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「幕末土佐の天才絵師 絵金」展②

高知県外だと約半世紀ぶりの大規模展、大阪あべのハルカス美術館「幕末土佐の天才絵師 絵金」展も、盛況のうちに6月18日で無事終了しました。

2日後の20日には、早くも作品たちがアクトランドに戻ってきました。

ただ作品を展示するのではなく、土佐の文化でもある各地域の夏祭りの展示方法を再現されていました。
お客様からの反響も大きく、また地元の者としてはとてもうれしかったです。

開展直前の展示室の様子。
撮影可能エリアも設けられ、多くのお客様が撮影していました。
このコーナーは定期的に照明が暗くなり、お祭りの雰囲気が再現されていました。

開展前日に行われたプレス向け内覧会も、通常より多くの報道関係者がいら
っしゃったとのこと。嬉しい限りです。

開展後は大学の課題?かなにかで見学にいらっしゃった学生さんたちも何度もお見かけしました。
また、会期が進むにしたがって、外国の方も目立ってきていました。


英語のチラシもありました。

展示室の最後には、高知の観光情報とともに、アクトランド・高知県立美術館・絵金蔵で共同発行した「高知 絵金に出会えるガイドブック2023」も配布させていただきました。
展覧会で絵金に興味を持たれた方は、高知の夏祭りにも足を運んでいただきたいです。
この冊子では、絵金の見どころとともに、今年芝居絵を飾る夏祭りや展示情報をまとめました。

美術館のスタッフさんがPOPも作って並べて下さっていました。
デザインもとても好評でした。
ちなみに高知の観光パンフはびっくりするような速さでなくなり、頻繁に補充していたそうです。
朝ドラ「らんまん」効果でしょうか。

「高知 絵金に出会えるガイドブック2023」は、現在県内ミュージアムや観光施設でも配布しています。またDL版もあります。↓

https://actland.jp/cont/wp-content/uploads/2023/03/c4273b53ea4257bbf75fb571bf62ae10.pdf


そしてこの展覧会で販売されていた図録。

あべのハルカス美術館ミュージアムショップにて。

あべのハルカス美術館のみで販売され、通販などもなかったそうですが、こちらもとても好評で、なんと会期中に完売になったそうです!

この図録には展示作品の図版はもちろんですが、エッセイも新しい内容が収録されています。
とくにあべのハルカス美術館の上席学芸員・藤村先生は、高知に残る幕末当時の日記などの資料をあつめてご紹介されています。
このころ土佐で芝居が盛んだった様子とその演目などについて丁寧にまとめられていて、絵金の背景に迫っています。

せっかくなので、目次をご紹介。

  1. ごあいさつ

  2. 絵師・金蔵略伝

  3. 「幕末土佐の天才絵師 絵金」展によせて  藤村忠範

  4. 土佐の祭礼文化と「絵金」  横田恵

  5. (図版)第1章 絵金の芝居絵屏風

  6. 赤岡に息づく絵金の芝居絵屏風  水谷工

  7. 絵金の作画姿勢  北川博子

  8. (図版)第2章 高知の夏祭り

  9. 朝倉神社の夏祭りで考えたこと  藤村忠範

  10. (図版)第3章 絵金の周辺の絵師たち

  11. 土佐における江戸末から明治初期の地芝居の状況について―絵金の芝居絵屏風の流行が成立した時代背景を探る―  藤村忠範

  12. 資料1.2

  13. 出品作品リスト

  14. 絵金関連年表

  15. 文献リスト

  16. List of Works

こうして展覧会が開かれるたびに、あたらしいこと明らかになっていくのですね。
この展覧会には美術館関係者も多くいらっしゃったようですし、これから全国で絵金を紹介される機会が増えてくると予感しています。
たくさんの方に絵金を知って下さるようになるとともに、絵金についておおくのことが解明される機会に繋がっていけば…と考えさせられた、貴重な機会を頂きました。

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