【Wine ワイン】2018 Monuessu
【Wine ワイン】2018 Monuessu
イタリアのスーパータスカンの火付け役ジャコモ・タキス氏がサルーディーにゃで立ち上げたワイナリーが造る。ボルドースタイルワイン
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■Producer (生産者)
⁃ Agricola Punica
■Country / Region (生産国 / 地域)
⁃ Sardigna / Italy
■Variety (葡萄品種)
⁃ Merlot
⁃ Cabernet Sauvignon
⁃ Cabernet Flanc
⁃ Syrah
⁃ Carignan
■Pairing (ペアリング)
⁃ ポルッチェドゥ Porceddu(子勝豚の丸焼き。昔は土中に埋めてローストしていたが、今はオーブンまたは炭火で焼く)
■サルデーニャ州 Sardegna
■プロフィール
サルデーニャは、地中海でシチリアに次いで2番目に大きな島。シチリアと同じく地中海の真ん中という戦略的重要地に位置していて、古代から多くの民族がこの島を訪れた。面積24,090㎢とシチリア、ピエモンテに次いで3番目に大きな州で、南北270km、東西145kmに広がっている。すぐ北にはコルシカ島がある。
サルデーニャ人は基本的に丘陵、山の民族で、羊飼い、農民であることを誇りとし、海に囲まれているにもかかわらず、海を越えての通商、貿易などにあまり積極的でなかった。そのために独自の文化、習慣が色濃く残っているし、特に内陸部では顕著である。様々な文明の影響を受け、文化的モザイクのようなシチリアとは対照的に、サルデーニャ人は閉鎖的で、「誇り高き孤立」を選んだ。その姿勢はワイン造りに対しても同じで、1970年代末から始まった「イタリアワイン・ルネッサンス」と呼ばれる近代化運動に対しても比較的無関心で、「乗り遅れた州」と言われたこともあった。しかし、そのおかげで、行き過ぎた近代化、国際品種化に害されることなく、今でも興味深い固有品種、個性を持った独自のワインが多く残っている。
■歴史
新石器時代から、ユニークな石造り建築スラーゲ遺跡を数多く残した民族が住んでいたが、この民族の起源はまだ明らかになっていない。フェニキァ人、カルタゴ、ローマなどが、この島を通商の拠点とした。その後、アフリカのヴァンダル人、東ローマ帝国支配となったが、アラブ人の攻撃を受けた東ローマ帝国がサルデーニャを見捨てたので、サルデーニャは独立国としてアラブの侵略と戦った。そして、アラブとの戦いに助っ人として参加したビサとジェノヴァがこの島を支配するようになった。さらに15世紀からはアラゴン=カタルーニャ王国の支配が続く。1720年以降はサヴォイア家の所有となり、ピエモンテとともにサルデーニャ王国を形成し、イタリア王国となった。第2次世界大戦後はイタリア共和国の自治州となった。
■文化
海岸部は開けているが、大半の面積を占める内陸部は非常に閉鎖的で、独自の文化を保持している。サルデーニャ語はイタリア語とは全く異なる言語である。北部のガッルーラ、サッサリ地方ではコルシカ語が話され、北西部アルゲーロ周辺ではカタローニア語を話す。
■経済
地理的に隔離されているため、経済的にも文化的にも遅れていたが、第2次世界大戦後は徐々にイタリア半島の生活レベルに近づいてきた。石炭をはじめとする鉱山が多くあり、昔は非常に重要であった。今は、農業、観光が重要な産業だ。特に夏はヴァカンス客が大量に押し寄せる。島の北東部になるコスタ-スメラルダなどの高級リゾート地は国際的にも有名である。また、サルデーニャ島はワインの栓に使われるコルクの産地としても知られている。
■気候風土
丘陵地帯が67.9%、山岳地帯が13.6%と多く、平野部は18.5%しかない。丘陵も岩が多く、あまり農地に遠していない。中央部の最高峰ブンタ・ラモルモラは1.834mである。島の南部スルチス地方が形成されたのは古生代初期、サルデーニャ島自体が海上に現れたのが石炭紀と、イタリア半島より古い島である。海岸線は1897kmに及ぶが、76%は岩礁であり、砂浜は少ない。土壌は花尚岩、玄武岩などが多く、石灰岩は比較的少ない。海岸部は地中海性気候で、夏は暑く乾燥していて、冬は温暖。海からの風が夏の暑さを和らげる。内陸部の丘陵地帯や山岳部では、大陸性気候となり、昼夜の温度差が激しく、冬の寒さは厳しい。年間降雨量は、海岸部で500mm以下、内陸部で500〜800mmと少なく、しばしば早慰に悩まされる。島全体に風が非常に強い。
■ワイン生産量
ワイン生産量442,921hℓ(2018年)、ブドウ栽培面積26,709ha(2018年)。全ての県でワインが造られているが、生産量はシチリア州の11分の1に過ぎない。海産物が多く食べられそうな土地柄から白ワインの生産量が多いように思われるが、サルデーニャの人々は魚よりも羊の肉を好むと言われているように赤ワインの生産量が想像以上に多くて、白ワインが46%、赤ワインが54%である。
■主要ブドウ品種
[白ブドウ]
vermentino ヴェルメンティーノ
リグーリア州、トスカーナ州、サルデーニャ州、フランスのコルシカ島などティレニア海沿いで栽培されている白ブドウ。繊細でやわらかく、黄桃のアロマを持ち、後口にかすかなほろ苦さを感じさせるワインを生む。ファヴォリータは同属。
Vernaccia di Oristano ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ
数多いヴェルナッチャの一種で、サルデーニャ州、特にオリスターノで栽培されている。
ナスコ Nasco
歴史が古いサルデーニャ州の白ブドウ。カリアリ県で多く栽培されている。募香を感じさせるアロマティックな品種。甘ロワインになることが多い。
[黒ブドウ]
カンノナウ Cannonau
サルデーニャ州で最も多く栽培されている黒ブドウ。果実味豊かで、かすかにスパイシーな赤ワインを生む。
カリニャーノ Carignano
サルデーニャ州、特にカリアリ県のスルチス地方で栽培されている黒ブドウで、フランスのカリニャンと同じ。
ジロ Girò
サルデーニャ州、特に南部のカンピダーノ平野で栽培されている黒ブドウ。好ましい果実味を持ち、タンニンのしっかりした赤ワインを生む。甘口に醸造されることが多い。
モニカ Monica
サルデーニャ州、特にサッサリ県で栽培されている黒ブドウ。
■地方料理と食材
[パスタ・スープ]
マッロレデオゥスMalloreddus(トマト、サルシッチャ、ペコリーノの濃厚なソースで和えたセモリナ粉のニョッキ)
スファッルSu Farru(小麦とチーズのスープ)
[魚料理]
アッラゴスタ・アッロスタArragosta Arrosta(伊勢海老のロースト)
アッラゴスタ・アッラ・グリリアArragosta alla Griglia(伊勢海老の炭火焼き)
[肉料理]
ポルッチェドゥ Porceddu(子勝豚の丸焼き。昔は土中に埋めてローストしていたが、今はオーブンまたは炭火で焼く)
[食材]
ボッタルガ Bottarga(カラスミのことで、ボラの卵巣を干したもの。薄く切って前菜にするか、すりおろしてパスタと和える)
[その他]
パーネ・カラサウ・Pane CarasauまたはCarta da Musica カルタ・ダ・ムジカ(楽譜と呼ばれる非常に薄い紙のようなパン。羊飼いの携行する保存食だった)
[チーズ]
フィオーレ・サルド Fiore Sardo(D.O.P.、羊乳、非加熱圧搾、サルデーニャの花という意)
ペコリーノ・サルド Pecorino Sardo(D.O.P.、羊乳、半加熱圧搾)
ペコリーノ・ロマーノ Pecorino Romano(D.O.P.、羊乳、加熱圧搾、現在生産の中心はサルデーニャ島)
■オルビア-テンピオ県 Olbia-Tempio、サッサリ県 sassari
■土壌
ガッルーラ地方は花崗岩土壌他は石灰土壌
■気候
地中海性気候で暑い。
■主要ブドウ品種
[白ブドウ]
ヴァルメンティーノ Vermentino
[黒ブドウ]
カンノナウ Cannonau
■主要なD.O.P.(D.O.C.G.)ワイン
ヴェルメンティーノ・ディガッルーラ Vermentino di Gallura
島の北東部にあるガッルーラ地方丘陵地帯で造られる、サルデーニャ島唯一のD.O.C.G.。
地中海、特にティレニア海沿いで広く栽培されているヴェルメンティーノだが、ガッルーラの花崗岩土壌では、しっかりとしたアルコールを持ち、深みのある味わいで、かすかに塩っぽい白ワインとなる。フレッシュながらも広がりを感じさせる非常に地中海的なワインである。
■主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン
モスカート・ディ・ソルソ-センノーリ Moscato di Sorso-Sennori
北西部のサッサリ周辺で造られる香り高く濃厚な甘ロワインだが、生産量は少ない。
■オリスターノ県oristano
■土壌
石灰土壌
■気候
地中海性気候で暑い
■主要ブドウ品種
[白ブドウ]
ヴェルメンティーノ Vermentino
マルヴァジア Malvasia
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ Vernaccia di Oristano
[黒ブドウ]
カンノナウ Cannonau
■主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン
マルヴァジア・ディ・ボーザ Malvasia di Bosa
島の西側のプラナルジアの石灰岩丘陵で造られる障大な腹想ワイン。極端に繊細なワインで、極上のシェリーのような優美さを持つ。酸化熟成したワインで、ヘーゼルナッツ、グリーンオリーヴ、ハーブのアロマがあり、口中では絹のように上品だ。熟成段階でフロールが発生することも多い。ほとんど知られていないワインであったが、映画「モンドヴィーノ」で取り上げられて、一気に有名になった。生産量は極端に少ない。
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ Vernaccia di Oristano
マルヴァジア・ディ・ボーザ Malvasia di Bosaよりは生産量もあり、知名度も高いのが、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ Vernaccia di Oristanoだ。これもシェリーに似てフロールを発生させ緩やかな酸化熟成をするワインである。
■カリアリ県cagliari
■土壌
石灰土壌
■気候
地中海性気候で暑い
■主要ブドウ品種
[白ブドウ]
ヴェルメンティーノ Vermentino
[黒ブドウ]
カリニャーノ Carignano
カンノナウ Cannonau
■主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン
カリニャーノ・デル・スルチス Carignano del Sulcis堅固かつみずみずしい赤ワインが造られている。
Sardignaの食とワイン
■サルデーニャの料理
サルデーニャは自治州である。自治州とは、国の平均的な法律に合わせることのできない独自の文化を持つ州である。サルデーニャの特徴は、海を越えてくるものは侵略者として拒絶し、あくまで自分の土地で生まれた食文化を尊重するところにある。興味本位から姐(うじ)虫入りのチーズ「カースマルツゥ」を郷旅する傾向が日本にはあるが、これも自然との対話の中に生まれたものであることを忘れてはならない。今では衛生面からという名目で販売することを禁止されているが、彼らは個人的に作ったものを、友人たちと分け合って食べるのを喜びとしている。外界とのつながりが少なかったため文化的影響を受けることがなく、ほとんどの料理の起源は古くかつ変化せずに原始的な姿を残したまま受け継がれている。忘れてならないのが、この島の重要な生業が羊を飼い、その乳でチーズを作る牧畜であるということだ。彼らのパン、パーネ・カラザウは、薄く携帯に便利で、長期間家を空ける羊飼いの生活から生まれたものである。サルデーニャの食文化を理解するためには、他のどの州よりも、その地の生活とそこから生まれる食材を知らなければならない。
Malloreddus マッロレッドゥス
別名ニョッケッティ・サルディ(サルデーニャの小さなニョッキ)と呼ばれる。ニョッキという名前ではあるが、これはれっきとしたパスタ。ニョッキの語源が「結び目」であることを考えるとその形状からついた名前だと思われる。サルデーニャ名マッロレッドゥスのマッロールは蛇の意味。マッロレッドゥスで小さな蛇となる。ソースを絡めるためにつけた筋が蛇を連想させるのかもしれない。サルデーニャを代表するパスタで、元来は、女性たちがひとつひとつ手作りしたものである。歯応えの良い生パスタの場合もあれば、保存のために乾燥させたものもある。
作り方
セモリナ粉、塩一つまみ、サフランを溶かしたぬるま湯で生地を作り、直径0.5cmほどの小さな棒状に延ばしてから、インゲン豆大に切り、型に押しつけて成型する。ソースは鍋にオリーヴ油、つぶしたニンニク、ちぎったサルスィッチャ、ホールトマトを入れて煮込んだもの。パスタをゆでてからソースとペコリーノで和える。
Impanadas インパナーダス
羊飼いは、羊を追って長い期間家を留守にすることがある。そのため保存ができ、台所設備がなくても美味しく食べられる料理が生まれた。代表的なのがパーネ・カラザウ、薄いクラッカーのようなパンである。軽く焚き火であぶればそれだけで美味しく食べられる。インパナーダスも、羊飼いの携帯食である。生地の中に入れる材料は、仔羊、鶏やウナギとアーティーチョークなどの野菜類など。蒸し焼きにするので、中の肉類はやわらかくなり、旨味が閉じ込められる。周りの生地をパン代わりにして食べれば、これだけで完成された一食となる。
作り方
小さな塊に切った仔羊肉と豚肉を入れて塩コショウし、イタリアパセリ、ニンニク、みじん切りにした乾燥トマト、サフラン一つまみを加え、よく混ぜ合わせる。セモリナ粉と水、塩で生地を作り、型に敷き詰めて、肉類を入れ、残りの生地で蓋をする。180度に熱したオーブンに約50分間入れる。
Porceddu ポルチェッドゥ
母乳しか飲んでいない仔豚は肉がピンク色でジューシー、しかも皮まで食べられる。この島のご馳走として太古からある料理である。本来は80センチほどの穴を提ってその中に火のついた炭を入れ、ミルトなど香りの高い葉で包んだ仔豚を入れ、また炭を置いて土をかけ、さらにその上で焚き火をして蒸し焼きにした料理。最高のもてなし料理として、大勢が集まる時には必ず出されるため需要もあり、市場に行くと数頭もの仔豚が並んで売られている。ミルトは和名ギンバイカ。葉に芳香があり、サルデーニャではどこでも見ることのできる木である。現代の
作り方
乳飲み仔豚を半身にして串を通し、焚き火から40〜50cmの所に突き刺して焼き始める。皮に色が付いたら串を回し始め、濃いキツネ色になるまで続ける。全面に塩コショウする。仔豚が焼きあがったらすぐにミルトの葉で覆い、そのまま食卓に持っていく時まで置いておく。厨房で作る場合は、半身にしたものをオーブンで焼き、ミルトで香りをつける。
参考資料 日本ソムリエ協会教本、隔月刊誌Sommelier
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