②盆の帰宅 カニカニ
姪っ子2号は金色の柄杓を
うれしそうに 持って歩いている。
お墓参りのときにつかった
アレである。
そんなものもってどうするのか
置いておいで。と
言ってみたけど
自慢気にずっと持っている。
「カニを見つける。」
本日の目標ものべている。
姪っ子2号は体はちいさいが
すこし気立てが じいさんみたいな
ところがある。
アマガエルなら山程いるとおもうが
カニとゆうのはなかなか
田舎でもレアキャラ。
いるだろうか?
田んぼの方にくだると
田んぼに続く水路がキラキラと
輝いていた。
子供の頃は夏休みにはいると
共働きの両親のもとから
宿題を一式かかえ
姉と2人ひと月近く
この古い家に預けられた。
20年以上前だから
今のように
はちゃめちゃな暑さではなかったし
やることがないので
おじいちゃんに
くっついて田んぼにいったり
おばあちゃんにくっついて畑を見に行ったりした。
浅瀬の川に泳ぎにもいった。
いまは おとなになったわたしと姉に
その頃は影もカタチもなかった
姪っ子2号が意気揚々と
くっついてくる
不思議におもう。
せせらぎをながめていると
小さく動くものがある。
カニがいた。
しかも指の関節2つ分くらいの
ちょうど柄杓におさまる
見事なカニを姪っ子2号は
みつけたのだった。
「カニーさん」と名付ける。