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高畠競歩のエグさ。

「久々にエグいものをみた」というのが2024年高畠競歩の感想である。昨年も高畠には行った。去年の高畠はとても閑散としていて、レースに出ていた川野選手も「レース中に姿をみつけてびっくりしました」と言ってたくらいだったけど、今年は世界陸上東京選考レースとなり、それなりに人も集まった。

高畠競歩で派遣設定を突破した選手が優勝すると東京世界陸上35km日本代表内定となる。ただし、高畠では優勝者一人だけが代表となり、来年3月の能美競歩で残りの枠を争うということになる。ここで代表内定がとれれば、約1年を東京世界陸上への準備へと費やすことができるとあって、「決めるなら高畠へ」。昨年、牧歌的だった高畠とは違い、会場は緊張感が漂うものになった。

アップをしている選手の中に勝木選手の姿を見つけた。「今日は記録を狙います」とピリッとした顔で言う。こんな緊張感のある競歩は東京オリンピック選考がかかった輪島以来か。自国開催の世界大会をキャリアのピークにもってこようと、パリが駄目なら東京。この日のために一年間準備してきた選手が集まった。

スタート直後から「記録を狙う」と筆者に宣言していた勝木選手が先頭を歩くと会場はどよめいた。勝木選手のレーススタイルというのは、「長ければ長いほど本領を発揮する」というもの。スタートから先頭集団には決してつかず、後半もりもりとあげてきて、いつのまにやら先頭へ。極端なまでの後半勝負型であった選手が先頭をハイペースで歩きつづける。

5kmの入りは20:30。そして10kmはさらにあがって40:25(19:55)。序盤からキロ4を切るという日本記録を遥かに上回るペースですすむ。「35kmの世界記録ってどうだっけ?」とwikiを調べるとウラジーミル・カナイキン(ロシア)2時間21分31秒(2006)。いや、これは狙えなくもない。

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