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KP3Sでの近接センサ接続について

klipperを使用しているKP3Sでの近接センサ接続について書きました。
また、マニアックな記事になってしまった。。。
自分のKP3SはFraxinusに改造してしまっているので、実際のKP3Sとの違いがあるかもしれませんのでご了承願います。
また、既にBL-Touch/3D-Touchを導入されている方を前提に記載させていただいております。
間違っている点や不足している部分、誤字脱字などあれば、是非、こっそりご連絡ください。記事をアップデートしていきたいと思います。

近接センサとは

近接センサとは、リミットスイッチやマイクロスイッチなどの機械式スイッチの代替として、非接触で検出物体が近づいたことを検出するセンサです。
今回はエクストルーダーから、ヒートベッドの検出に使用します。
3D Printerでよく使用されているのは、BL-Touchや3D-Touchといった接触型のセンサです。比較的精度が高いのですが、印刷物との接触事故等で破損するケースがあり消耗品的に使用することになります。
今回ご紹介する近接センサは、稼働部が無いので故障しにくく比較的安定して使用できます。

BL-Touch(右は破損してしまったもの)

近接センサの選定

今回使用してみた近接センサは下記の2つです。
Omron TL-Q5MC2 - NPN Inductive Probe
Panasonic GX-H15B マイクロ近接センサー
どちらも、下記のものを選定しています。
・NPNタイプ
・動作電圧が24V以下
・近接時にオフ
  →つまり、つまり通常はONで通電状態となります。
   これはケーブル断線時にベッドに激突するリスクを避けるために
   こちらを選定します。
・検出距離 約5mm
  →あくまでも金属部分(一般的には加熱されるアルミプレート部分)を
   検出するので、ガラスベッドや、エポキシベッド等を使う場合は
   その厚さ分も考慮する必要があります。
   かといって、あまり長いと誤差が増えますので要注意です。

近接センサ

近接センサとの結線

自分は下記のように結線しました。
この近接センサは5Vでは動作せず、24V供給する必要があります。
検出結果は、BL-Touch等と同じようにZ-EndSwichで拾えるように結線しました。
結線はVoronの公式ドキュメントを参考にしました。
結線はテスタ等で確認しつつ慎重に実施してください。誤ると簡単にコントローラボードや、センサーが破損します。

結線図

近接センサのマウント

これは自分でデザインして3D Printerで印刷しました
注意点は、ヒートシンクやヒートブロック等の周囲金属の影響もあるので、装着向きは注意してください。取り付け面側に金属がくるように設計すれば問題ないと思います。
私のはFraxinus向けに作成したので参考にならないと思いますので割愛します。

マウント例

Klipperでの設定例

printer.cfgのBL-Toch/3D-touchからの変更点は、下記のようになります。

[stepper_z]
:
endstop_pin: probe:z_virtual_endstop #3D-touch実装済な場合は既に定義済
#endstop_pin: ^!PA11          #BL-touch実装済な場合は既にコメントアウト/削除済
#position_endstop: -5         #BL-touch実装済な場合は既にコメントアウト/削除済
[probe]
pin: ^PC4                     #^はプルアップ指定
x_offset: -25.0 	      #ノズルとセンサのX距離
y_offset: 0	              #ノズルとセンサのY距離
samples: 3	              #各ポイントのサンプル数
samples_result: median	      #各サンプルの計算方法:中央値
sample_retract_dist: 2.0      #各サンプル間のツールヘッドを持ち上げる高さ(mm)
samples_tolerance: 0.006      #サンプル間の許容誤差(mm)
samples_tolerance_retries: 2  #サンプルの試行回数
z_offset: 0

※[bltouch]セクションは不要となるので削除/コメントアウトしてください
 下の方に自動的に掲載されたbltouchセクションがあれば、こちらも削除する必要があります。

最後に

自分はこの改造で、BL-Touchの破損というリスクから解放されてスッキリしました。またプローブの上げ下げする時間もなくなり、測定の高速化がされます。
精度も問題なく、安定して使用できて満足しています。
なお、この記事は改造を推奨するものではありません。
3D Printerの改造は、自己責任でお願いします。

参考

VORON 公式ドキュメント
ミスミ 角柱型標準タイプ近接センサ TL-N/Q (TL-Q5MC2 2M)
ミスミ 角型近接センサ[アンプ内蔵] (GX-F/H) (GX-H15B)

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