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いきもの大図鑑プレミアム ギラファノコギリクワガタ レビュー

デッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ

タイリクオオカミ!ウンウンペンチウムです。今回の記事は、タイトルにある商品をレビューしていくものとなっています。
本商品は、2023年10月よりガシャポンオンラインにて予約が開始され、翌年の2月末に発送されました。
『いきもの大図鑑プレミアム』シリーズにおいては、2022年にヘラクレスオオカブトが発売され、そのわずか半年後に『いきもの大図鑑アドバンス ヘラクレスオオカブト』としてほぼ同スペックのサイズ違いのような商品が発売された事があります。
この事態が一部のユーザーから批判を浴びていた事もあり、『またアドバンスでギラファを出してくるんじゃねーの?』的な買い控えが起こるかとも思いましたが、Twitterを見る限りではそこそこの人数がこのギラファを買っていた模様です。


造形・塗装

プロポーション

世界最大の
ノコギリ

いきもの大図鑑(の昆虫系)シリーズではお馴染みの、標本をスキャンして設計データを作る手法によって、ほぼ完璧に実際のギラファノコギリクワガタ(亜種keisukei)をトレースしたアウトラインを実現しています。
サイズはオオアゴの先から翅の後端まで186ミリほど。同亜種の最大体長は123ミリだとされているので、概ね実物の1.5倍ほどのスケールである事になりますね。

ウルトラマンパワード、ウルトラサブスクに来ないかな…

一般的なディスクメディア(120ミリ)との比較。CDとギラファの最大体長がほぼ同じ大きさである事を、これを書いていて初めて知りました。

最近のバンダイさんの悪癖で、塗装品質はあまり良くありません。自分の個体だとオオアゴにシミのようなものがあったり、左前脚の付け根や中脚と後脚の間など塗装が完全に回っておらず、成型色が見えてしまっている部分もあります。
基本カラーは黒ですが、腹側のほか各部には赤茶色のグラデーション塗装が施されています。写真だと国産ノコギリかってくらい茶色く見えますが、実物はそこまで気になりません。
ところどころに真っ赤な部分が覗いていますが、なんとこれが今回の成型色らしいです。なぜこんなシャア専用ザクみたいな赤を……

ディテール

触角や跗節(ふせつ。昆虫の脚の先端部)など、細かな部分も精密な造形と塗装で再現。爪があまりにもシャープに造形されているため、破損が怖いこと怖いこと……
触角表面の微細な毛を再現したのであろう、グレーの塗装は若干わざとらしい気がします。ここは黒一色でもよかったかもしれません。

ギラファノコギリクワガタのオオアゴは、しっかり閉じることができるように内歯(ないし。オオアゴにある突起)が左右でズレて配置されています。標本をスキャンしたデータをもとに造形してあるおかげで、その内歯のズレも実物同様に再現され、しっかり閉じられます。

口まわりのディテール。さらに本商品の口には秘密が……

翅を展開すると現れる、外骨格が薄い部分もオレンジ主体のグラデーション塗装で再現。
センターの黒いシャドウ的な塗装が、自分の個体はズレてしまっています。

プレミアム版(アドバンス版もだけど)のヘラクレス同様、翅の裏まで塗装されています。
ヘラクレスは黒の上から茶色のグラデーションを施したような塗装でしたが、今回は茶色の上から黒のシャドウを少し吹いてあります。

可動、各ギミックなど

各部可動

『いきもの大図鑑プレミアム』『~アドバンス』といった高額シリーズでは恒例となった、人間でいう肘や膝にあたる関節の可動は今回も健在。
ですが、ここがかなり緩く、思うようにポーズを付けられない事があります。そのくせ自重を支えられるときはしっかり支えられる、よくわからない構造です。
プレミアム版ヘラクレスオオカブトは前脚の付け根のみ球体関節となっていましたが、今回は中脚も同様の接続。球体関節そのものと本体は、ヘラクレスはボールジョイント(ややこしい…)でしたが、今回は前脚、中脚ともに軸接続となっています。

新たなギミックを多数搭載

右前脚(写真向かって左)が引き出した状態です

前足基部は、実際のギラファ同様に基節(きせつ。昆虫の脚のパーツのひとつ)が可動し、あたかも引き出し関節のように振る舞う構造が再現されています。
個人的に、これが本製品でもっとも注目すべき部分だと思っています。クリック関節のようにいっぱいまで引き出すとカチッとロックされるようになっており、自重に負けません。

はっきり言って可動範囲の拡大とかにはぜんぜん寄与しませんが、ポーズを付けた時に実際の昆虫により近い状態になるという事に意味のあるギミックと言えるでしょう。
いきもの大図鑑公式サイトの商品紹介でも、この関節を活用した威嚇のポーズが紹介されており、自信のほどがうかがえます。

口を縮めた状態。

本商品は、さらに口の伸縮や小顎肢(しょうがくし。節足動物の口の周りにあるパーツの一種)の可動まで搭載しています。
口のブラシは下唇肢(かしんし。節足動物の以下略)と一体成型なので、その部位とともに前後にスライドする仕組み。小顎肢はボールジョイントで接続されています。

触角がボールジョイント接続で稼働するのもいつも通りです。今までのジョイント位置は目の裏でしたが、今回は写真の位置に変更されています。どうやらここがより正確な配置の模様。

翅の展開や、腹部がうねうね動くのもいつも通り……と今は書けますが、『くわがた07』『かぶとむし06』では腹部および翅の可動が削除されてしまい、今後はアドバンスやプレミアムにのみ搭載されるようです。残念……
ちなみに今回は、開いた翅を垂直に立てる方向の可動範囲が狭く、常に水平に近い角度にしかできません。

付属品

本体以外に、予備の跗節パーツや下翅、スタンドが付属します。
プレミアム版ヘラクレスは、跗節が6本すべて別の造形になっているようでした(前脚だけ短いのは見分けやすいですが、左右は正直同じに見える…)が、今回は6本すべて同じ造形のようです。

下翅はヘラクレスと同じ金型を使用しているふうに見えます。ただし、塗装はより透明度が高く、色調も薄めです。

スタンドパーツは支柱がヘラクレスと同様のもので、台座部分はもう1つ支柱を差しこめる穴と、それを塞いでおく蓋パーツが追加されています。(支柱そのものは1本しか付属しません)。

もちろん翅パーツと台座を組み合わせれば、飛行している状態も再現できます。そして…

プレミアム版ヘラクレスを持っていれば、台座にヘラクレスの支柱を差しこんで2体を同時にディスプレイできます。自分の写真だとうまく伝えられず歯がゆいですが、最強の甲虫たちが2体並んで飛んでいる迫力はすさまじく、ある種の神々しさすらすら感じさせます。

あそぼう!

ヘラクレスとの比較。ヘラクレスもフィギュアの体長は180ミリほどなので、ギラファのほうが大きく感じて違和感があります。
ギラファの体長を120ミリと仮定して縮尺を考慮した場合、ヘラクレスは体長120ミリにしては角が長すぎるので、ギリギリ同スケールとは言えないようです。

ですが、対決させて飾ったりする分にはさほど気にならないと思います。
ヘルクレスの真横に(ちょっと無理のあるジャンプで)回り込み…

捕らえ、

激しく振り回して失神させる!

『甲虫王者ムシキング』内での超必殺わざ、ブルロックでヘルクレスオオカブトを撃破!

新たな対戦相手は甲虫の王者、ヤマトカブトです。スケールについては、リメイク前の大きなヤマトカブトの場合、ギラファを120ミリとすると70ミリ強となります。

不用意に距離を詰めてきたヤマトを弾き飛ばし…

突進!正直このモーション何度見てもアレに見える

首をつかんで

引きずり倒す!新超必殺わざのG・ネックブリーカーの前に、甲虫の王者も成す術がありません。

『いきもの大図鑑ミニコレクション 昆虫03』収録のギラファノコギリクワガタ(飛型)と。この2体は同一の標本から作られたようで、大まかな形状のみならず内歯の大きさや並び方まで一致します。

左がプレミアム版、右がミニコレクションです

総評

これまで搭載できなかった可動ギミックが多数追加され、机などに飾ってふと目をやるとギョッとする巨大さなど、多くの点で素晴らしいフィギュアだと感じます。しかしそれと同じくらい残念なところも多いなという印象でした。
何より残念なのはヘラクレスとスケールが合わない点ですが、そうまでして大きくしたサイズ感が魅力の一つとなっているため、あんま大声で責められないですね…いっそいきもの大図鑑アルティメットで30センチくらいあるヘラクレスを出しませんかバンダイさん?
ですが、スケールを差し引いても2体同時に飾ると非常に映え、『くわがた02』『かぶとむし01』からずっと追ってきてよかったと感じさせてくれます。

最後まで読んでくれてありがとう!じゃあな!

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