本「世界一やさしい依存症入門」


薬物依存症の勉強をしていると必ずたどり着く松本俊彦さんの著書です。

シリーズの名前の「14歳からの世渡り術」からもわかるように10代の子ども向けになっているので、読みやすい言葉や表現です。でも表面的な説明に留まらずに、専門的なことも学べるところがさすがだなぁと思いました。

薬物の分類や脳への影響のメカニズムなど、とても勉強になりました。また、「困った子は、困っている子」なんて表現、ウンウンと頷きながら読みました。
(他にも、なるほど〜!というところがたくさんありましたが、あまり内容を書くのは憚られるので。)


薬物依存症が専門の精神科医の先生の本ですが、薬物問題だけでなく、生きにくさを感じた子どもが自己解決をしようしてたどり着いた行動の例がギュッと濃縮されてます。

市販薬のOD、スマホ依存、ゲーム依存、リスカ、摂食障害などなど…。

それぞれの例に対する解説も丁寧。一般的な感想と専門的な知見がいい具合に混ざってるから読みやすく勉強になります。

依存症の勉強をしていると、世の中の依存症の方や依存的行為への目線、捉え方がとても表面的だなと思います。
もちろん褒められるべき行為ではないことの方が多いのですが、例えば薬物もリスカもODも…見えている部分は過激であるけど、その物質や行為にたどり着く根源にあるものはとても繊細で人の温もりを求めてることが多い気がします。
世の中の人たちみんなにその根源を知らしめる必要はない気もしますが、不必要に責めないようにしたいものです。


熊谷晋一郎さんの言葉
「自立は依存先を増やすこと」

依存先をたくさん持つことで、リスカやODなどビックリされてしまうような、良くない!と言われるような行動だけに頼らず

ちょっと明るい毎日が送れるのは、全ての人に通じることなのだと思います。

とても勉強になった1冊でした。

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