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日本とフィンランドの相通ずる魅力とは?わたしが“和フィン折衷”と思うもの!

こんにちは!いけかよです。

エラマプロジェクトでは、かねてより和文化とフィンランド文化の共通点をお伝えしています。
代表の石原侑美さんからのリアルなフィンランド情報と、和文化講師の橘茉里さんからの日本の知られざる魅力を融合させたコンテンツもたくさん。
和でよみとくえらま」や「「わたし」らしく伝える和文化ガイド養成コース」などなど、さまざまな情報を発信しています。
これらを、わたしたちは「和フィン折衷」と表現したりしてるんです。

でも、これってフィンランドや日本のスペシャリストだからわかるっていうものではないんです。日本にいてもそこここに、そしてフィンランドにいてもあちらこちらに、それぞれの国の雰囲気を感じるものというのは、あるんです。

というわけで、今回はよむエラマライターズが見つけた「和フィン折衷なもの」をご紹介したいと思います!


いけかよの見つけた和フィン折衷:漫画の「背景」

いけかよは、2019年と2023年にエラマプロジェクトのフィンランドツアーに参加しました。
初めて訪れた2019年はもちろんすべてが新鮮だったのですが、なかでもとても印象的だったのは、フィンランドにはフィンランド語の「ドラゴンボール」があったということ…!

見つけたのはフィンランド中央図書館「Oodi」にて。
いけかよは、「尊敬する人は孫悟空」と常々思っているほどのドラゴンボール好き。この作品が世界中で愛されていることは当然知っていたものの、フィンランド語にまで翻訳されていたのは驚きでした…!

このように、日本のパワーコンテンツ「漫画」ですが、同じようにいけかよが大好きなのがフィンランドの「ムーミン」。
こちらも、世界中で愛されていますよね。
この、原作者であり、画家のトーベ・ヤンソンの描く世界に、いけかよは和フィン折衷を感じました。
それは「背景」なんです。

ムーミン公式サイトより(https://www.moomin.co.jp/news/blogs/63777

トーベ・ヤンソンの描く世界は、キャラクターたちの可愛らしさとは対象的に、とても緻密で幻想的で、少し怖いと感じることも。それは、細部までしっかり描き込まれたこの景色の絵=背景に絶対的な迫力があるから。

それは、日本の漫画にも相通ずるものがあるのです。

いまでこそデジタルで、写真を加工して背景も楽に作画できるようになったものの、背景専門の作画家さんもいるほど、日本の漫画の背景の描き込みってすさまじい!
ヤンソンもそうですが「これって本当に人間が手で描いてるの…?!」と思うようなものが、すっごく多いんです!

先に登場した鳥山明はじゃっかん白いほうだと思いますが、「AKIRA」の大友克洋、「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげるなどは、CGなどまだメジャーでなかった時代からその描き込まれまくったまっくろな原稿は、緻密な背景の最高峰じゃないでしょうか…!

「AKIRA」第1巻、アメリカ版総天然色バージョンから。背景もすごいけどマシンの描き込みもすごい…!

この画力こそが、フィンランドと日本それぞれが持つ、繊細かつ力強い感性が反映されたものの象徴だと思うのです。

マヤッカの見つけた和フィン折衷:「陶磁」と「おふくろの味」

こんにちは!majjaka(マヤッカ)です。
わたしが感じる「和フィン折衷」は「陶磁」です。
昔からフィンランドの食器には憧れを持っていて、いつか欲しいと思っていました。
約10年前に初めてフィンランドを訪れた際に、アラビア社で色々な種類の中から
「Teema」のパステルグリーンのマグとボウル、そしてムーミンのマグを買い、今でもこれらを使う度にフィンランドに思い馳せています(ムーミンのマグは数年前に落として割ってしまい、とても悲しかったです)。

アラビア社では歴史をたどる展示会もあって、興味深かったです。
でも、当時のわたしはただかわいくて素敵!としか思っていなかったので、展示されていた器などを眺めるだけでした。今ならもっとじっくり歴史を感じられたのに悔しいです...。

今まで日本人として生きてきましたが、日本の伝統についてあまり興味を持つことがありませんでした。
しかし、昨年フィンランドを再び訪れ、前回よりも深くフィンランドについて知ることができました。
フィンランドの人々の優しさ、あたたかさ、真面目さ、少しシャイなところを感じたときに、「あら?日本人と少し似ている?」と思うと同時に、セカンドハンドショップ(中古品のお店)で私が以前から興味のあったアラビアのお皿を購入したことを思い出したときに、日本にも伝統的な陶磁があったなぁ、日本も素晴らしい!と誇らしい気持ちになりました。
それは有田焼!

フィンランドの「ittala Arabia」1873年アラビア村
日本の「有田焼」1616年有田町
どちらもその土地で誕生しています。

どちらもその陶磁を大切に引き継ぎながらも、作家の方たちが新しい想いを吹き込んで進化させているそうです。

フィンランドやヨーロッパのアンティークに魅せられているわたしですが、日本の伝統的な骨董にも目を向けていきたいと思います。

もう一つわたしが感じた「和フィン折衷」は「おふくろの味」です!
昨年旅したフィンランドではサイマー湖のほとりにあるコテージに滞在しました。
そこのママが作ってくれるご飯がどれも美味しくて、1日動き回った後の夜ご飯にとてもほっこりさせていただきました。デザートも美味しくてついつい食べすぎてしまうくらい!
同じように、実家のご飯は美味しくて、日頃の疲れを癒してくれますよね。
この「おふくろの味」も、わたしにとってお母さんを思い出させてくれる「和フィン折衷」です。

Kangasの感じる和フィン折衷:「シャイで物静か」そして「人との距離感」

こんにちは!Kangasこと、ライフコーチの和田直子です。
いけかよさんやマヤッカさんと同じく、私も昨年のエラマプロジェクトのフィンランドツアーに参加した一人です。
それまでに受講していたエラマの講座で、「実はフィンランド人と日本人の気質が似ている」ということを聞いていました。
例えば、真面目で勤勉、シャイで物静か、謙虚、礼儀正しい、時間を守るなど…。
そんな知識を得ても、「シャイで物静かに関しては、日本人ほどではないでしょ~!」と何となく思っていましたが、「いや!フィンランド人もシャイで物静かだった!」と感じたエピソードをご紹介します。 

E君と出会ったタンペレの街

フィンランドツアーから約7ヶ月後の今年の春。実はツアー中にタンペレの街で出会った高校生のE君が、彼のお母さんのMさんと旅行で来日し、名古屋のわが家にも遊びに来てくれることになりました。
名古屋駅の新幹線口まで迎えに行き、E君とはハグで再会を喜び合い、そのままのテンションで私は初対面のMさんに“Nice to meet you!”と満面の笑みでご挨拶。

だけど彼女は微笑みながら挨拶を返してくれるものの、どこか一歩引いている感じ。あ、そっか…。「シャイで物静か」なのかな。ハグの勢いを落ち着かせ片手を差し出してみると、Mさんも握手をしてくれました。普段私は初対面の人にハイテンションな挨拶をしないくせにと、自分の振る舞いに少し恥ずかしくなりました。

そのままお昼ご飯を食べに行った後、わが家へご招待。E君は私の息子と歳が近く、二人はすぐに意気投合。私はMさんとコーヒーを飲みながら過ごすことに。
英語がそんなに得意ではない者どうし、それなりに会話は続くのですが、どこかお互い話題を探り、様子を見合って、時間をかけて打ち解けていくという感じ。沈黙になると、一生懸命会話の糸口を探す。初対面では自然なことかもしれませんが、この感覚が日本人同士の様子にとても似ている気がして、会話を続けるのに必死だけれども、妙に親近感をMさんに抱きました。

夕食は夫が得意料理の広島風お好み焼きを振る舞い、その後名古屋駅の新幹線口まで見送りに。E君とハグでしっかり別れを惜しんだあと、お母さんのMさんを見ました。その日の朝の出迎え時を思い出し、挨拶の仕方に気をつけなくちゃと思いながら。すると、彼女の方から「ハグをしてもいい?」と聞いてくれたのです。「もちろん!」と言って母親同士もハグでお別れができたわけです。

彼らが改札を通り抜けて姿が見えなくなるまで見送りながら、私はその日のMさんとの時間に想いを馳せていました。シャイかどうかは分かりませんでしたが、物静かなMさん、そしてお互いに気を使いながら会話を探り心の距離を縮めていった私達。なんだか落ち着くなあ、似ているからかなあ。そんなことを感じながら。

もちろん、初対面から心がフルオープンのフィンランド人やハイテンションの日本人もいるでしょう。でもやっぱり、フィンランド人と日本人の気質は根っこの部分が似ているんだなあ、だから私はフィンランドの人に惹かれるのかなあと思った経験でした。 

この初秋も、私はフィンランドツアーに参加します。今度はどんな出会いがあるのかな?もしかして、E君やMさんと再会できるかしら?そしたら次はどんな距離感になっているだろう。フィンランドの国や人を知るたびに日本人である自分自身にも目が向くことが、旅の醍醐味なのかもしれません。またそのご報告ができたらと思います!

あなたなりの「和フィン折衷」を表現してみませんか?

いかがでしたか?
日本とフィンランドの絶妙なつながりや共通点をみつけていただけたら、海の向こうはるか遠くの「幸福度ナンバーワン」の国も、なんだか身近に、そして日本を素敵に感じられたりしませんでしょうか?
こんなふうに、フィンランドに限らず自国と他国の違いや共通点を見つけていくのって、わくわくしますよね。

エラマプロジェクトでは、フィンランドの文化や価値観をベースにした情報発信をしていますが、フィンランドを礼賛したいわけではありません。同時に、日本スゴイ!とみなさんにアピールしたいわけではありません。
どんな国も文化もすばらしい。そのうえで、地球上のあらゆる人とのコミュニケーションを楽しくするツールとして、我が国日本の良さを理解し、それを自分の言葉で表現するための講座を展開しています。

「わたし」らしく伝える和文化ガイド養成講座コース

日本の素晴らしさはもちろん、あなたご自身の表現に向き合ってみたい方にはおすすめです。
きっとそれが、世界中の人々とつながる鍵になるかもしれません。

Edit by いけかよ(よむエラマ編集長/エラマプロジェクトCPO)

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