栄養相談で使えるおすすめの書籍など
栄養相談を勉強していく上で、エビデンスを元に記載されているガイドラインを読むことはとても重要です。しかし、日々の業務に忙しいとGLの存在自体を調べることすら難しいこともあります。そのため、一覧にすればこの疾患の時にどんなGLを見たら良いのかすぐにわかるのではないかと思い、まとめました!
他にもたくさん良い書籍はあると思いますが、私が読んでよかったなと思うGLや書籍をご紹介していきます。
全ての疾患に通じるもの
・食事摂取基準2020
栄養士のバイブルと言っても過言ではない
栄養相談の基本的なことはここに全て載っているので、まだ読んだことない方は一度読んでみてほしい
目の前にいる患者さんが、何をどのくらい必要としているかの目安になる
時間がなくて全部読むのが難しいよ〜っていう方は、目の前の患者さんに当てはまる部分だけでも良いので読んでほしい
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
糖尿病
・糖尿病診療GL2023
なんと全ての内容がPDFで見ることができる
糖尿病の診療に関わる全ての方に一度読んでいただきたい
・ライフスタイル改善の成果を導くエンパワーメントアプローチ
私のバイブルと言っても過言ではないくらい、私の管理栄養士人生が変わった書籍
この書籍と出会ってなければ、栄養相談が楽しい、管理栄養士の仕事が好きと思えなかったかもしれない
著者の安達美沙先生から教えていただいたこと、今でも胸に刻んで反芻しています
・熊本宣言
糖尿病を指導する上で絶対に必要となるのが血糖コントロール目標値
栄養相談でその都度、患者さんの立ち位置を図でお示ししている
例えばHbA1c10%とというのが、高いのか低いのかわからない場合でも、図をお示しするだけでも血糖値が高いということを一瞬で理解できるhttp://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/kumamoto2013.pdf
・高齢者糖尿病の血糖コントロール目標値
年齢、使用している薬剤、ADLによって目標の数値が異なる
患者さんに合わせた目標設定をすることで、低血糖を防ぐという一番の目標を達成することができ、患者さんとの共通認識にするhttp://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/kumamoto2013.pdf
・糖尿病治療ガイド
糖尿病に関する基本的なこと(診断のための検査数値や、コントロール目標、食事療法、運動療法、低血糖について)が記載されている
・糖尿病治療の手引き2020
わかりやすい言葉で、患者さんから良く聞かれる内容が記載されている
・糖尿病の患者さんに良く聞かれる質問120
看護師さん向けの書籍で2009年発刊ですが、患者さんに良く聞かれることに関して記載されています。受け答え方法とその根拠が書かれており、勉強になります。栄養相談を始めたころはよく読んでいました。
https://www.jnapc.co.jp/products/detail/2766
・糖尿病食事療法のための食品交換表
現在は主食の単位と果物の単位を確認する際に使用していますが、患者さんにそれを覚えてもらうような指導はしていません。主食と果物は1単位がどのくらいの量なのかを覚えておくと、栄養指導で素早く計算ができます。
脂質異常症
・動脈硬化性疾患予防GL
脂質異常症に関して、何をどのくらい減らすべきか、運動は効果があるのか?などが具体的に記載されている
脂質異常症の指導をされる方は、是非ご一読を
少し前までは書籍のみでしたが、今回の改訂でPDFで読むことができるように!!
高尿酸血症
・高尿酸血症治療GL
尿酸値が高い方の指導方法が具体的に記載されている
全てPDFで読める
腎臓
・腎臓病食品交換表第9版 2016年9月発売
・CKD進展予防のための保健指導教材
こんなに完成度の高い資料を無料で使わせていただいて良いのでしょうかと思うくらい、情報量が多い
腎臓に関して知識が少なくても、わかりやすい言葉で書いてある
https://jsn.or.jp/academicinfo/report/201303.pdf
・エビデンスに基づくCKD GL2018
新しく2024がでていますが、まだPDFで読めず…
しばらくすると出てくるはず
https://cdn.jsn.or.jp/data/CKD2018.pdf
・慢性腎臓病 生活食事指導マニュアル
https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/H25_Life_Diet_guidance_manual.pdf
・医師コメディカルのための慢性腎臓病
https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/H26_Life_Diet_guidance_manual-s.pdf
禁煙
・禁煙支援マニュアル
厚生労働省が作成したマニュアル
アイコスやグローなどの電子タバコに関する最新のエビデンスも記載されている
特定保健指導
・標準的な健診・保健指導プログラム
厚生労働省が作成したもので、保健指導に従事している人も、従事していない人も、栄養相談初心者の方におすすめのマニュアルになっている
標準的な質問表に対する解説が科学的根拠をもとに記載されていて、とてもわかりやすい
検査数値
・検査値に基づいた栄養指導
廃版になってしまったのでメルカリでゲットするしかなくなってしまいましたが、検査数値が読めるようになるとすらすらと栄養相談できるようになります!
他の検査数値の本を読んだけど、具体的に何を食べたらこの数値が上がるというところまで踏み込んだ検査数値の本がないため、代わりのおすすめの本を見つけ次第ご紹介しようと思っています!
栄養相談で患者さんのやる気を引き出すコツ
・糖尿病・腎臓病・透析患者のやる気を引き出すコーティング
栄養相談をはじめてみると、なかなか思うように指導できずに悩むことが多々あると思います。
そんな悩みを解決するために、少しの工夫で患者さんのモチベーションを上げることができポイントがこの本にはまとまっています。
この本を読んでから、傾聴を妨げるD言葉を使わないようにしたり、栄養相談での沈黙が怖いものではなくなりました。
栄養相談であるある!という悩みが沢山記載されています。
・MI(動機づけ面接)
MI(動機づけ面接)は、私は糖尿病療養指導士の研修で知りました。
栄養相談の受け答えに関しては、こちらの方法がとても参考になります。
相手の言葉を繰り返えすだけでもいいことや、患者さん自身の気持ちを引き出してあげる手法など、目から鱗の方法でした。この方法で栄養相談をするようになってから、患者さんの行動目標を無理なく引き出すことができるようになり、指導の時間を短縮することができました。
是非、川村先生のセミナーを受ける機会がありましたら、受けてみてください!(HPの研修だと結構お高いのですが、糖尿病療養指導士の研修だと安く受けられます)
http://www.jahbs.info/TB2017/TB2017_1_6_1.pdf
・ナッジ
ナッジは「背中をそっと押してあげる」という意味だけど、患者さんのやる気を引き出すにはピッタリな手法だと思っています。
この方法を知ることで、誰でも話し上手になれます。語弊を恐れずにいうと、気づいたら、患者さんを思いのまま操るように誘導することができます笑
実は知らないだけで、ヤフーニュースの見出しなどは、このナッジを用いて作られています。そのくらい身近な存在です。
日々の栄養相談に悩まれている方は、ぜひセミナーや本を購入してみてください。私は、日本家族計画のナッジのセミナーを受けました!
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
私は栄養指導に行き詰まった時に、ネットでGLを読んだり、ふらっと大きめの本屋さんに行ったり、エイチエで検索する癖がつきました。
なんでも自分で調べて、吸収して、成長できたなと思います。
人によって参考となるものは違うと思いますが、自分に合った書籍や指導方法に出会うきっかけになりましたら幸いです。