【解答解説】第３８回管理栄養士国家試験（問11）

問題

わが国の糖尿病の疫学および予防施策に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
（1）直近5年間で新規に透析が導入された原因の1位は、糖尿病性腎症である。
（2）直近5回の国民健康・栄養調査結果によると、「糖尿病が強く疑われる者」において、糖尿病の治療を受けている者の割合は9割を超えている。
（3）直近5回の国民健康・栄養調査結果によると、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は70歳以上よりも50歳台で多い。
（4）健康日本21（第二次）の目標の「合併症の減少」の対象疾患として、糖尿病網膜症が取り上げられている。
（5）健康日本21（第二次）の目標に、「糖尿病の年間調整死亡率の減少」がある。

解答

（1）

解説

（1）⚪︎
　透析導入の原因疾患は①糖尿病性腎症　②腎硬化症　③慢性糸球体腎炎となっています。
　透析導入の平均年齢は71歳で、年々高齢化しています。

（2）×
　「糖尿病が強く疑われる者」における糖尿病の治療を受けている者の割合は76.9％です。男女ともに40代での治療率が最も低くなっています。

（3）×
　「糖尿病が強く疑われる者」の割合は年齢とともに上昇します。
　　70歳以上での割合は、男性26.4％、女性19.6％となっています。

（参照：令和元年国民健康・栄養調査）

（4）×
　健康日本21（第二次）での合併症の減少は「糖尿病性腎症による年間新規透析導入患者数」を指標としています。

（5）×
　年齢調整死亡率の減少を目標としているのは「がん」と「脳血管疾患・虚血性心疾患」です。
　健康日本21（第二次）における糖尿病の目標項目は6つ
　①合併症の減少
　②治療継続者の割合の増加
　③血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少　（HbA1cを指標とする）
　④糖尿病有病者の増加の抑制
　⑤メタボリックシンドローム該当者及び予備軍の減少
　⑥特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上

（参照：健康日本21（第二次））