他者のために尽くすやり方はかなりしんどいでしょう。

ですので、皆さんは私欲を捨てて他人のために頑張るのではなく、ぜひ自分の豊かさのために頑張るということをやってみてくださいね。

“私の豊かな生き方のために、軽やかにSISUを発揮する”

私はこの一年をそんな風に生きていきたいと思います。

Text by 橘茉里(和えらま共同代表/和の文化を五感で楽しむ講座主宰/国語教師/香司)

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