信号待ちをしていると、ふと斜め下の方から視線を感じ、目を向けると、ランドセルを背負った小さな女の子の視線とぶつかった。 「押しますか?」 その女の子が指さしたのは、盲人用声のでる信号機ボタン。 「?大丈夫だけど・・・」 と答えながら、そのアイコンと自分を見比べて、<杖>が共通点であることがわかり、小さな女の子は、その標識の意味を、杖をついている人用のものと誤解していることを理解した。信号が青になると、「私もこっちなので。」と、慣れない大人との会話に気をつかっていることが伝わっ
猛暑が続いた今夏の週末の昼下がり、ちょっと甘いお菓子が無性に食べたくなった。にもかかわらず、こういう時に限って家にストックが何もない。とはいえ、外はギラギラと照りつける日差しと、ニュースによれば35度という気温。災害時持ち出し用リュックが目に入ったものの、災害時用の乾パンの缶をあけて、氷砂糖と一緒に食べてる自分を想像すると、なんだかそれもあまりにも情けない。そんな時、「自分で作れば?」と思いもかけない声が自分の中から聞こえたのは、多分エアコンのきいた部屋から出たくなかったから
毎回、全国各地の酒蔵当主をお招きして開催している、『手島麻記子のオンライン晩酌会』第8回目のゲストは、福島県二本松市の酒蔵、「人気酒造」の遊佐勇人(ゆさゆうじん)当主。テーマの、<オーガニックSake、これからの世界のSakeとは?>について、この秋にリリースされた、人気一 「グリーン人気オーガニック純米吟醸」と福島の郷土の肴を味わいながら、貴重なお話しを伺った。 遊佐当主とは、かれこれ20年以上にもわたるお付き合いだが、この20年余りというのは、日本酒の輸出量が飛躍的に増
フレンチの巨匠、「アラン・デュカス」氏に、パリで単独インタビューをしたのは、1997年の夏、初めての拙著「12のパリの物語」のための取材だった。その前年1996年の8月に、レストラン「ジョエル・ロブション」を引き継ぎ、当時、パリで最も予約の取りにくい3つ星レストラン「アラン・デュカス」の料理長として、さらにモナコの2つ星レストラン「ルイ・キャーンズ」の料理長として、フランス料理界の帝王ともいわれ、世界のフランス料理に絶大なる影響力を与えていた。 「インタビューの時間は15分