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【クソゲー】FC|ゴルゴ13 第一章 神々の黄昏【プレイレビュー】

前書き


 ゴルゴ13、この漫画を聞いた事はあるが読んだ事は無い、なんて人、多いのでは無いだろうか。

 私もその1人で、有名過ぎるがゆえにあえて読もうという気になれなかった。というか、どうせおっさんが無双して終わるんだろ?とか、そんな風に単純に考えていたのだ。

 だが、実際読んでみると、



ええぇ……






▲※以上公式有料WEB漫画サイトの無料部分から抜粋。

結構想像通りでした。


 読み進めていくと、どうやら警察には絶対服従らしく、この上記画像のように警官にたいしてブリーフ一丁でビクついているゴルゴはここだけの話では無い。

 マフィアのボスやら部下などは、どの回でも常になぎ倒していくが、

 パプパッ パプパッ パーッ。

 と、なんともまぬけな謎の警笛を奏でながら警官が来ると、ガクブルしながらおとなしくなるゴルゴを幾度と無く様々な場面で見かけるのだ。

 時折画像上部にビッグ・セイフ作戦(大きい政府作戦)とあるように、女には容赦しないが国家権力には逆らえないというクズ加減がいい感じにスパイスが効いていて、とても香ばしいものとなっている。

 しかし、警察が恐ろしくて仕方が無いゴルゴだが、それ以外の相手にならまったく屈する事もないのだ。


それはちょっと違うぞ、東郷。


 銃を突きつけられても落ち着き払い微動だにしないが、あそこはギャンギャンにおっ立つというデューク・東郷ことゴルゴ13。

 これはもはや変態クラスの域に達している。この変態ぶりにある意味相手も「おどろいた」と舌を巻くほどだ。


いやいや話している側の事も考えてくれよ。


 ゴルゴの作戦なのか、そんなもの見せ付けながら話されても、おっ立っているそれが視界に入るたびにプルプルと揺れていようものならこちらの情緒も不安定になってしまうだろう。

 そしてゴルゴ13といえば外す事ができないのが、女性との絡みのシーン、所謂濡れ場だ。そのプレイそのものはここにとてもじゃないが乗せられるような健全なものでは無いので、文面だけで以下にそのプレイ内容を書き込んでいく。

女性
「すてき!!ああ……。雨のサントロペ!!恋のサントロペ!!」

ゴルゴ
「……」

▲※サントロペとはコート・ダジュールのリゾート地である。

 その行為そのものに、恋はあっても雨とサントロペは無関係だと思うのだが……。


 文面だけだと伝わりにくいだろうとぎりぎりのところを切り取ってみたがどうだろうか。

 プレイ中に"あなたはパンサーのようである"という動物を出してその行為を例えていて、それは恐らく褒めているのだろうが、そうして「私ってどう?」と問いかけている。

 これに対してパンサーのイメージに沿った形で「君と私との関係性は食物連鎖のようだ」といった返しが正解なのだろうか。その真意はわからないが、そのこと以前にこの女性のパンサーを良いものだとしている価値観に何故かいまいちついてこれないのは私だけであろうか。

 まあ、このようにゴルゴ13という作品はとても素晴らしいのである。その歴史はとても古く、今まで数々のジャンルとのコラボレーションを成してきたのだ。

 そう、今回紹介するゲームも、その名作ゴルゴ13を題材とした作品である。少々前置きが長くなってしまったが、まずはOPがあるようなので見ていただきたい。

本編プレイレビュー


▲ビル群の上空を飛ぶ1つのヘリコプター。


▲そして突如大爆発。


▲ゴルゴの苦手なCIAがなにやら事件に巻き込まれたようだ。


 この「アーマライトM16」とはゴルゴ自身が愛用している銃らしく、ヘリを追撃したのはゴルゴでは無いのかと予想されるが、だとしても国家権力に絶対服従のゴルゴらしくない狙撃でもある。


 タイトル画面でもこちらをチラ見する東郷、内心ガクブル状態なのかもしれない。そんな顔されてもこちらも困るのだがOPはここで終わりであるので、さっそく本編を進めていこうかと思う。


 開幕津波のようなSEが流れたかと思うと、熱い視線をこちらに向けるゴルゴ13。

 場所はどうやら空港のようだが、どう考えても大津波がすぐそこまで迫っているかのような激しい波音が聞こえるが、どうも風景と耳で感じる情報に相違がある。

 ゴルゴのこちらに向けられている目線を外さない謎の行動に加え、緊迫感のあるBGMがさらに私を不安にさせる。

 とりあえず何が始まるのかと見ていると、


……。


……。


……。


…………。


……あのーゴルゴさん?


 相変わらず空港内に響き渡る耳をつんざくかのような波音。


 ゴルゴ、お前まさか寝てるな?


 何も始まらないので仕方なくボタンを押してみる事に。


 おお!


 あそこまで長い間こちらを見つめていたゴルゴであったが、ようやく目線を外したかと思うと背まで向けるとは極端な奴だ。

 一体ゴルゴは何を伝えたかったのか、早くボタンを押してくれと訴えていたのか、立ったまま寝ていて、ボタンを押すことで目を覚ましたのかさだかではないが、あれだけ見つめられると「こいつ俺に惚れたな?」などと思ってしまう程濃厚な時間を過ごしてしまった。


▲マリアと名乗る女がこちらに歩いてきたかと思うといきなり話しかけてくる。

 どうやらCIAヘリ爆破事件を調査していたマリアの仲間が行方不明になったらしく、その仲間いわく「ヘリを狙ったのはゴルゴでは無い」と話していた矢先の事のようである。

 その事件を利用してゴルゴをハメようとしている者がいるらしい。

 他の仲間にコンドルという男がいて、そいつは爆破されたヘリに積まれていたワクチンの行方を知っているようで、そのせいで命を狙われ東ベルリンへと逃げのびたようだが、ゴルゴにそのコンドルの命を狙う者とワクチンを狙う者をスナイプしろとの事らしい。


 さっそくコンドルの居場所を探るため街へと繰り出すゴルゴ。とりあえず私はポチポチと適当にボタンを押してみる事に。


こいつめちゃくちゃ飛びやがる!


 この跳躍力は普通じゃない、というよりもはや人間じゃない。

 だがこれだけの脚力を持ちながらゴルゴは走ることを知らない。できないのか走るのが邪魔くさいのかわからないが、とにかく何があろうとただただ歩く事しかできないのだ。

 この無駄にある跳躍力と決して走る事をしない操作性は、敵の攻撃をかわすのに物凄く不便で、そのおかげでそこらへんにいるただのクソ雑魚にあっけなくやられるのも決して少なく無い。


 次にこの飛び蹴りだ、これが実に使える。

 唯一ある打撃技がこれなのだが、困ったときはとにかくノミのようにピョンピョン飛びながらこの蹴りを打ち続けるだけでなんとかなったりする。

 というよりもこれしか使えるものが無い。

 まあかといってこれが物凄く役立つかというとそこまで強くは無い。むしろ他のアクションゲームと比べれば使えないレベルだ。

 でもそこはプロのヒットマンであるゴルゴ、肝心の銃はどうかというと、画面上部左上に「L」と「B」とあるがこの「B」が銃の弾数らしく、初期値は0で最初は一切銃を使うことができないのだ。

 ちなみに「L」はライフの略であろうか、自身の体力となっている。

 なるほどなるほど、ということは初期体力が200あって弾数が0かー。


ってこいつまじかよ……


 この世界のプロであろうゴルゴが依頼を受け、今まさに仕事に取り掛かろうというのに肝心の武器を持ち合わせていないという体たらく。

 しかもどうやら敵から弾を奪えるようで、弾を手にすると銃は使えるところをみると銃は持ってきてはいるが、ただ単純にゴルゴは弾だけを忘れてきたようだ。

 なんともこんな顔して無駄にお茶目などうしようもないおっさんだが、実は肝心の銃はあまり使えない。何がどう使えないのかというと、


……スッ


 何故か狙撃のプロであるゴルゴは銃を構えると一切しゃがむ事ができずに、銃を放つと相手の頭上をかすめて敵の撃つ弾だけがこちらに当たってしまうのだ。

 依頼者のマリアは本当にこいつに狙撃をまかせて大丈夫なのかと不安になる。

 では何が使えるのかというと、そう、先程見せたあの飛び蹴りだ。飛び蹴りこそがゴルゴのメインウェポンとなる。蹴りに始まり蹴りに終わる、それがゴルゴ13という男だ。


もういいからお前はさっさと銃を捨てて来い。


 だがここは危険で一杯だ、ゆっくりと歩いて来たかと思うといきなり初対面のゴルゴに発砲してくる住民がいて、正直この街の治安もそうだが住民の情緒はどうなっているのかと不安になってくる。

 すれ違う住民は漏れなく挨拶も交わさないままに初対面で発砲してくるこの国民性、本来の事件よりもこのことこそが問題であることは間違いない。


 そしてやっかいなのがこいつ。

 後輪走行したまま突っ込んでくる器用なライダーだ。

 ゴルゴを轢き殺そうと意気揚々と前輪を持ち上げ突っ込んでくるのだが、深追いする事なくゴルゴにダメージを与えたかと思うと、


 このようにぴょーんと逃げてしまう。

 うざいだけでこちらは大きな被害が無いだけに倒し損ねるとうっとおしい、とても地味だが実にうざったい蚊のような存在。

 勿論こいつも初対面でこれだ。

 この後輪走行で「どう?俺の走り、かっこいいだろ?」と、技を見せ付けながら体当たりして即逃げるというこの戦法は、相手を苛立たせるという意味では精神攻撃として完璧といえる。

 知り合いでもなければ友人でもない癖に妙に馴れ馴れしく何故か殺意は持っているという恐ろしさ。マリアにしろゴルゴにしろ追う事件を間違えていて、この国なのか地域なのか、その国民性こそが最も解決すべきこと、調べるべき問題であるのはいうまでもない。


 そうこうしていると何やら「U」と書かれた通路を発見。とりあえず入って見る事に。




▲中に入るとこちらをじっと見つめてくるゴルゴ13。

俺のこと好きぴかよ!


 隙あらば「いつでもお前を見てるぞ」とゴルゴの熱い視線。このままボタンを押さずに電源を落としてやろうかとも思ったが、見つめられたまま電源を落としてもそれはそれで気まずいので仕方なくボタンを押す事にした。


…………。


え、何今の……


 結局何も無く、何事も無かったかのように街へ戻された。

 これには、


「結局見られ損じゃねえか」


 という生涯でもここでしか使わないであろう言葉を思わず発してしまう程だ。

 この街には今のような何も無いが中へは入れるという場所が複数存在する。中に何かあろうが無かろうが、入るたびにゴルゴと目を合わせることになる為、建物に入る前にしっかりと身構え無ければ、


「角刈りの変なおっさんがこっちを見てる!?」


 と、あまりの驚きに思わず電源を切ってしまうので注意が必要だ。

 無論身構えていてもリセットボタンに手をかけてしまう事も十分考えられる。そう、防御無視の無慈悲の熱視線なのである。さらに街中といえど注意は必要で、休憩がてらにスタートボタンを押そうものなら、


♪デーレレレレ~


 と、なんとも小気味いいBGMが流れてくる、このBGMはスタートボタンを押す度に流される。

 謎の効果音と共にまたもやこちらを見つめるゴルゴ、このメロディーにマックのBGMを意図せずに脳内で再生させてしまう。

 そうしてゴルゴとマックのアンハッピーセットから、


「ほら、歌えよ」


 と言わんばかりに睨み付けるゴルゴの下に、BGMに乗せた歌詞が次々と現れてくる。


 仮に歌うとしてもここまで睨まれると「や、やめておくか」となるも、いざ歌うのをやめて画面を眺めていると、やはりそれでも睨みをきかせるゴルゴに「あ、歌います歌います」となる。

 まさに「進むも地獄、退くも地獄」とはこの事だ。

 こちらはただ休憩を取るためだけにスタートボタンを押したはずが「歌う事」と「歌わない事」という2つの矛盾を同時にぶつけられる。

 無論休憩はおろか、画面から目を離す事すらできない。ゴルゴの手のひらの上でコロコロと踊らされるこの状態を脱するべく、再度スタートボタンを押すことでようやくこの無限地獄から開放される。

 しばし放心状態で街中を歩いていると、


 いきなり画面外から発砲されるゴルゴ13。


 そして突如始まる謎のシューティングゲーム。

 が、残念な事にこのシューティングが実に楽しい。クソゲーを楽しんでいる状況でこれは悲しい出来事である。まあ他の要素があまりにも酷すぎて錯覚している感は否めないが、とにかく楽しいのだ。

 では何が楽しいのかというと、敵である「人間」を撃ったはずなのに何故か、


爆発しちまったよ。


 この「ちゅどーん」という情けないSEとともに爆発していく様が実に滑稽なのだ。これは相手が自爆しているのか、丁度タイミング良くあらかじめセットしておいた地雷を毎回踏んでしまうのか、もしくは異次元に住む異世界のものから爆発物が瞬時にこいつにプレゼントされて爆発したのか、とにかくこちらの弾丸がヒットするたびにヘリだろうが人間だろうが皆平等に爆発する。

 この意味不明でシュールな光景が私を苦笑させるのだ。

 さらに実はシューティングはこれだけではない、それは次のステージに入った瞬間におとずれる。


ここに来て横スクロールSTGかよ。


 そしてなんだよこの本格的なSTGにありがちな敵は……。

 が、嬉しい事に先程とは違いこのシューティングが実に楽しくない。何が楽しくないかというと、圧倒的に敵の数が少ないのだ。爽快感のかけらも無く、ただ単調に過ぎていく。

 むしろ敵が画面上に存在しない時間の方が長いという、おまけ要素としてもあまりに酷いつくりになっている。


 目的地までたどり着くと何やら説明文と共に「PUSH START」と促される。一体なにが始まるのかと指示通りボタンを押すと、


「貴様とうとう押しやがったな」


 と何やらゴルゴが目を光らせる始末。

 私はこんな煌々とした目で見られるぐらいなら、押さなければ良かったなと後悔したのは言うまでもない。


▲そして始まるスナイパーモード。

 割とつくりがしっかりしていて逆に焦るのだが、肝心のスナイプする相手がなかなか見つからない。仕方なくこの塔をくまなくボタンを連打しながら探す事にした。

 しかし、いつまで立ってもゴルゴは狙撃をする様子も無く、ターゲットである敵もどこにも見当たらない。恐らくこの塔には誰も居ないなと目星をつけ、ひたすらに左へスクロールしてみると、


 居やがった、こいつだ。

 正直初見殺しもいいとこだが、何故初めからここに照準を合わせなかったのかいまいち分からない。まあとにかくこのターゲットであろうまぬけにも別方向にライフルを構える人物を狙撃してみると、


あーあ、もう。


 気の毒だがこれも仕事なのだ、仕方が無い。

 コンドルを狙っていたターゲットを無事スナイプに成功したゴルゴは、次にコンドルの行方を追う為ブランデンブルグへと向かう。

 到着して街中を徘徊していると、


▲地域住民との初めてのまともな会話。

 知らないおっさんの独り言なのかなんなのか何やら話かけられたかと思えば、聞いてもいないのに知りたかった情報を何の脈絡もなくベラベラと喋りだす。初対面の割にやたらとフランクだが、いきなり銃で撃ってきたり、後輪走行をしながらバイクで轢き殺そうとしてくるよりはよっぽどまともだ。

 えーっと、なるほどなるほど、コンドルを見つけるには「みどりのやかた」に向かえばいいんだな?

 よしよし、緑の館、緑の館っと……。





って街中緑で溢れてるじゃねえか!


 ひたすらに歩いていくと全て緑という街並み、こんなもの情報でも何でも無い、ちなみにこれは次の隣の街まで続いている。

 ここは得意げに語ったあのおっさんに自慢の飛び蹴りを食らわせてやりたいところだが、そもそもこの地域の建物が全て緑という異様さに加え、コンドルを狙っていたターゲットをゴルゴ自身が狙撃できたということは、そのターゲットに狙撃するついでにターゲットが狙っていたコンドルの場所も特定すればよかったのでは?、という至極当然な疑問が浮かび上がる。

 この頭脳指数「2KB」程しか無いであろうJPG2人組が会話すれば、あのおっさんの言動にも納得がいくかもしれないし、ゴルゴもこの地域で聞き込みをするのだろうと想像できる。

 というよりも、聞き込みというかゴルゴは何も話さずあのおっさんの付近でうろうろしていると勝手におっさんがひとりで喋り始めただけなのだが。

 まあとにかく現状として得た情報など何の当てにもならないので、しかたなく入れるところを片っ端から入っていくと、




え、ひょっとして私のこと好きになっちゃったの!?


 ここまで執拗に何度も何度も見つめられると、ゴルゴと私との間に特別な感情が生まれたかのように意識してしまう。恋と友情の純愛ラブコメドタバタ恋愛ADVでもここまで見つめられることは無いだろう。

 そうしてこの適当に入れるところに入れるだけ入るというゴミのような戦法が功を奏し、特に迷う事もなく無事コンドルを発見する事ができた。


 心なしかゴルゴはコンドルの事なんてどうでも良さそうだが、今日の晩御飯の事でも考えているのだろうか。


あっ


 コンドルお疲れー。

 出会って数秒でいきなり撃たれるコンドル。駆け寄る様子も無いゴルゴはいよいよ興味が無さ過ぎて、目の前にいるコンドルを見失っているまである。



こいつ案外元気そうだな。


 ペラペラと自身の得た情報を語り出すコンドル。コンドル視点から見るにあのいつものゴルゴが見つめる絵が、生涯最後に見る光景かと思うと気の毒で仕方ないが、ここまで語らせて置いて口封じも何もあったもんじゃない。

 しかもゴルゴには一切狙撃する様子も無い辺り、相手は相当知能が低いと想像に難くない。雇い主からしてみれば迷惑この上ないであろう。

 そのコンドルを始末するという仕事のみの内容を遂行したのであっても、とどめを刺すことなく放置するという愚行、こいつはきっとUFO焼きそばにお湯を注ぐ前にソースをぶち込むタイプの人間だろう。

 とにかくコンドルが言うに「シュプレーがわ」に何かあるらしい。

 そしてコンドルを助けたり、まして足取りを辿られないように遺体を隠す様子も無くシュプレーがわに向かうゴルゴ。もはやこれは非情なのか何なのか分からないが、プロがする仕事では勿論無く、アホの所業である事はまず間違い無い。


 向かう途中、何やらホテルでおっさんが話しかけてきた。

 一体何があったのか気になるので話を聞いてみると、チェリーグレイスたる人物が部屋で待っているとの事。

 何の前触れも無くいきなりそんな事言われても困るが、そこは頭脳指数の低いゴルゴ、何のためらいも無く部屋へ向かう。




▲またしてもゴルゴの好きぴアピール。

まったく何回見られても鬱陶しいな。


 何やらベットが置かれた大きな窓のある部屋に招待されたゴルゴ。ここで一体何が始まるというのだろうか。そう考えながら部屋で待っていると、チェリーグレイスが右側の真っ暗な部屋から現れる。

 部屋の電気を切っている側の部屋で態々わざわざ待機し、そうして明かりの付いた部屋に入ってくるというよくわからない行動をしてくる。

 どういう理由があってそこに居たのかは理屈では解決できないので、それは一種の性癖であると仮定し、何やら語り始めたのでその話を聞いてみることにした。


▲コンドルの仲間であろうチェリーが何やら語り始めた。

 連絡のつかないコンドルに不安がるチェリー。

「やつは殺された」とゴルゴが伝えワクチンのファイルを渡すと、コンドルの事には一切触れずに「これがワクチンのファイルね」と、何事も無かったかのように受け取るチェリーグレイス。

 この女、このゲーム内で唯一プロっぽい一面を見せているが、


 それだけでは飽き足らず、ゴルゴを誘惑までする始末。断る様子もないゴルゴもまんざらでも無いらしい。


まさかの18禁仕様。


 私はもう成人しているので、Bボタンを押す事無くおいおいまじかよ……と思って見ていると、


まじでした。


確かにカーテンはこの部屋には無い。

だが、そのせいで、


 外からは丸見え状態。

 こいつらには恥じらいというものが無いのか。


 明かりが消え、抱き合う2人。

 ここで左上の「L」に注目していただきたい。


体力が全回復しているだと!?


 ゴルゴに取ってプレイとは「ベホマ」や「ケアルガ」のようなものらしい。疲れて体力が減少するならまだしも、さらに元気になってしまう、まさに性欲の権化。

 ちなみに道端に落ちているタバコを拾っても何故か体力は回復する。

 それは所謂「シケモク」を吸う事で自身の体力が上昇しているのか、それとも、ポイ捨てされたタバコを拾う事で「ゴミを捨てる何て許せない」と、いきり立ってついでに体力まで回復しているのかは定かではないが、ベッドでの激しいプレイも、タバコを拾うというその行為も、どちらも効果が同じであるということは恐らくプレイの一環である事は間違い無い。

 落ちているタバコを目にして性的に興奮するゴルゴ。そして拾ってゴミ箱に捨てるなり他人のシケモクを吸うなりして自身の体力を回復させる。何てマニアックなプレイ何だろうか、恐ろしい男よ、ゴルゴ13。


▲ゴルゴによる昨日の夜はお楽しみでしたねキック。

 そうして夜が明け、また街に繰り出す体力満タンの男。ここで余裕が出てしまい、私は調子に乗って雑魚敵と楽しく遊んでいると、


あっ


 ここでゲームオーバーである。この後どうせゴルゴがこっちを見てるあの画像が流れて来てゲームオーバーと表記された字が浮かび上がり、また初めからスタートするという、いつものクソゲーにありがちなやつではないかと予想していたが、


何だこれは……。


 私はやられたはずだが、何故か「つづく」との事。どういう事かと困惑していると、


やはり続くようです。


 そしてタイトルに戻されるも、右下にしっかりと第2回と書かれているという謎のこだわりっぷり。

 そして目と目が合うゴルゴと私。

 もしこのまま第2回を始めてしまうと、ゴルゴと見つめ合いながらタバコの吸い殻を拾っては体力満タンになってしまう「パンサーの会」が繰り広げられるのかもしれない。

 ここは一旦再びパンサーの民が暴れださないように私はゲーム本体の電源を切り、本体に差し込まれていたこのゲームソフトを取り外しては押し入れに仕舞った。

 もし次回があるとすれば押し入れの封印を解き、ゲーム機本体に差し込んでは起動させ、私たちがふたたび相まみえるとき、悠久の時を刻むようにして互いに見つめ合いながらゴルゴと私との2人でシケモクを吸い合うのでしょう。

 しらんけど。

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