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はじめに
はじめまして、デジコンキューブの岩瀬義和です。
2006年に社内ベンチャーを立ち上げてから、あっという間に19年が経ちました。
設立当初の目標は、北海道・東北・北関東エリアで初となるデータ放送ビジネスの立ち上げでした。
しかし、思ったほどデータ放送の需要はなく、事業として成り立たないことが早々に分かりました。
そこから、自治体の公式サイトへの提案に方向転換し、受注したのが、今振り返ると会社の名前を県内に広める大きなきっかけといえます。
今回この場でお話ししたいのは、私自身が総務省の地域情報化アドバイザーとして自治体や企業のアドバイスの役割として活動する中で感じたこと、そして自分で実証を行った結果についてです。
専門本や偉い方々の講演も参考にしましたが、正直、「どこか絵に描いた餅に過ぎないのでは…」拭えない部分もありました。
そこで、自分自身の経験をもとに、実践的で役立つ話をお届けできればと思っています。
実証の場として選んだのは、2015年に立ち上げた「ふじみや株式会社」の店舗です。DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを通じて見えてきたことを、ここで共有させてください。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。
これは、経済産業省が推奨している取り組みで、デジタル技術を活用して社会や生活をより良いものに変えていくことを目指しています。
たとえば、行政サービスがオンライン化されることで、役所に行かずとも手続きが完了するようになったり、個々のニーズに応じたサービスが提供されたりするようになっています。
最近では「デジタル田園都市国家構想交付金」という割と緩い制度(私の解釈です)もあり、自治体のサービスはこれまで以上に大きく変わり始めています。
DXの最終的な目標は、「誰もが取り残されない、多様な幸せを実現できる社会」を作ること。私たちが目指す未来は、まさにこの点にあります。
DXが進む中で直面する課題とは?
DXが進む中で、行政が直面している大きな課題があります。これまでの行政サービスは、「市民が行政に合わせる」仕組みでした。
たとえば、決められた窓口に行き、決められた時間内に手続きを済ませる。これが当たり前でしたよね。
しかし、これからはそうもいきません。
少子高齢化や働き方の多様化が進む中で、行政サービスは「市民一人ひとりのニーズに合わせる」形へ進化していく必要があります。
例えば、高齢者が使いやすいアプリ、障害を持つ方に配慮した手続き方法など、柔軟な対応が求められる時代です。
このため、デジタル技術の導入はもちろんのこと、従来のアナログ的な要素も併せ持つ必要があります。
例えば、「オンラインで手続きが完了できる」仕組みと同時に、「直接窓口で相談できる」場も残す。これが行政の役割として重要です。
ただ、これを実現するには、民間企業よりもはるかに複雑な調整が必要で、課題も多いと感じます。
民間企業のDXの現状と課題
一方で、民間企業ではどうでしょう?
グローバル市場で競争に勝つために、DXは避けて通れない道となっています。
たとえば、企業が事業基盤のシステムを刷新し、効率化を図ることで、新しい商品やサービスを生み出し、世界市場に打って出る。これこそがDXの醍醐味です。
しかし、ここでも大きな課題が立ちはだかります。
それが、いわゆる「2025年の崖」です。
これは、古くなった社内システム(レガシーシステム)が限界を迎え、更新しないままだと企業の競争力が大きく低下する問題を指します。
経済産業省によれば、この問題を放置すると、2025年から2030年までの間に年間12兆円もの経済損失が発生すると警告されています。
驚くべきことに、日本企業の約6割以上がこの「レガシーシステムの老朽化」という課題を抱えているといわれています。
DXを進めた企業は全体の8割近くに上るとされていますが、その効果が特に中小企業ではあまり見えていないのが現状です。
中小企業が抱えるDXの壁
では、なぜ中小企業ではDXの成果が広く知られていないのでしょうか?
おそらく原因の一つは「リソースの不足」です。人材、予算、時間――大企業に比べて中小企業はこれらが限られています。
その結果、新しい技術を導入しようと思っても、導入コストや運用の負担が重くのしかかり、十分な成果を上げられないケースが多いのです。
また、変化に対する不安も一因でしょう。「これまでのやり方でなんとかなっている」という安心感が、DXへの取り組みを後回しにさせているのかもしれません。
これからのDXに必要なこと
私たちは、DXの波が確実に押し寄せていることを知っています。
しかし、その波をどう乗りこなすかは、行政も企業もまだ試行錯誤の途中です。行政に求められるのは、市民一人ひとりに寄り添う柔軟さ。そして企業に必要なのは、未来を見据えて「変える勇気」を持つことです。
私たちが未来をより良いものにしていくために、DXという考え方をただの流行語に終わらせるのではなく、具体的な行動につなげていけることを願っています。
理論だけではわからない、実体験の重要性
机上の理論というのは、本やネットにいくらでも転がっていますよね。
DXの成功事例や進め方についても、探せば山ほど出てきます。これだけ情報があふれていると、なんとなく「これをやればうまくいく」と思えることも多いです。
でも、私自身、そうした理論だけで物事を進めるのは、どうも信じきれない部分があります。
そこで私が大事にしているのが、やはり「実体験」です。
データを収集し、さまざまな分析を重ね、それを活用することで、理論上は成功するはずのプランを実際に試してみる。
こうした取り組みを通して、初めてわかることが多いんです。
しかし、ここで大切なのは「そもそも顧客のニーズに合っているのか?」という問いです。
さらに、地域ごとに抱える課題や危機感も違います。
それによって結果は大きく変わるはずです。たとえ理論的には正しいことでも、実際にはうまくいかないことがある。
だからこそ、現場での経験やリアルな声が重要だと感じています。
次回からは、私自身が現場で得た経験や、成功も失敗も含めたリアルな話をお届けしたいと思います。
机上の理論ではなく、皆さんに「正直な声」としてお伝えすることができればと思っています。最初なので全文無料に設定してみました。
次回からどうぞ楽しみにしていてください!