テーブルトップゲームの世界市場ってどのくらいなの?
Warhammerに関連してテーブルトップゲーム(アナログゲーム・非電源ゲームと似たような概念と思って下さい)の世界市場の規模の話が出ていましたが、実際その辺どうなの?という話。元記事は取り下げられてしまったようなのでどのような話かちょっと確認できないのですが。
省エネ短めかつあんまり具体性のない概算だけの記事です。ちょっとした参考までに。
ちゃんとした数字を調べるのは難しいよね
日本のボードゲームの市場も具体的な数字はよくわからないというレベルだし、世界市場を見ようとすると各国で調べ方も対象の区分けも違うわけで、どこまで信頼できるのか、という話になるわけです。試しにgoogleで"global tabletop games market"あたりで検索してみると、様々なリサーチ・コンサル会社が現状と将来展望のレポートを出していて、それを見ても2021~2022年の市場規模が25億ドル(北米だけ見てるっぽい)くらいから150億ドル超まで幅があって、どうにもあやふやで。まあ桁が違わなければいいや、くらいのおおらかさでみてみましょう。
北米基準で考える
データが見つけやすいのはやっぱり北米で。2021年の数字を見ると市場全体でおよそ27億ドル。その内の約半分はいわゆるコレクタブルカードゲームになります。続いてWarhammerに代表されるミニチュアゲームと、いわゆるボードゲームがそれぞれ約5億ドルずつ。TRPG分野は伸びてはいますが全体の5%程度となっています。詳細はこちらの記事でどうぞ。日本は人口比で見てこの2割前後の規模かな、と思いつつ、コレクタブルカードゲームは2021年はなんと1800億円と北米並みの市場規模なのでびっくりです。ボードゲームは50~100億円くらいと推測。ミニチュアゲームはユーザーベースでいうとおそらくボードゲームよりかなり小規模だと思うのですが一人あたりの平均投資額は割と多そう。GWの2022年のアジアでの売上が20億円くらいなので、ざっくり10億円前後ですかね。TRPG市場はどうなんでしょうか。全然予想できないんですが現状ユーザー数はそこそこ多いけど単価はそれほどでも、という印象があります。しかし全体の市場規模はというと、さっぱりわからない(10億円いってるかな?でも20億円はいってないだろうな、くらい)
Games Workshopの売上から考える
こちらのレポートから見るとGWの2022年の売上は全体で5億ドルくらい。そのうち北米が4割強の2.1億ドルほど。1年ずれてはいますが、北米のミニチュアゲーム市場が5億ドル(2021年)でGWの北米での売上が2.1億ドル(2022年)だから妥当な感じ。GWの総売上は2021年から2022年でそれほど変わっていない(10%弱の増加)のでそれほど外れていないでしょう。ちなみにヨーロッパでの売上が1.2億ドルに対してイギリス単体での売上が1億ドル強なので、さすがお膝元ですね。先述の通りアジア圏での売上はまとめて20億円くらい。
ざっくりした数字を
テーブルトップゲームはある種の嗜好品であって、市場を支えているメインは欧米諸国である、というのは概ね正しいでしょう。人口比から考えても北米市場が全体の3~4割を支えていると思ってよいのではないでしょうか。そうなると逆に北米の3倍位を考えれば世界市場の規模は概算できるのかな、と。テーブルトップゲーム市場全体で考えるとおよそ80億ドル、つまり1兆円前後の規模だと思うと良いでしょう。そのおよそ半分がコレクタブルカードゲーム。ミニチュアゲームとボードゲームがそれぞれ2000億円前後、TRPGはざっくり500億円程度の規模ではないでしょうか。日本も(コレクタブルカードゲーム以外のカテゴリは)まだまだ伸びしろがありそうですね。
ちなみに比較でいうと、ビデオゲーム/デジタルゲームの市場はざっくり1900億ドルで、その内の半分以上がいわゆるスマホゲーム。コンシューマーゲームが500億ドル、PCゲームが400億ドル弱といったところ。テーブルトップゲーム市場全体でコンシューマーゲーム市場の1割以上ある、と考えるとかなり健闘しているような気がします。
更に参考までに言うと、映画の世界興行収入は2021年で213億ドル、音楽の世界市場は2021年で259億ドルですから、映画と音楽合わせてもコンシューマーゲーム市場程度の規模なんですね。エンターテイメントの世界も市場規模から見るとまた違う印象を受けますね。
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