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Ender-3 V2を流用したVORON Trident製作記
Ender-3 V2を流用したVORON Tridentの製作について書きたいと思います。
ずっと、Ender-3 V2を使用していて不満だったのは下記の点でした。
・ベッドが前後に移動するため、かなり広めのフットプリントが必要になる
・そのため、ABSを印刷するのに巨大なエンクロージャーが必要になる
・重たいヒートベッドを前後に移動する必要があるため印刷スピードを上げられない
このあたりを改善したいということで、やっぱりCoreXY化だなと思い、さらにベッドの水平調整の自動化(Z-Tilt)をしたい!と調べてたところVORON2.4か、VORON Tridentが良いなぁと思いました。
で、出来るだけ安くかつ、Ender-3 V2のパーツ流用をを考えたところ VORON Tridentを作ろう!っていうことでスタートしました。
おかしいところがあれば、ご連絡ください。修正したいと思います。
VORON Tridentとは?
VORON Designが提供しているオープンソースの3D Printerの一つで、自分でパーツを集めて作るDIY 3Dプリンタとなります。製作マニュアルもきちんと整備されています。
Voron Tridentには、下記のような特徴があります。
固定XYガントリーを備えた従来の CoreXY 設計で、Z軸が3 点式でベッドを移動させる構成
最初からエンクロージャ込みの設計となっており、ABSの印刷に最適
Z軸はリードスクリュー付きのステッピングモーターを使用する関係上、造形物の最大高さは250mm
造形物のXY軸のサイズは250x250, 300x300, 350x350のヒートベッドを選択可能
Ender3v2からの流用したパーツ
非常に名残惜しくいつまでも作業開始できないので、まずはEnder-3 V2を思い切って解体しました。流用するパーツと処分するパーツ、予備パーツなどに分類しました。
流用するパーツは下記のようにしました。
既にKlipper化していたので組み込んでいたRaspberryPi3B+はそのまま流用
MCUもEnder-3のものを流用し、不足する部分を別のボードを追加すればOKと思われるが、自分は手持ちにBTT SKR Picoが2枚があったのでこれを使用
Extruderは、すでにAfterBurnerに改造していたため、そのまま流用
ABモーターはEnder3v2から流用可能だったが、せっかくだったのでAmazonで良さげで安いStepperがあったので買い換え
ヒートベッドは、Voron用は非常に高価なのでとりあえずEnder3v2のものをそのまま流用
電源系、100V周りはそのまま流用
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購入したパーツ・手持ちパーツ
購入した・手持ちしたパーツは下記のようになります。ケーブルや細かいコネクタやwago等は手持ちのを使いました。総額6万円台で出来ました。もっとEnder-3 V2のパーツを有効利用すれば、さらに安く出来たと思います。
ちなみに、普通にVORON Tridentのフルキットを買うと12万以上します。
MCUは、BTT SKR Pico を2枚使用(Taobaoで調達 約¥4,000x2枚)
フレームはMiSUMiで一括購入:¥12,982
モーション、ネジ、Z軸モーター等はAliExpressで調達
Trident モーションキット:¥6,912
Trident 3Dプリンターファスナーキット:¥6,367
Z軸300mmT8リードスクリュー付きNEMA17x3:¥5,850
ケーブルチェーン:¥1,820
リニアガイド MGN9H300mmx5:¥12,080 …Amazonの方が安かった
下記のものはAmazonで調達
クーリング用の60mmFAN 6010:¥2,999(6020を推奨だが薄いのにした)
ABモータ:Quimat Nema17 motor 45Ncm(63.7oz.in) 40mm:¥2,290(Ender-3 V2のを流用すれば安くできる)
ゴム足:¥186
DINレール:¥1,130
アクリルパネルは、はざいやで購入:¥4,953
製作記
作ろうと思い立ってから、二ヶ月弱かかっていますが、ほとんどパーツの到着待ち期間でした。。。実質1週間くらいで組めてたと思います。
2022.8.18 作ろうと心に決めまずは、Misumiフレームを発注
Ender-3 V2を解体
一通り印刷パーツをABSで印刷(Voron V0.1と、Fraxinusの2台体制)
AliExpress/Amazonで必要そうなパーツを順次発注
2022.8.27 Misumi フレーム到着
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2022.8.27 フレーム完成
こうしてみると、2020フレームは意外と柔いなぁと感じました。なので、この後ブレースとコーナーブラケットを入れまくりました。
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2020.8.30 Dinレールが届く。早速金鋸でカットしてマウント
2022.8.31 Klipperで2台の同一種類のボードをコントロールできるかテストRaspberryPiZero2W+HUBで2台のSKR Pico制御テスト。そもそもEnder3v2を解体したらRaspberryPi 3B+が出てくるので、HUBが不要では?とここで気づいた(^^;
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・2022.9.1 リニアガイド XAB分が先行して届いたので取り付け実施
電源系もマウント完了。
・2022.9.2 AB軸モーターが届いたので、マウント&ベルト通し完了。
ヒートベッドをEnder-3 V2のを流用してマウントできるように、マウンタをモデリングして実装。
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・2022.9.7 やっとリニアガイドZ軸用3本届いたので、取り付け。
・2022.9.11 ケーブルチェーンが届いたので、ABモーターの結線完了
・2022.9.12 やっとZ軸モーターx3が届いたが、一台輸送中に曲がっていた( ; ; )。とりあえず、これで装着。
・2022.9.14 やはり曲がりが許容範囲ではなかったので、手持ちのStepperとカップリングとリードスクリューロッドで曲がったZ軸モーターの代用して、普通に印刷可能になった。
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・2022.9.18 完成が見えてきたのでアクリルパネル発注
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・2022.9.22 アクリルパネルが届いたのでパネル取り付けて一旦完成
(ExtruderはStealthBurner化している)
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2022.10.9 曲がっていたZ軸の交換用のモーターが届いたので交換して完成系となる。
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2022.10.14 VORONへシリアル番号リクエストして無事にゲット!
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
最後に
今回、やってみてZ-Tiltの動きは非常に面白く勉強になりました。
また、非常に安定して動作するので作ってみてよかったです。
挑戦してみようと考えている人の少しでも参考になればと思い書きました。
自分の今後は、やはりヒートベッドをVORON Trident準拠の高精度の厚いアルミ板にしたいと考えており、調達方法で悩んでいます。。。
なお、記載のパーツや価格等は随時変化していると思いますので、あくまでもご参考にどうぞ。
なお、この記事は改造を推奨するものではありません。
3D Printerの改造は、自己責任でお願いします。
補足:KlipperでMCUを複数制御する方法
違う種類のMCUを接続する場合は、下記コマンドで確認できるIDが違うものとなるためそれを、printer.cfgの[mcu]セクションでserial:に記載すればOKとなる。
実際にピンをアサインするときは、2つ目のmcuセクションは”[mcu my_extra_mcu]”のように記載し、”my_extra_mcu:ピン名”でアサインできるようになります(下の例では、2nd:ピン名)
ls /dev/serial/by-id/*
/dev/serial/by-id/usb-1a86_USB2.0-Serial-if00-port0
/dev/serial/by-id/usb-Klipper_rp2040_4550357127936028-if00
-----
printe.cfg にて下記の記載
[mcu]
serial: /dev/serial/by-id/usb-1a86_USB2.0-Serial-if00-port0
[mcu 2nd]
serial: /dev/serial/by-id/usb-Klipper_rp2040_4550357127936028-if00
[stepper_x]
step_pin: gpio11
dir_pin: !gpio10
:
[stepper_z]
step_pin: 2nd:gpio14
dir_pin: !2nd:gpio13
:
同一種類のMCU を接続すると、IDも同一になってしまいますので、このままでは困ります。しかし、対応策が用意されています。
MCUのファームウェアをコンパイルするときにmake menuconfigでUSB IDをCHIPIDから生成することが可能となっています。
下記のUSB idsを選択し、”USB serial number from CHIPID (NEW)”をチェックすると違うIDを採番してくれます(おそらく、現在はデフォルトでONになっているはず)
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
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