【クソゲー】FC|KART FICHTER【プレイレビュー】
今回レビューするのは”KART FICHTER(カートファイター)”たるゲームだ、早速本編に入ろうかと思う。
▶本編プレイレポート
ここに小気味の良いBGMも相まって「おいおいお前、大丈夫かよ」と心配してしまう程だ。聞けば聞くほどにNintendo Directの案内人からダイレクトに腹パンされそうな内容である。
特にこれといってOPTION内には難易度設定以外無かったので、すぐに戻りSTARTの項目を選択。
えーっと……。
こいつがアレであいつがアレでといった具合に、名前を表記されてないにも関わらず、不自然にも自然に各キャラクター名が浮かんでくる。
とりあず主人公であろう、髭のこいつを選ぶことにした。彼を選択すると何やらニヤつきながら楽しげに左手で自身の右乳を叩き、自分の存在をアピールしてくる。
タイトルにカートとあるぐらいだ、イメージとしてごりごりのレースで対戦するマリカーにもあった『ふうせんバトル』的なものでも始まるのだろう。あれはかなり私が楽しんだものであったので、もはや期待しかない。
マリオくん、できれば強キャラであって欲しいが、お前は一体どんな動きを見せてくれるんだ。
どうやら生身で殴り合うようです。
カート要素は何処?と悩む暇もなく、対戦格闘かーいからのお前マリオじゃなくMARIなんかーいからのここ何処やねーんが同居する。
開幕4つの予想だにしない展開に息継ぐ間も無く同時につっこまされる。彼はどうやらマリオでは無く『マリ』であったようだ。大人の事情、著作権的なアレだろうが、実はマリ以外は全員見た目通りの名前であるのだ。
しかしそれなら何故マリオだけマリなのか、そもそもマリという名は女性っぽさが過ぎる、こんな両手から何かをひねり出すクソ髭野郎が名乗っていい名前では無い。
ルイージお前……。
大人の身勝手な行いに翻弄され事情によりまさかのマリ被り。かと思いきや、実はマリの色違い。そう、赤の彼はマリであり緑の彼もマリであるのだ。
ちなみにルイージがルイージと出会ってもやはり漏れなく赤と緑に分けられる。
赤いこいつは緑のあいつ、俺があいつでお前がこいつ。セキセイインコが犬の鳴き真似を覚えるかの如く、実にややこしい仕様となっている。
▶画面端、まだ入るぅ
残念な事にこのゲーム、コンボが画面中央だと存在しない。
例えば相手の波動拳を読み、飛んでからジャンプ攻撃を当てても、続く着地から追撃が確定しない、ヒットモーションが見えているがモーション中にガードが可能なのだ。故に常に単発の読み合いとなっているので、コンボに重きを置くなら退屈な展開かもしれない。
まあここらは各自色々あると思うが、格闘ゲームにおいて共通して嬉しい状況が平等であるのが、相手を画面端に追い詰めたときであろうか。
余程の端攻めのキャラパワーが無いキャラ以外なら、状況としては悪くはならないはずだが、相手キャラの方が端に追い詰めたときの爆発力が上ならば、端に追い詰めた事によって相手キャラが、例えば投げで暴れるなりして位置を入れ替えられ、あげくこちらが画面端を背負い不利になるなどあるものの、端に追い詰めた側が有利であるのが普通だ。
勿論このKART FIGHTERにも漏れなく端に追い詰めればおかんが旅行から帰ってきた時にたまに買ってくる「ごろっと大きなクランベリーが入ったしっとりパウンドケーキ」程度の嬉しい時間が待っている。
以上が、カトファイにおける画面端の嬉しさなのだが、良く考えてみて欲しい、確かに嬉しい事ばかりで、さながら ”551の豚まんに特に付けても対しておいしくもないカラシを思わず追加してしまうほど心が躍る心境” だろうが、冷静になって良く良く考えてみると、
ごろっと大きなクランベリーが入ったしっとりパウンドケーキってそんなに魅力的か……?
そう、これである。
不味くは無い、が、決して死ぬ程うめえかと聞かれれば、別に対したものでも無い、美味いけども。というよりも、おかんが皆の喜ぶ顔見たさで買ってくれたので余らす訳にも行かず、よくわからない紅茶と一緒に惰性で何となく食しては美味いなーとなる感まであるのだ。
そこらへんは好みの問題もあるが、個人的に買いに行く事などほぼほぼ無く、手土産程度で購入する存在としての価値に収まっている。
この手土産としてのスペシャル感が、美味しいと錯覚させているいわば幻影。このスペシャル感が脳に幾分かのダメージを与え「これうんめぇ……」と催眠術かの如く刷り込まれ紅茶さえもゴクゴクいってまう、謂わばパウンドケーキは妖術使いの忍者なのだ、しらんけど。
少々話が脱線してしまったが「551の豚まんにつけるからし」の話に戻したいと思う。
では、いかに画面端に持っていく「豚まんがあるとき~」がそこまで重要で無いかを、関西の裏ボスなるみの影に怯えながらも解説していくこうかと思う。
▶無いとき~
画面端における嬉しい出来事は先程書いたが、実は悲しい面も多々ある。そう、この格ゲーは端に追い詰める事で損をする場合が存在してしまうのだ。
それは状況次第では画面端に行かれる事で絶対に勝てないといった意味不明なものがあり、さらには状況によっては絶対に端に寄られるという、100%負けが確定する恐ろしい仕様がある。
まずはこの動画を見て頂きたい。
はは、まじかよ……。
これらの惨事をまとめると、こちらが体力を少しでもリードすれば、端に逃げる事により全打撃はしゃがみガードで全対応、投げは見てから打撃で確定を取れば、時間制限のあるこのゲームの仕様により100%こちらが勝利する。
実践的な話をすれば、自身の放った足払いが相手にヒット。こちらが相手よりも体力をリードしているのなら、そのまま相手のダウン硬直中にこちらは画面端へと逃げる。この逃げは100%成功するので見事端まで寄れる。こちらが端を背にした時点で『端におけるえぐい仕様5選』に書いたように、相手の攻撃や投げは一度も通る事が無くなる為、タイムーオーバーで体力の勝るこちらの勝利という訳だ。
ちなみに、このゲームに削りダメージは存在しない。故に波動拳のような飛び道具も画面端でガードするだけでいい。
格ゲーに慣れていない方からすれば、文面を見て多少ややこしく感じるかも知れない。そんな方の為にこの一例の流れを動画にしてみたので、一度見て頂き、この香ばしさを是非共感じて貰えればと思う。
この展開の意味するところは、最初は下段ガードをとにかく意識して、投げの間合いに入られる前に打撃で押し返す。もし読み負けて相手が投げ間合いまでくると、投げを飛ぶのか、飛びを意識させこちらが投げ返すのかといった暴れで対応することになる。
飛んでくる相手には対空できっちり落としたいが、いかんせんこのゲームは無敵技が存在せず、ジャンプ攻撃の判定も強い為、空対空(※1)で相手を落とすか、相手がこちらの立ち状態に当てるように撃つジャンプ攻撃を、判定の強いしゃがみパンチなどでしゃがみ状態を利用してスカしながら当てたり、当たり判定が一瞬で消えるガード硬直の無いジャンプ攻撃をガードしながら打撃で落とすのがセオリーとなっている。
しかし空対空にも弱点があり「どうせお前空対空してくるんだろ?」と相手に向かって飛ぶフリをして一点読みの早出し垂直ジャンプ攻撃を繰り出す事により対処されてしまう。こちらが垂直に飛ぶことで相手の空対空の距離が遠くなり、こちらへ打撃がヒットする前にこちらの早出しジャンプ攻撃がヒットするという仕組みだ。
勿論相手の空対空を確認してから潰す事が可能だ。
しかも着地硬直がまったく無いという仕様も相まって、そこそこに面倒なフェイントとなっている。さらには空対空を潰した後には距離も離れ、画面端へ逃げれる為、体力がリードしていればこちらの勝ちが確定してしまうのだ。
だが、この空対空対策の対策も存在する。
それは相手の垂直ジャンプを見届けてから、少し歩いて近づく。
この展開により、投げ間合いに入って投げるのか少し離れて打撃を置くのかという拓を迫る。つまりは大して不都合が無い為に強気に垂直ジャンプを永遠と繰り出すというバッタの様な動きを繰り返す展開も多々増えてしまう。
一撃で勝負が決してしまうこの仕様、ある種の楽しさはあるが、時間制限まで粘る必要があるため、一言で表すと非常に展開がだるい。一撃で終わる癖に一試合がクソ長いので、もう電源を落としてはカトファイをゴミ箱に投げ込み、もうこれジャンケン一発勝負で良く無いか?と思わず自問自答してしまう内容となっている。
ここまで散々システム面での話をしてきたが、では、キャラの違いはどうなのか。例えばこのキャラのこれが弱いから駄目だとか、強すぎるからこいつ意外使用しなくていいのではとか、はっきりと言えば、どのキャラも対して変わり無い。基本、突進技があるか飛び道具があるか昇竜持ちか、それぐらいの違いしか無い。
では最後に、次の項目ではこの特に違いの無いキャラクター達を一気に紹介して、本レビューを終えたいと思う。
▶松茸BOY漫談LIVE
先程記した通り、各々のキャラに違いは無く、おおよそ3パターンに分けられ、尚且つ、このゲームにおける情報があまりにも少ない。何というか、名前以外の情報がまったくといっていい程に存在しないのだ。
なので、その数少ない情報をここに記すだけだと名前だけの紹介となり、実に不必要なものとなってしまうので、じゃあどうせ不必要ならと、さらに不必要な『松茸BOY』に不必要な漫談を語らせ、そのついでにキャラクターの紹介をしようかと思う。その漫談を垂れ流しながら、キャラクターの各々の詳細を確認して頂けたらなと思う。
「え、どういうこと?」と聞かれれば、自身でもよくわからないがとにかくそういう事だ。
ちなみに、漫談の内容とキャラクターの紹介における内容は一切関係無いので、漫談は聞き流す程度に聴いて貰えればと思う。
と、以上が各キャラの性能になっていて、正直ふわっと感は否めないが、まとめると通常攻撃以外は使えないので実質殴り合いがメインとなっている。4~5時間程色々試してみたが、得れるものはこれ以上無かった。
ここで感じた事は、こんなものに数時間も調べ物をしたという怖さだ。何が怖いって、このゲームにおける調べるという行為そのものが何も意味を成さないという事だ。
得れるものが無い、まさに人生において何の価値も無いといえる無駄な時間を過ごしたなーと、いやまあ、その時間が幸せだと感じるので、そこはどうだっていいのだが、とにかく一番感じた事と言えば、そもそも松茸BOYって何だよ、という事であるのは言うまでも無い。