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グローバルスポーツブランドによる「駅伝売れ」戦略

ビジネス・インサイダーというWEBメディアに「箱根駅伝に食い込むプーマ。着用ゼロ→25人躍進の舞台裏」という記事を読みました。

スポーツ分野ではサッカーやウサイン・ボルトに代表される短距離スパイクでは知られるも、ランニング、とりわけエリートマラソン分野では最後発に近かったPUMAが如何にして箱根駅伝着用ゼロから今季25人着用まで伸ばしたか?その舞台裏が報じられているのですが、この記事が興味深いのは日本国内だけのドメスティック競技である「駅伝」をグローバルスポーツブランドがアジア戦略のプロモーションとして利用するという文脈です。

近年、EKIDEN NEWSのSNS、とりわけInstgramとFacebookに台湾・香港・タイからの反応が見受けられるようになりました。「駅伝って東アジアで流行ってるの?」と、そういう疑問をもって台湾に何度も通っているうちにわかってきました。「どうやら普通に競技としてテレビやネットで観てるらしい」ということに。これらの国で駅伝が広まった要因はいくつかあります。台湾などはNHKが映るので、都道府県駅伝や高校駅伝を普通に観てた。ということや、箱根駅伝を題材としたアニメ「風が強く吹いている」がウケた。原作小説じゃないというあたり、アニメが国境をやすやすと超える強さを感じます。(思えば、キャプテン翼とかもそうか)

今回、話題となったPUMAの取り組みは本格的です。城西大や立教大といったPUMAとユニフォーム契約を結ぶ選手を選抜し、アメリカ・ノースカロライナ州を本拠地におくPUMA Eliteチームに送り込み、トップ選手との練習経験を経験し、ボストンにあるPUMAアメリカ本社のラボで選手のランニングエコノミーや身体機能のデータを採取。開発チームは選手たちにフィードバックインタビューを行い、「EKIDENで勝てるシューズ作り」へと活かしていく。

実際、ラボのスタッフはこういいます。「身長180センチ体重が70キロある選手と彼らのように小柄な日本人選手が求めるシューズが全く同じだとは思えない」と。つまり、アジア人トップ選手でもある大学駅伝選手のデーターをとることによって、アジアマーケットでの開発にも活かしていこう。そういう野心も垣間見れるのです。

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