見出し画像

#24 テルヲはなぜあんなに変わったのか:おちょやん解説〜マインドの法則

音声はこちらでお楽しみください。

テルヲの愛がいとおしい。

何のことはない、これは朝ドラ「おちょやん」の話だ。主人公千代の父親、テルヲは”朝ドラ史上最悪の父”と言う異名を持つ、それこそこれまで散々な描かれ方をしてきた父親だ。

前回の登場時には千代の金を全てふんだくって消えた、そんな父親だ。そんなテルヲがまた現れた。しかし今回は少し様子が違う。いつものように金をせびるわけでもなく、騙すわけでもなく、「千代をこれからもよろしく頼む」と周りの人にお願いして回っているのだ。その理由がわかった。自分の命がもう長くないことをテルヲは知っていたのだ。だから「自分が死んだ後も千代のことを頼む」、そんな親心からそのような行動していたのだ。テルヲはもう長くない。

しかし、千代はテルヲとはもう縁を切った人であり、自分とは無関係だと思って許していない。しかしテルヲは、自分は許されることはないとわかっていながらも、千代の今後の幸せを願って周りにお願いして回っている。現状はそんなところだ。

マインドの法則では、今後千代の憎しみはテルヲの愛に癒されて消えていくはずだ。きっと最後にはテルヲと言う人物を受け入れるだろう。何の見返りも求めず、ただひたすら愛するという無償の愛は、やはり何物にも変えがたい強いエネルギーなのだ。

私はずっと、この脚本家はテルヲをどうしたいのだろうと思っていた。父親にしては愛がなさすぎるのである。自分のことばかりを考え、千代を守ろうともせず、挙句の果てには金までふんだくる。ここまで愛のない父親が果たしてこの世にいるのか?そう感じていた。

しかし、ここまで愛のない父親像を作ったのは、このクライマックスのためだ。人は誰しも死を覚悟した時、ようやく自分のエゴを捨てることができるのかもしれない。テルヲは自分がもう長くないと覚悟した時、初めて自分より千代のことを大切に思えるようになったのだろう。自分の幸せより子の幸せを、と。

テルヲは究極の人間の弱さ、悲しさの象徴だ。人は誰しも自分を守ろうとする。それが本能だから。テルヲも元々は父親としての愛を持ち合わせていたはずだ。でも究極の弱さが故に自分を守ることで精一杯だった。だから本来持ち合わせている子への愛に、そっと蓋をしていたのだろう。見ないようにしていたのだと思う。気づいていても、気づかないようにしていたのだと思う。気付いてしまうと自分を守れなくなるから。

しかし、自分はもう死ぬ。そうわかった時、自分を守る必要がなくなったのだ。そして本来持ち合わせている子への無償の愛を、テルヲは今ようやく表現できるようになった。素直に。何の障害もなしに。それが今のテルヲだ。千代の憎しみはテルヲの無償の愛によって癒されるに違いない。

さぁ覚悟しよう。金曜日に向けて。テルヲの最後が来る。私たちは号泣させられる。覚悟しよう。

サポートありがとうございます。地道な創作活動の励みになります♡ サポート頂いたお金は、他のクリエイターの方たちのサポートに使わせていただきますね。あなたから頂いた愛が循環しますように。