教員の生成AIの利活用例
教員によるChatGPTのチリツモ業務への応用
ChatGPTによる選択問題の自動生成
教育の現場では、教員が生徒に適切な問題を提供することが重要です。現在、様々なコンテンツが揃っているので、過去問題をうまく利用したり、問題集からピックアップした問題を提供していると思います。同様の問題を解くことの利点はある一方で、内容の理解や解法の理解度を確認するなどの観点で、類似の問題が必要になることは往々にしてあります。しかし、多忙な教員にとって、質の高い問題を作成することは時間と労力を要する作業です。そこで注目されているのが、ChatGPTを活用した選択問題の自動生成です。って毎回くどいですね。
ChatGPTは、自然言語処理を用いたAI技術で、教員が問題作成における時間と労力を大幅に削減することを可能にします。この技術を活用することで、教員はより効率的に、かつ創造的な問題を生徒に提供できるようになります。
教育現場での活用することの利点
ChatGPTによる問題生成の最大の利点は、時間の節約です。教員は手作業で問題を作成する代わりに、ChatGPTを使用して迅速に問題を生成できます。また、生成AIに作成してもらう問題はこちらの要望次第で、異なる視点からの問題提起が可能になります。これにより、教員自らが作成する問題と同様に生徒の思考力や理解力を深めることができます。
教育現場でのデメリットと懸念点
しかし、ChatGPTを教育現場で使用する際にはいくつかのデメリットや懸念点があります。まず、AIによる問題生成は、時に教育的な文脈や学習目標を完全には理解しきれない場合があります。これにより、不適切または誤解を招く問題が生成されるリスクがあります。こういった部分を取り除くために、確認作業は必ず教員が行うことが望ましいでしょう。
ChatGPTなどの生成AI利用 = 業務の改善や効率化を図ること
さらに、AI技術への過度な依存は、教員の問題作成スキルの低下を招く恐れもあります。教員がAIに頼りすぎると、自らの創造性や問題解決能力が衰える可能性があります。また、すべての学校が最新のAI技術にアクセスできるわけではないため、教育格差が生じるリスクも考慮する必要があります。
ChatGPTを利用する目的は、教員の業務改善のためや業務効率化のためであり、決して楽をするものではありません。
・過重業務により自身の生活に支障をきたしていることを改善する。
・業務集中により、生徒の指導に十分な時間が割けないことを改善する。
・業務量過多により、自己研鑽(教科研究など)の時間が取れないことを改善する。
などが挙げられます。この点は念頭に置き、活用するべきでしょう。
ChatGPTの活用方法
ChatGPTを使用して選択問題を生成するには、まず教員が学習内容に関連するキーワードやトピックをChatGPTに入力します。すると、ChatGPTはその情報を基に、関連する選択問題を自動で生成します。また、教員が自分の授業や問いたいポイントに合わせて問題をカスタマイズすることも可能です。
ChatGPTの活用例
今回はGPTsを利用して少々カスタマイズした「英語のチューターさん」を作成してみました。有料版です…
できること:英語の読解力を図る問題の作成とその学習の支援
1.手順(カスタマイズの設定)
1.2.3.の順番で、3.ではチャットで要望を伝えて、右側のPreviewで検証していくだけ。今回は、英語の文章を入力(過去問などをコピペ)すると、4者択一問題を4問作るように指示しました。更に、利用者が解答後にフィードバックを行う。加えて、フィードバック後、利用者に英語の文章に沿った翻訳問題や要約問題(日本語でも英語でもOK)などの追加問題を注文できるように指示しました。
1.~3.を行うだけで、最終的に4.の構成(設定)ができます。簡単でした。
2.実行
2-1-1.英文を入力(コピペ)する。
今回は、A4サイズ1枚分程度の英文(割愛します)をコピペしました。すると、一発で英文に沿って読解力を図る四者択一問題を作成してくれました。
2-1-2.利用者(私)がその問題に解答する。
記号のみを「c,b,c,b」と解答すると、フィードバックしてくれます。
2-2-1.追加で翻訳問題を作成するように指示する。
追加で英文に沿った翻訳問題を作成してもらいました。
2-2-2.翻訳問題に解答する。
解答に対してフィードバックしてくれました。
2-3-1.ついでに要約問題も出題するように指示する。
更に追加で、要約問題を作成してもらいました。
2-3-2.要約問題に解答する。
解答に対してフィードバックしてくれました。
感想
今回はChatGPTの有料版で利用できるGPTsを使用しました。英語の文章に沿って四者択一問題を作成するぐらいであれば、わざわざGPTsでカスタマイズする必要はないかなと思いました。しかし、毎授業、小テスト感覚でこのような問題を作成したり、個別の教科指導の際に内容を理解しているかどうかを確認する問題を作成することを想定すると、一度GPTsでカスタマイズしておくことで、時短が見込めると感じました。
教員は、こういった業務の積み重ねで時間が取られます。0から作成するより、使用頻度の高いものごとを半自動化して、確認作業のみを教員が行うようにしておくことで業務量を減らせると思います。
今後、ChatGPTのような生成AI技術の進化により、教育現場での活用の幅はさらに広がると予想されます。教員がより効率的に業務を行い、生徒に質の高い教育を提供するための強力なツールとして、ChatGPTの活用は今後さらに注目を集めるでしょう。しかし、利用する時には「教育現場での懸念点とデメリット」で挙げたように教員の目で最終確認をするようにするべきでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。