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【Wine ワイン】2018 Vintner's Reserve Cabernet Sauvignon

【Wine ワイン】2018 Vintner's Reserve Cabernet Sauvignon

カリフォルニアらしさと、エレガントさを備えるしっかりとしたカベルネ・ソーヴィニヨン

楽天
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■Producer (生産者)
⁃ Kendal-Jackson

■Country / Region (生産国 / 地域)
⁃ California / America

■Variety (葡萄品種)
⁃ Cabernet Sauvignon
⁃ Cabernet Flanc
⁃ Marbec
⁃ Petit Vedre

■Pairing (ペアリング) 
⁃ Steake 

California カリフォルニア州


■プロフィール
カリフォルニア州には、2018年現在、約5,200のワイナリーがあり、アメリカの総生産量の約80%を生産している。
太平洋岸のノース・コーストからセントラル・コーストにかけては、ナパ、ソノマを筆頭に高品質ワインの産地が集中しているが、年間生産量5,000ケース以下の小規模な生産者が多い。一方、 セントラル・ヴァレーで栽培されるブドウからは、世界的巨大ワインブランドの多くが造られている。
1970年代以降長らく、 温暖な地中海性気候から生まれる重厚なカベルネ・ソーヴィニヨンがカリフォルニアワインの筆頭とされてきたが、最近はよりソフトでエレガントなスタイル持ったワインや、冷涼な産地で生まれるピノ・ノワールやシャルドネの評価も高まり、多様性が認められてきている。



■歴史
20世紀以前
スペインは、フロリダ半島を含むメキシコ以南を植民地化していたが、18世紀後半から、フニペロ・セラ神父に率いられたフランシスコ修道会がメキシコから北上し、先住民族の改宗をすすめるために太平洋岸地域に21の伝道所を築いた。この時にもたらされたブドウはミッション種(Mission=修道会)と呼ばれ、伝道所からカリフォルニア各地に伝播した。ミッション種はDNA解析の結果、アルゼンチンのクリオージャ・チカ、チリのパイスと同一品種で、スペインのListan Prieto リスタン・プリエートに遡るとされる。
19世紀初頭、アラスカやカナダ周辺に毛皮貿易で進出していたロシアは、カリフォルニアに南し、ボデガ湾の北にフォート・ロス(ロシアの砦の意)と呼ばれる拠点を築いた。
ここがソノマ・カウンティで最初のブドウが植えられた場所である。ジェンナーから内陸へ続く川はロシアン・リヴァーと命名され、この周辺にロシア人が入植した。
1821年にメキシコはスペインから独立し、宣教師達はスペインへ引き揚げることを余儀なくされた。その後、 西部への勢力拡大をすすめるアメリカとメキシコの間で起こった戦争にアメリカが勝利し、カリフォルニア州が誕生した。

19世紀後半、西部はゴールド・ラッシュによる人口の急増で、ワインの需要も拡大する。ヨーロッパから多くの優良なブドウの苗が持ち込まれ、東部よりもブドウ栽培に適した気候の恩恵を受けて、ワイン産業は発展を遂げつっあったが、19世紀末にフィロキセラが発生し、またたくまに多くのブドウ畑を壊滅させた。その後、ラブルスカ系を台木にした接木苗が開発されて、ブドウ畑の再建が進んだ。

20世紀
1920年〜1933年まで禁酒法が施行された間、各家庭での自家消費用ワイン製造用のブドウや濃縮果汁がカリフォルニアでも大量に生産され、全国へ出荷された。禁酒法撤廃後、ワイン産業は復興し、第2次世界大戦でヨーロッパのワインが輸入できなくなると、カリフォルニア・ワインへの需要が増大した。禁酒法時代を生き抜いた一握りの生産者達は、ワイン・インスティテュートやカリフォルニア大学デイヴィス校と協働して、再び高品質ワイン造りを目指した。ボーリュー・ヴィンヤード(BV)のジョルジュ・ドゥ・ラトゥールは、フランスでのワイン醸造経験が豊富なロシア人醸造家、アンドレ・チェリチェフを雇い入れ、高品質ワインを生産した。チェリチェフは、有能なコンサルタントとしてボーリュー以外のワイナリーにも多くのアドバイスを与えた。近代カリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィは、カリフォルニアで世界的高品質ワインを造るという夢を実現するため、1966年にオークヴィルにワイナリーを設立し、高品質ワイン造りへの情熱と優れたマーケティング手法(ワイナリーツアーを実施したり、フランスから有名シェフを招聴してプロモーションを行ったりした)により、ワインに親しみのなかったアメリカの消費者の教育・啓蒙に努めた。1976年、パリで開催された比較ブラインド・テイスティングで、ナパのスタッグスリープ・ワインセラーズのカベルネ・ソーヴィニヨンと、同じくナパのシャトー・モンテレーナのシャルドネが、フランスの一流ワイナリーを抑えてそれぞれ1位となり、カリフォルニア・ワインを国際的に認知させた。

1978年にロバート・モンダヴィとボルドーのシャトー・ムートン・ロッチルドのフィリップ・ド・ロスチャイルド男爵による、初の新旧世界のジョイント・ヴェンチャー・ワインとして、ナパ・ヴァレーにオーパス・ワン・ワイナリーが誕生する。1980年代前半には、シャトー・ぺトリュス等を所有するクリスチャン・ムエックスも、ナパ・ヴァレーにドミナス・エステートを築いている。1983年にナパで発見された新種のフィロキセラ(バイオタイプB)に対しては、ヴィティス・ヴィニフェラとルぺストリスの交配台木であるAXR1に抵抗力がないことが分かり、多くの畑で植え替えを余儀なくされた。しかし、これにより、それぞれの畑のテロワールに、より適したブドウ品種、仕立て方、植密度等の再選択を行うことができたため、ワインの品質向上につながる側面もあった。



21世紀以降
2000年代に入ると、ロバート・パーカー等の影響でビッグな方向に振れがちだったワインのスタイルは、今度は反対方向に振り戻されていく。エレガント、ナチュラル、バランスが良い、料理に寄り添うといった、ヨーロッパ的なスタイルのワインを志向する生産者が増えていった。サンフランシスコ・クロニクル紙のワイン・エディターを長年務めたジョン・ボネが2013年に著した「The New California Wine」は、そのようなカリフォルニアワインの新しい潮流をとらえて注目を浴びた。その中でボネは、「カリフォルニア・ワインが、パーカー前、パーカー後に続く、第3世代に入った」と述べている。



[サステイナビリティの時代]
カリフォルニアの人々の健康や環境への意識の高さから、カリフォルニア州政府は1990年に全米に先駆けてオーガニック(生産加工流通)に関するガイドラインを制定し、オーガニック農産物の生産・加工・販売に関する認証制度の礎を築いてきた。現在アメリカ国内で販売されているオーガニック製品の売り上げの約40%をカリフォルニア州が占めている。2000年代に入ってからは、オーガニックから更に進んで、自然環境や地域社会、経済へのインパクトを含んだ、循環可能な農業生産方式としての「サステイナブル」が主流となりつつある。オーガニックでは、主に畑において農薬や化学肥料等の化学物質を極力使用しないことが主旨だが、サステイナブルでは主に下記のような要素が含まれる。


自然環境
*統合的病害虫防除:農薬を使用せずに、害虫を排除するため、有益な昆虫や害虫の天敵となる昆虫・鳥の棲息を促すことや、害虫をフェロモンによって混乱させ、繁殖ができないようにする方法(セクシャル・コンフュージョン)の使用。畑にカバー・クロップ(クローバーのような有益な草)や虫の嫌うハーブ等を植え、雑草が生えないようにする等。

*水資源の管理:畑とワイナリーで使用する水の削減と使用後の水のリサイクル

*省エネルギー:ソーラーパネル設置による太陽エネルギーの利用、風力エネルギー等の代替エネルギーの利用。ワイナリーの構造に耐熱壁材を取り入れる等。

*二酸化炭素排出量の削減。

*生態系の維持:ブドウ畑の周囲に野生地を残し、元々生息している動植物の生態系を維持する、又は復活させる。


社会的健全性
*従業員の健全な生活の維持:適切な労働時間、医療補助、トレーニング等の提供。

*社会貢献:地城社会の一員として、地元の経済活動や教育、福祉に寄与する。

経済的健全性
*ビジネスとしての継続性を重んじ、経営の健全性を維持する。

*従業員への適切な賃金の支払いや、取引先に対する支払いを含めた社会的責任を全うできるよう、健全な経営を行う。



[カリフォルニアにおけるサステイナブルの歴史]
ワインに関しては、2003年にカリフォルニア・ワイン・インスティテュート及びカリフォルニア・アソシエーション・オブ・ワイングレープ・グローワーズの協働により、カリフォルニア・サステイナブル・ワイン・グローイング・プログラム(SWP)が開発された。このプログラムは、「健全な環境」、「公正な社会貢献」、「経済的健全性」の3つの柱によって、健全なブドウ栽培とワイン造りが長期的に継続可能となり、ワインの品質が高められていくよう、ブドウ栽培者及びワイナリーにサステイナブルなブドウ栽培とワイン造りに関する教育を与えることを目的とした。また、カリフォルニア各地での、より地元に即したサステイナブル・プログラムと認証制度の開発を促すものでもあった。現在カリフォルニアで運用されている主なサステイナブル認証制度と取り組みは下記の通り:

*CCSW(Certified California Sustainable Wine growing)
SWPから発展して2010年にできた認証制度。2018年現在、カリフォルニアの全ブドウ畑の約24%に相当する約62,800haのブドウ畑と148のワイナリーがこの制度の下で認証されている。

*フィッシュ・フレンドリー・ファーミング(Fish Friendly Farming)
1999年にローレル・マーカスによって起案され、現在はカリフォルニア・ランド・スチュワードシップ・インスティテュートが運営する河川の水質保全を主眼とした認証制度。現在までに約60,000haが認証を受けている。

*ローダイルール(Lodi Rules)
セントラル・ヴァレーのローダイは、樹齢100年を超えるブドウ畑の存在でも知られる、長い歴史を持つブドウ栽培地区で、多くの大規模ワイナリーにブドウを供給している場所でもある。1990年代初期から、ブドウ畑の長期的健全性の維持と、そこで働く人々の健康を守るため、オーマート博士の主導により、持続可能な統合的ぶどう栽培への取り組みが始まり、2005年に正式なサステイナブル認証制度としてローダイ・ルールが制定された。カリフォルニアの中でも最も早い時期に制定されたサステイナブル認証制度で、ローダイからカリフォルニア州全体へ広がり、他州や海外のイスラエルでも採用されている。2017年現在約18.600haのブドウ畑と約30のワイナリーが認証されている。

* SIP(Sustainable in Progress)
2008年に、先ずモントレー・カウンティからサンタ・バーバラ・カウンティまでのブドウ畑を対象に制定されたサスティナブル認証制度で、現在カリフォルニア州とミシガン州の約17,600haの畑が認証されている。

*ソノマ・カウンティ・サスティナビリティ・プログラム(Sonoma County Sustainability Program)
2014年にソノマ・カウンティ・ワイン・グローワーズは、ソノマ・カウンティのブドウ畑は2019年までに100%サステイナブル認証を取得すると発表した。認証には上記の4つの認証制度のいずれかを使用し、ソノマ・カウンティ・ワイン・グローワーズが初年度の経費の一部を負担する。2018年現在、ブドウ畑の89%が認証を受けている。

*ナパ・グリーン(Napa Green Land / Napa Green Winery)
2000年代初期から制定されたナパ・ヴァレーの認証制度で、ブドウ畑を含む敷地全体に関する認証制度のNapa Green Landとワイナリーを対象とする認証制度のNapa Green Wineryに分けられている。元々ナパ川流域の水質保全を目的とした制度であるため、ブドウ畑の敷地が隣接する小川の水質や、岸辺の浸食防止も対象とするなどの特徴がある。現在ナパ・ヴァレー全体の60%に当たる10,522haと、80以上のワイナリーが認証されている。2020年までにNapa Valley Vintnersの全メンバーが認証を取得することを目標としている。



■文化
スペインからのキリスト教修道会による開拓とそれに続くメキシコ人による植民の歴史は、スペイン語の地名やミッション・スタイルと呼ばれる建築様式に今も色濃く残っている。カリフォルニア州は他州に比べると、メキシコ及び南米諸国や、中国、日本を含むアジア諸国からの移民が多い。特にカリフォルニア南部ではヒスパニック系住民の占める割合が高いことが、カリフォルニア文化の形成に大きな影響を与えている。



■経済
カリフォルニア州は、アメリカで最大の人口を持つ州である。2017年のカリフォルニア州内総生産額(GDP)は約2兆7千億ドルで、アメリカ合衆国のGDPの約15%に相当する。シリコン・ヴァレーを中心とするIT産業や、ハリウッド映画に象徴されるエンターテイメント産業を含むサービス産業が主要産業で、カリフォルニアの進取の精神を現している。広大なセントラルヴァレーを擁する農業や畜産業もカリフォルニアの主要産業である。2017年のカリフォルニアワインの国内小売金額は約352億ドル。輸出金額は15億ドルでアメリカの輸出全体の90%を占める。



■気候風土
太平洋岸にある海岸山脈は1,200m級で、これより160〜200km内陸に入った3,000〜4,000m級のシェラネヴァダ山脈も、太平洋とともにワイン産地の気候形成に影響を与えている。この起伏の多い地勢は、約1億5千万年から2千4百万年前にかけて起こった地殻変動により形成された。土地の隆起、火山の噴火、海面の上昇による洪水等が繰り返し起こったために、ローム質、火山灰堆積士、石灰土、粘土、砂礫等入り混じった多様な土壌が存在する。太平洋岸を北から南へ流れるカリフォルニア海流が水温の低い寒流である影響で、海に近いほど冷涼で、内陸に行くほど暑く乾燥した気候となる。海岸山脈とシェラネヴァダ山脈の間にある広大な農薬地帯であるセントラル・ヴァレーは、非常に乾燥していて、夏は気温が40℃に達する。太陽が照り出すと、温まった空気は上昇するため、底部に真空地番ができる。ここに、太平洋上で夜間に発生した大量の霧や冷たい空気が引っ張られて流れ込む。内陸ヘ川のように流れ込む霧は、非常に早い速度で流れ、200km以上も内陸の地点に到達して、自然のクーラーの役割を果たす。途中の山脈にぶつかって進路を変えたり、渓谷に沿って進んだりするので、太平洋岸から内陸部にかけては、海からの影響の大小により多様な微気候(マイクロ・クライメット)が生まれる。早朝からの霧の流入は、温暖な時期はほとんど毎日繰り返されるため、ブドウ生育期間中、朝から昼頃にかけての気温上昇は非常にゆっくりしたものとなり、タ方から夜間は急速に冷え込む。昼夜の気温差も大きいため、ブドウはゆっくりと成熟する。カリフォルニア大学デイヴィス校は、マイクロークライメットの研究を長年続け、様々な気候・風土に合ったブドウ品種の選定を行い、栽培法の改良を行ってきた。年間降水量は400〜600mmと平均的だが、雨は冬の間に集中して降り、成育期間はほとんど雨が降らないため、ブドウが理想的な成熟に達するまで待って収穫することができる。冬の間に降る雨を貯水する池やダムが建設され、灌漑に使用されている。



■地方料理と食材
広大なセントラル・ヴァレーでは多様な野菜、果物、ナッツ類が生産されている。牧畜も盛んで、肉やチーズの種類も豊富である。太平洋に面しているため、魚介類もふんだんにとれる。これらの豊富な食材に加え、文化の多様性がカリフォルニアの多様な食のスタイルを構成している。イタリアン、メキシカン、中華、最近では日本食も融合したカリフォルニア料理は多彩である。アメリカの中でも特に先進性の強い土地柄から、へルシーな食への志向も強く、オーガニック農産物やそれらを使った料理への関心も高い。アリス・ウォーターズが1970年代にバークレーにオープンしたレストラン「シェバニーズ」は、地元の有機農産物を使ったへルシーな料理が特徴で、カリフォルニア・クイジーヌの元祖とされる。1990年頃から、サンフランシスコを中心に、プレミアムワインをバイザグラス(グラス売り)でサービスするレストランが増え、ソムリエやワイン・ディレクターが考案するワイン・プログラムは、高品質ワインの消費拡大に貢献してきた。このトレンドはアメリカ全土に広がり、ワインに馴染みのなかった地域の消費者にも高品質ワインが浸透していった。高品質ワインの生産量が増えるに従い、洗練された料理を提供するレストランも増えている。ナパ・ヴァレーとソノマを合わせるとミシュランの星付きレストランが10軒(2019年)あり、ヨーントヴィルにある3つ星のフレンチ・ランドリーは、アメリカで最も予約がとれないレストランとして知られている。



■主要ブドウ品種

[白ブドウ]
シャルドネ、フレンチ・コロンバード、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ

[黒ブドウ]
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、ジンファンデル、ピノ・ノワール、シラー

*フレンチ・コロンバード:フランス、コニャック地方原産のコロンバードで、主に大量生産型の白ワインとスパークリングワインの原料となる。
*ジンファンデル:DNA解析の結果、イタリア南部プーリア州のPrimitivo プリミティーヴォと同一品種で、そのルーツはクロアチアの土着品種であるとされる。
* Petite Sirah プティ・シラー(プティットゥ・シラーとも発音される):アメリカ及び南米で、色が濃くタンニンの強いワインを造るブドウ。カリフォルニアでは昔からポートタイプの酒精強化ワインに使われていたが、近年はジンファンデル等にブレンドされることが多い。樹齢の高いブドウで単一品種の優良なワインを造る生産者もいる。以前は南フランス原産のデュリフだとされていたが、DNA鑑定の結果、プティ・シラーとされる古い畑の中には、初期移民による混植の名残で、デュリフの他、シラー、プルサン、プルサンとデュリフの交配品種も含まれていることが分かった。


[2018年カリフォルニア州主要ブドウ品種栽培面積]
出典:California Grape Acreage Report 2018(USDA National Agricultural Statistics Services)

[白ブドウ] 2018(ha)
Chardonnay シャルドネ 37,696 
French Colombard フレンチ・コロンバード 7,384 
Pinot Gris ピノ・グリ 6,851 
Sauvignon Blanc ソーヴィニヨン・ブラン 6,157 
Muscat of Alexandria マスカット・アレキサンドリア 1,878 
Chenin Blanc シュナン・ブラン 1,603 
White Riesling ホワイト・リースリング 1,799 
Muscat Blanc マスカット・ブラン 1,210 
Viognier ヴィオニエ 1,074
その他の品種 5,610
合計 71,263 

[黒ブドウ]  2018(ha)
Cabernet Sauvignon カベルネ・ソーヴィニヨン 37,734 
Pinot Noir ピノ・ノワール 18,952 
Zinfandel ジンファンデル 16,954 
Merlot メルロ 15,616 
Syrah シラー 6,436 
Rubired ルビーレッド 4,858 
Petite Sirah プティ・シラー 4,690 
Barbera バルベーラ 2,001 
Ruby Cabernet ルビー・カベルネ 1,760 
Grenache グルナッシュ 1,738 
Malbec マルベック 1,528 
Cabernet Franc カベルネ・フラン 1,430 
Petit Verdot プティ・ヴェルド 1,397
その他の品種 7,616
合計 122,711 
白ブドウ+黒ブドウ合計 193,974


■ワイン生産量(2018年)
ブドウ栽培面積:193,974ha
ブドウ破砕量:4,280,000t
ワイン生産量:27,115,252hℓ(米国財務省2017年データ)



[カリフォルニア州のワイン産出カウンティ]

■North Coast ノース・コースト
⁃ Mendocino メンドシーノ
⁃ Sonoma ソノマ
⁃ Napa ナパ
⁃ Solano ソラノ
⁃ Lake レイク
⁃ Marin マリン

■Central Coast セントラル・コースト
⁃ Contra Costa コントラ・コスタ
⁃ Alameda アラメダ
⁃ San Francisco サン・フランシスコ
⁃ San Mateo サン・マテオ
⁃ Santa Clara サンタ・クララ
⁃ Santa Cruz サンタ・クルーズ
⁃ San Benito サン・ベニート
⁃ Monterey モントレー
⁃ San Luis Obispo サン・ルイス・オビスポ
⁃ Santa Barbara サンタ・バーバラ

■Sierra Foothills シエラ・フットヒルズ
⁃ Yuba ユバ
⁃ Nevada ネヴァダ
⁃ Placer プレイサー
⁃ EI Dorado エルドラード
⁃ Amador アマドア
⁃ Calaveras カラヴェラス
⁃ Tuolumne トゥオルミ
⁃ Mariposa マリボサ

■Central Valley セントラル・ヴァレー
⁃ Yolo ヨーロー
⁃ Sacramento サクラメント
⁃ San Joaquin サン・ホアキン
⁃ Stanislaus スタニスラウス
⁃ Merced マーセド
⁃ Madera マデーラ
⁃ Fresno フレズノ
⁃ Tulare トゥラーレ
⁃ Kings キングス
⁃ Kern カーン

■South Coast サウス・コースト
⁃ San Bernardino サン・バーナーディーノ
⁃ Riverside リヴァーサイド
⁃ San Diego サン・ディエゴ
⁃ Los Angeles ロサンゼルズ
⁃ Orange オレンジ

■その他
⁃ Siskiyou シスキュー 
⁃ Shasta シャスタ
⁃ Tehama テハマ
⁃ Trinityトリニティ
⁃ Humboldt フンボルト
⁃ Ventura ヴェンチュラ



■ノース・コースト North Coast AVA
ノース・コーストAVAは、サンフランシスコ湾より北の太平洋岸のナパ、ソノマ、メンドシーノ等のカウンティを内包する広域のAVAで、下記の主要AVAを含む。


■ナパ・カウンティNapa County
ナパ・カウンティのほとんどの部分は、ナパ・ヴァレーAVAに含まれる。

ナパ・ヴァレー Napa Valley AVA
サンフランシスコからナパ・ヴァレー南端のカーネロス地区までは、車で約1時間の距離にあり、ヴァレー中央部を北へ走るルート29や、並行してヴァカ山脈よりを走るシルヴァラード・トレイルを中心に、約480のワイナリーが存在する。傑出した品質のカベルネ・ソーヴィニヨンは、世界的にも高い評価を受けているが、生産量はカリフォルニア全体の約4%となっている。ほとんどのワイナリーがビジター向けのワイナリー・ツアーを実施し、テイスティングができるショップやレストランを併設している。ワインと美食のレストランや豪華なリゾートホテルも多く、年間を通じて国内外から多くの観光客が訪れることが、ワインの品質の高さとともに、ナパ・ヴァレーをアメリカで最も著名な銘醸ワイン産地としている。
ブドウ栽培面積は、約18,400ha。
主要品種のカベルネ・ソーヴィニヨンが、栽培面積の約50%を占め、その他シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロ、ソーヴィニヨン・ブラン等からも高品質ワインが造られている。西側のソノマ・カウンティとの間にはマヤカマス山脈があり、東側のソラノ・カウンティとの境界線にはヴァカ山脈がある。東、西、北を山脈に囲まれ、南側だけがサン・パブロ湾に向かって開けているため、南から吹き込んでくる冷たい海風と霧が与える影響の大小がナパ・ヴァレー内に多様なマイクロ・クライメットを形成する。ナパ・ヴァレーには、火山性土壌、海洋性土壌、堆積土壌等を含む30以上の異なった土壌体系が存在し、100種以上の土壌があるとされる。ヴァレー北部は火山性土壌が主体で、海に近いカーネロス周辺は海洋性堆積物を含む浅い粘土質土壌、ヴァレー中央部では粘土質や砂利質の混ざった沖積士を主体とする土壌となる。ナパ川の浸食によって両側の山脈から削り取られた様々な土壌も流れ込んでいるため、多様な土壌が存在し、隣接する区画でも土壌が異なることは珍しくない。ナパ・ヴァレーAVA内には現在16のサブリージョンがある。ナパ・ヴァレー南部のCarneros カーネロ スAVAが最も海からの影響が強く冷涼で、Coombsville クームズヴィル AVA、Oak Knoll District of Napa Valley オーク・ノール・ディストリクト・オブ・ナパ・ヴァレー AVA、Yountville ヨーントヴィル AVAあたりまでは海からの影響が強く比較的冷涼である。
クームズヴィルの東側のWild Horse Valley ワイルド・ホース・ヴァレー AVAは海から離れるが標高が高いため、適度に温暖となる。ナパ・ヴァレーを北へ向かうに従って海からの影響が弱まるので、気温は除々に上昇する。ヴァレー北部の夏の最高気温は、南部より約10℃高くなり、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、ソーヴィニヨン・ブランのように温暖な気候に適したブドウが栽培されている。温暖なナパ・ヴァレー中央部には、St. Helena セント・ヘレナ AVA、Rutherford ラザフォード AVA、Oakville オークヴィル AVAと、やや南東側のStags Leap District スタッグス・リープ・ディストリクト AVAがあり、歴史的なワイナリーやカルトワインの生産者が集中している。畑の多くはヴァレー・フロアと呼ばれる、昔川底だった比較的平坦な土地にあるが、東西の山脈に近付くと、一段高くなった段丘(ベンチ)や傾斜地(ヒルサイド)がある。従来はヴァレー中央部に評価の高い畑が集中していたが、より高品質なワインを目指す生産者は徐々に、標高の高い丘陵の斜面に畑を求める傾向にある。西側のマヤカマス山脈にあるMt. Veeder マウント・ヴィーダー AVAや東側のヴァカ山脈側にあるHowell Mountain ハウエル・マウンテン AVA、Atlas Peak アトラス・ピーク AVA等の山地の畑は、高い所では標高800mに達し、霧が流れる線より高い位置にあるため、冷涼ながら日照量が多い。ヴァレー・フロアよりも日中は比較的涼しく、水捌けも良い。ブドウの成熟はゆっくりすすむため、凝縮度の高いブドウが得られる。一般的には、ヴァカ山脈側では西向きの斜面に畑があることから、午後からの強い日射しを受けて、よりカ強いスタイルのワインとなる傾向があり、ー方、マヤカマス山脈側では東向きの斜面に畑があり、朝から午前中の穏やかな太陽を受けて、よりみずみずしいスタイルのワインとなる傾向がある。ナパ・ヴァレー北端のセント・ヘレナ山に近いCalistoga カリストガ AVAは、ソノマ側から入ってくる海風の影響がある程度あり、適度な降雨量もある。この地区に典型的な火山性土壌がワインに強いミネラル感を与えているといわれる。



(ヴァレー中央部のAVA)
カーネロス / ロス・カーネロス Carneros / Los Carneros AVA 
カーネロスはナパ・ヴァレーの南端にあり、最もサン・パブロ湾に近い。東半分はナパ・カウンティ、西半分はソノ・マカウンティに含まれる。標高は0m〜213m。常に冷涼な海風が吹き、夏でも最高気温は27℃位までしか上がらないため、シャルドネ、ピノ・ワールの評価が高い。高品質スパークリングワインの生産拠点でもあり、フランスのシャンパーニュハウスもここにワイナリーを築いている。土壌は粘土質主体で、堅い粘土の岩盤がある。全体的に表土が浅いため、収量が低くなる。

クームズヴィル Coombsville AVA
2011年に承認されたAVA。ナパの町の西側からヴァカ山脈の麓の斜面迄を含むエリア。標高は30m〜305m。海からの影響が比較的強いため、夏は日中の平均最高気温が他の地区と比べて5℃程度低くなる。ヴァカ山脈からの火山灰が堆積した層の上に、川の流れによる土砂が堆積した水捌けの良い土壌。山側の斜面は主にカベルネ・ソーヴィニヨン、南側の平地ではシラー、シャルドネ、ピノ・ノワールも栽培されている。Oak Knoll District of Napa Valley オーク・ノール・ディストリクト・オブ・ナパ・ヴァレーAVA 
サン・パブロ湾からヴァレーを北上する海風と霧は、オーク・ノール地区の北側にあるスタッグス・リープ・ディストリクトの背後の切り立った斜面に沿って北西へ進む。そのため、オーク・ノール地区まではヴァレー中央部の中でも海からの影響が強く、比較的涼しい。真夏の最高気温は33℃まで上がることもあるが、夜には10℃前後まで下がる。
標高は0m〜244m。北西部の土壌は小石混じりの火山性土壌で、南部、東部は、小石の混ざったシルト(粘土)質ローム土。カベルネ・ソーヴィニヨン主体。

ヨーントヴィル Yountville AVA 
温暖だが、海からの影響も比較的強いため、ヴァレー北部よりもやや涼しい。真夏の最高温度は33℃まで上がることもあるが、夜間との気温差は大きく13℃の開きがある。標高は6m〜61m。土壌は主に小石の混ざった粘土質ローム土と沖積士。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ主体。

スタッグス・リープ・ディストリクト Stags Leap District AVA
東側はアトラス・ピークを背後に控えるヴァカ山脈の裾野で、岩山の断崖がそそり立っている。日中の太陽を岩壁が幅射してブドウを熟させる。ヴァレー中央部よりもやや海に近いため、タ方からは涼風が吹いて急速に気温が下がるため酸も充実し、特に優良なカベルネ・ソーヴニヨンで知られる。標高は0m〜123m。平地は火山性で小石の混ざったローム質土壌。山の斜面は岩が多い。堅い粘土の岩盤がある。

オークヴィル Oakville AVA 
温暖だが夜間と早朝に出る霧の影響を強く受け、酸味のしっかりした高品質カベルネ・ソーヴィニヨンが生まれる。中央のヴァレー・フロアからヴァカ山緊側では約300m、マヤカマス山脈側では約150mまで標高が上がる。東側は特に午後の強い陽射しを浴びるため、より力強い味わいのワインとなる。標高は40m〜305m。西側は小石の混ざった堆積ローム質で、東へ行くほど火山性の重い土壌となる。栽培品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ、ソーヴィニヨン・ブラン等。

ラザフォード Rutherford AVA 
オークヴィルやスタッグス・リープ地区より、やや気温が高いが、夜間との気温差が大きく、水捌けの良い土壌から「ラザフォード・ダスト」(Dust =土壌)と表現される独特の風味が生まれる。ラザフォード・ベンチと呼ばれる西側の段丘は、強い西日があたらず、海から流れ込む午後の涼風の影響もあり、特に高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンが生まれる。標高は47m〜152m。西側の丘陵地の周辺は小石や砂の多い堆積士と沖積土。東側は火山性土壌が多い。カベルネ・ソーヴィニヨン主体。

セントヘレナ St. Helena 
西側の山に守られて霧や涼風の影響が薄れるため温暖。ヴァレーの北部は細く狭まり山腹斜面からの熱の照り返しがある。真夏の最高気温は35〜37℃に達することが多い。標高は46m〜145m。南西側は砂利や粘土を含む堆積土が主で、北東側は火山性土壌が多い。栽培品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ等。

カリストガ Calistoga 
ナパ・ヴァレーの北端に位置するカリストガは、サン・パブロ湾からの影響は少なく、夏場は日中の最高気温が38℃を超えることもある一方で、午後からタ方には西側の山脈の切れ目、チョークヒル・ギャップを通って到達する太平洋からの冷たい風の影響で6℃位まで落ち込む。標高は92m〜370m。火山性土壌主体で、山の斜面は岩石の多いローム層。ヴァレーの中心部は粘土やシルトを主体とする土壌。栽培品種は、カベルネ・ソーヴィニョン、ジンファンデル、シラー等。


(ヴァカ山脈側のAVA)
ワイルド・ホース・ヴァレー Wild Horse Valley AVA
ヴァカ山脈の南端に近い、標高259m〜650mの丘陵地の上にあり、独立したヴァレーを形成するエリア。サン・パプロ湾に近く、海からの影響が強いことと、標高が高いことにより、ナパ・ヴァレーの栽培地域の中で最も柔和な気候となる。火山性土壌で、玄武岩が多く、浅い赤土の表土。主な栽培品種は、カベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワール、シャルドネ等。

チャイルス・ヴァレー Chiles Valley AVA
ヴァレー中央部から北東側のヴァカ山脈の中にあり、高い峰に囲まれた独立したヴァレーを形成しているエリア。標高は182m〜366m。夏の日中は30℃を超えるが、タ方から夜は風が強く、周囲の峰からの冷気が集まるため、かなり冷え込み10℃を下回るため、ヴァレー中央部よりもブドウ生育期間が長くなる。土壌は主に海洋性シルトと粘土質の沖積土。栽培品種は、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨン主体。

アトラス・ピーク Atlas Peak 
ヴァカ山脈を構成する尾根の一つであるアトラス・ビークにあるAVAで、標高は232m〜806m。ブドウ畑は主に西向きの斜面にあるため、午後の強い日差しを受けるが、標高が高いため、夏の間は、ナパ・ヴァレーの平地よりも5〜8℃ほど気温が低く、降霧線より高い場所は、夏の気温が30℃より高くなることは稀。夜間は急速に気温が下がるが、昼夜の気温差は平地よりも小さい。土壌は火山性で、赤色の玄武岩が多く、表土は浅い。主な栽培品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ等。

ハウエル・マウンテン Howell Mountain AVA
東のヴァカ山脈でヴァレーの北端近くに位置する。標高は427m〜792m。海から離れていて、霧の流れる位置よりも高い場所にあるため、海の影響をほとんど受けない。平地に比べて、日中の気温は低めで、タ方はやや高めになる。乾燥度が高く、表土の浅い、痩せた水損けの良い斜面から凝縮したブドウが生まれる。火山性土壌で、多孔質の火山岩と、鉄分を含む赤い粘土が主体。栽培品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ主体。


(マヤカマス山脈側のAVA)
マウント・ヴィーダー Mount Veeder AVA 
西のマヤカマス山脈にあるAVAで、標高152m〜792m。ナパ・ヴァレー南端のカーネロス地区に降接し、サン・パブロ湾からの冷たい空気の影響を受ける。ブドウ畑のほとんどは霧の流れる線より高い位置にあり、ヴァレー・フロア(平地)よりも日中は比較的涼しく、夜間は比較的暖かい。真夏でも最高気温は30℃位で、ブドウ生育期が長い。斜度が30度に達する所もあるほど傾斜の強い畑が多く、非常に日照量が多く、水損けが良い。土壌は古代の海底が隆起した堆積土で、砂または砂混じりのローム質は水はけが良い。主な栽培品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ジンファンデル、シャルドネ等。

スプリング・マウンテン Spring Mountain AVA
ヴァレーの比較的北部で、マヤカマス山脈の東側斜面にある。標高は183m〜792m。ほとんどの畑は霧が流れるラインより上に位置し、ヴァレー・フロアに比べると夜は暖かく日中は涼しい。真夏の最高気温は通常29℃程度。土壌は主に堆積土で、風化した砂岩、頁岩等。非常に水捌けが良く、肥沃度は低い。主な栽培品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ等。

ダイアモンド・マウンテン・ディストリクト Diamond Mountain District AVA
ヴァレー北端で、マヤカマス山脈の一部を構成するダイアモンド・マウンテンの、傾斜の強い斜面を主体とするAVA。標高は130m〜530m。北西側の山脈の切れ目から太平洋の冷たい空気が入り込んでくるため、気候は穏やかで、谷床平地よりも最高気温は低く、最低気温は高い。成育期の気温は10℃から32℃。土壌は主に風化した火山性土壌で、、痩せていて、水捌けが良い。主な栽培品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネフラン等。


[ナパ・ヴァレーのワイン産地]
⁃ Chiles Valley チャイルス・ヴァレー
⁃ Howell Mountain ハウエル・マウンテン
⁃ Calistoga カリストガ
⁃ Diamond Mountain District ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクト
⁃ Spring Mountain District スプリング・マウンテン・ディストリクト
⁃ St.Helena セント・ヘレナ
⁃ Rutherford ラザフォード
⁃ Oakville オークヴィル
⁃ Stags Leap District スタッグス・リープ・ディストリクト
⁃ Yountville ヨーントヴィル
⁃ Oak Knoll District of Napa Valley オーク・ノール・ディストリクト・オブ・ナパ・ヴァレー
⁃ Mount Veeder マウント・ヴィーダー
⁃ Carneros / Los Carneros カーネロス/ロス・カーネロス
⁃ Atlas Peak アトラス・ピーク
⁃ Coombsville クームズヴィル
⁃ Wild Horse Valley ワイルド・ホース・ヴァレー


■ソノマ・カウンティSonoma County
東西83km、南北75kmの大きさはナパ・カウンティの2倍以上のエリアで、そこに大小のヴァレーや多くの丘陵地帯が広がる。ブドウ栽培面積は約24,000ha。多様な気候風土のもと60種以上のブドウが栽培され、550以上のワイナリーがある。平均気温は、サン・パブロ湾から北上するに従って、徐々に上がっていくが、西側の太平洋からの影響で緩和される。特に太平洋岸は海からの影響が強いため、非常に冷涼な気候となる。海岸山脈が途切れるペタルマ・ギャップ(峡谷)付近は内陸にも海風が吹き込むため、冷涼となる。冷涼な地区のシャルドネや、温暖な内陸部で栽培されるカベルネ・・ソーヴィニヨン、ジンファンデルは以前から高い評価を得ているが、太平洋側の最も冷涼な地区へ生産地域が拡大するにつれて、品質の高いピノ・ノワールにも注目が集まっている。ソノマ・カウンティには、Northern Sonoma ノーザン・ソノマ AVA、・Sonoma Valley ソノマ・ヴァレー AVA、Sonoma Coast ソノマ・コースト AVAの3つの広域AVAがある。ソノマの複雑な地勢のために、多くのAVAの周縁部は隣接するAVAと重複している。

ノーザン・ソノマ Northern Sonoma AVA 
ソノマ北東の内陸部を占める山地の多いエリア。温暖で乾燥しているため、高品質のカベルネ・ソーヴィニヨョンで知られる地域が多い。ロシアン・リヴァー・ヴァレー、アレキサンダー・ヴァレー、ドライ・クリーク・ヴァレー、ナイツ・ヴァレー、ロック・パイルの各AVA等を含む。ノーザン・ソノマのAVAが誕生したのは1990年だが、ソノマの中でも古い歴史を持つワイナリーが多く存在する。カリフォルニアの最大手ワイナリーであるE&Jガロ・ワイナリーが、1990年代からプレミアム・レンジのエステートワインを造る拠点を置いたのは、このエリアだった。

ロシアン・リヴァー・ヴァレー Russian River Valley AVA 
サンタ・ローサの町の西から北にかけて広がる地区。このAVAの西側にペタルマ・ギャップがあり、海からの冷たい空気が流れ込む。このため、ロシアン・リヴァー・ヴァレーは冷涼な気候で、他の地区よりもブドウ生育期間が長く、良い酸も維持することができる。ペタルマ・ギャップを通ってくる冷たい風は、ヴァレーに沿って東南のサンパブロ湾の方向へ進むので、ロシアン・リヴァーより北の産地には影響が少なく、かなり温暖になる。

グリーン・ヴァレー・オブ・ロシアン・リヴァー・ヴァレー Green Valley of Russian River Valley AVA
ペタルマ・ギャップの北側にある、小規模なグリーン・ヴァレーにある比較的新しいAVA。太平洋からの影響が強く、深い霧がたちこめる冷涼な気候で、ピノ・ノワールの栽培に適している。

チョーク・ヒル Chalk Hill AVA 
ロシアン・リヴァー・ヴァレーの北東部にあり、アレキサンダー・ヴァレーとナイツ・ヴァレーの間の標高約430mの尾根を含む。比較的温暖な気候と石灰質を含む白い火山灰土壌が他の地域と異なる特徴をワインに与えている。特にシャルドネとソーヴィニョン・ブランから高品質な白ワインが生まれる。

ロック・パイル Rockpile AVA 
ソノマ湖の西側からメンドシーノ・カウンティとの境界にかけての地区で、標高580mの温暖で日照に恵まれた斜面の畑から凝縮したフレーバーを持つ赤ワインが生まれる。カベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、プティ・シラー等が栽培されている。

アレキサンダー・ヴァレー Alexander Valley AVA 
マヤカマス山脈に近く温暖な気候。砂利質土壌を持つヴァレー底部は、ナパ・ヴァレーと並ぶ高品質カベルネ・ソーヴィニヨンの産地で、シャルドネも定評がある。斜面上部では、ジンファンデル、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンから複雑で凝縮した味わいのワインが生まれる。

ナイツ・ヴァレー Knights Valley AVA 
アレキサンダー・ヴァレーの東側で、マヤカマス山脈に入りこんでおり、ナパ・カウンティに近い。標高が高く、火山性の土壌から良質のカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネが生まれている。

ドライ・クリーク・ヴァレー Dry Creek Valley AVA
周囲を湖、ヴァレーや高い山に囲まれた複雑な地勢のため多様性を持った地区だが、全般的に温暖で、砂利質と粘土質の混ざった水はけのよい土壌から生まれる、凝縮したジンファンデルや、カベルネ・ソーヴィニヨン、ソーヴィニヨン・ブランが最も成功している。

ソノマ・ヴァレー Sonoma Valley AVA 
ソノマの南東部を占める広域AVAで、東のマヤカマス山脈と西のソノマ山脈の間にあるソノマ・ヴァレーを中心に、その周囲を取り囲むようにベネット・ヴァレー、ソノマ・マウンテン、ムーン・マウンテン・ディストリクト、ロス・カーネロスの各AVAがある。太平洋との間にソノマ山脈があるため、北部から中部にかけては太平洋からの影響がほとんどなく、温暖で乾燥した内陸性気候となり、南のロス・カーネロスに近づくほど冷涼な気候となる。セバスチャーニ、グレン・エレン、グンラック・ブンシュ等、カリフォルニアでも長い歴史を持つワイナリーが多く存在するエリア。

ソノマ・マウンテン Sonoma Mountain AVA 
ソノマ・ヴァレー西部にある小規模なAVAで、ソノマ・マウンテンの北側と東側の斜面だけを含む。標高130〜400mにかけて様々なマイクロ・クライメットがあり、日照に恵まれているため良質のカベルネ・ソーヴィニヨンが主体。ピノ・ワール、シャルドネ、シラーも優良なものができる。

カーネロス/ロス・カーネロス Carneros / Los Carneros AVA 
サン・パブロ湾に近く、冷たい海の影響を最も強く受けるカーネロスAVAの西半分はソノマ・カウンティ、東半分はナパ・カウンティに含まれる。冷涼な気候が生む良質なシャルドネやピノ・ノワールと、それを用いた高品質スパークリングワインがこの地の名声を築き、フランスのシャンパーニュハウスやカバの生産者もここにワイナリーを築いている。最近の傾向として、シラーやメルロ等も栽培されている。なだらかな丘陵地帯で、土壌内部は多様だが、浅い表土は粘土質が多く有機質に乏しいため、ブドウの樹勢は制限される。

ベネット・ヴァレー Bennett Valley AVA 
ソノマ中央部からやや南に寄った内陸部に位置するため、適度に海からの影響を受ける地区。火山性の粘土質土壌と、適度に温暖な気温による長いブドウ生育期から高品質なメルロが生まれる。

ムーン・マウンテン・ディストリクト Moon Mountain District AVA
ソノマの南端で、ナパとの境界のマヤカマス山脈の西側斜面にある畑は、標高120〜670mまで達し、標高の高い所ではジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨン等に適するが、南のサン・パブロ湾からの涼風の影響もあり、標高の低い所はかなり冷涼な気候になるため、ピノ・ノワールやシャルドネに適している。

ソノマ・コースト Sonoma Coast AVA 
太平洋岸のメンドシーノ・カウンティとの境界から南のマリン・カウンティとの境界線に沿ってサン・パブロ湾にかけてのエリアと、内陸のロシアン・リヴァー・ヴァレーの殆どを含む、ソノマで最大のAVAであり、多様性のある広城AVA。当然、この中には多くの異なった気候区分や地勢が存在するが、グリーン・ヴァレー、フォート・ロス・シーヴュー、ペタルマ・ギャップの各AVAのような、特に太平洋からの影響が大きく冷涼な気候となる地区が新しいAVAとして承認されている。現在注目されているのは、ウェスト・ソノマコースト地区で、太平洋岸の海岸線に沿って続く標高450mを超える尾根にプドウ畑が点々と存在する。標高の高さから、冷涼で昼夜の寒暖の差が大きく、水損けが良いとともに、フォッグ・ラインの上にあることから、豊富な日照量を享受できることで、非常にエレガントで凝縮度の高いワインが生まれる。ピノ・ノワールとシャルドネではすでに定評があるが、近年はシラーの評価も高まっている。この地区のテロワールは、広大なソノマ・コーストAVAの他の地区と大きく異なり、生まれるワインのタイプも異なることから、早ければ2019年中にも新しいAVAとして正式承認される見込みである。

フォート・ロス・シーヴュー Fort Ross-Seaview AVA 
2012年1月に新設されたAVA。太平洋岸の北部にあり、ウェスト・ソノ・マコーストの典型的なテロワールを持つ地区、太平洋岸の切り立った断崖絶壁の上のブドウ畑から長年ワインを造り続ける家族経営のワイナリー、ハーシュ、フラワーズ等がある。

ペタルマ・ギャップ Petaluma Gap AVA 
2018年1月に新設された、ソノマ・コーストAVAの南部からマリン・カウンティの一部を含むAVA。ペタルマ・ギャップ(峡谷)は海岸山脈が途切れている場所で、太平洋で発生する霧と冷たい海風が、ここから内陸側に流れ込み、サン・パブロ湾に向かって吹き抜ける。このため、ペタル・マギャップAVAでは特に冷たい風が吹き続けることが気候の大きな特徴となっており、ブドウの果皮が厚く、凝縮度の高いブドウから、高品質なピノ・ノワールやシャルドネの生産に適している。

[ソノマ・カウンティのワイン産地]
⁃ Carneros カーネロス
⁃ Moon Mountain ムーン・マウンテン
⁃ Sonoma Valley ソノマ・ヴァレー
⁃ Sonoma Mountain ソノマ・マウンテン
⁃ Bennett Valley ベネット・ヴァレー
⁃ Pine Mountain-Cloverdale Peak パイン・マウンテン・クローヴァーデール・ピーク
⁃ Alexander Valley アレキサンダー・ヴァレー
⁃ Knights Valley ナイツ・ヴァレー
⁃ Chalk Hill チョーク・ヒル
⁃ Dry Creek Valley ドライ・クリーク・ヴァレー
⁃ Rockpile ロック・パイル
⁃ Russian River Valley ロシアン・リヴァー・ヴァレー
⁃ Green Valley グリーン・ヴァレー
⁃ Sonoma Coast ソノマ・コースト
⁃ Fort Ross-Seaview フォート・ロス・シーヴュー
⁃ Northern Sonoma ノーザン・ソノマ
⁃ Fountain Grove ファウンテン・グローヴ
⁃ Petaluma Gap ペタルマ・ギャップ


■メンドシーノ・カウンティ Mendocino County 
メンドシーノ・カウンティは山地が多く、総面積の60%は森林に覆われている。初期のイタリア移民によって植樹されたレッド・ウッド(セコイア)の森がこの地域の特徴となっている。ノース・コーストで最も北にあることと、太平洋の影響が強いことから、沿岸部は特に冷涼な気候の地区が多い。カリフォルニアで最も早く1980年代から有機栽培に取り組んできたフェッツァー家の影響で、メンドシーノ・カウンティの全ブドウ栽培面積は約7,000haで、その約25%がオーガニック認証を受けている。カウンティの東側を流れるロシアン・リヴァー沿いの地域は太平洋からの影響が少なく、比較的温暖な気候。北東部の産地は、海からの影響がほとんど届かないため、大陸性気候で寒暖の差が大きい。

メンドシーノ Mendocino AVA
アンダーソン・ヴァレー、メンドシーノ・リッジ、レッドウッド・ヴァレー、マクドウェル・ヴァレー等、カウンティ南部の主要産地を含む広域のAVA。古くからあるジンファンデルやローヌ品種の畑が存在する。

アンダーソン・ヴァレー Anderson Valley AVA
海岸山脈をほぼ東西に貫いて流れるナヴァーロ川とその上流のアンダーソン川沿いにあるアンダーソン・ヴァレーAVAは、ナヴァーロ川が太平洋に注いでいるため、海からの冷たい風、霧や雲がヴァレーに流れ込み、この地をカリフォルニアで最も冷涼なブドウ栽培地の一つにしている。ピノ・ノワール、シャルドネの他、リースリング、ゲヴュルットラミネールといったアルザス品種が成功している。以前から高品質スパークリングワインの生産地としても知られており、近年はカリフォルニアの高品質ピノ・ノワール生産者の多くがこの地に進出している。

メンドシーノ・リッジ Mendocino Ridge AVA
霧がかかる位置よりも高い標高350m以上の尾根だけがこのAVAの対象となっている。山岳での栽培を得意とした初期のイタリア移民がジンファンデルを植え、現在も樹齢の高い畑から高品質ワインが生まれている。冷涼で日照量が多いため、近年はシャルドネとピノ・ノワールも成功している。



■セントラル・コースト Central Coast AVA
サンフランシスコ・カウンティ南部からロサンゼルスに近いサンタ・バーバラまでの南北約400km、東西約40kmにある10のカウンティを包括する広大なセントラル・コーストAVAが太平洋岸中部のほとんどを占める。沿岸部は冷涼な産地が多く、カリフォルニアの優良なピノ・ノワールやシャルドネの産地が集中している。内陸は乾燥して温暖な気候で、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ジンファンデル等の他、早い時期からシラー、グルナッシュ、ヴィオニエのようなローヌ系品種が栽培されてきた。セントラル・コーストの北部は、カリフォルニアの中でもブドウ栽培とワイン造りの長い歴史を持つ地域である。サンフランシスコ湾の南端から南へ広がるサンタ・クララ・ヴァレーでは、フランスからやってきたシャルル・ルフランが1852年に高品質ヨーロッパ産ブドウの栽培を開始し、カリフォルニアで最古のワイナリーとされるオールド・アルマデン・ワイナリーを建設した。このワイナリーに加わった、やはりフランス出身のポール・マッソンは、後に高品質ワインと瓶内2次発酵のスパークリングワインの生産で高い評価を得た。サンフランシスコ・ベイAVAの南側にはサンタ・クルーズ・マウンテンズ AVAがあるが、サンタ・クルーズ・マウンテンズは標高の高い地勢条件が特殊なため、セントラル・コーストAVAには含まれず、独立したAVAとして位置付けられている。セントラル・コーストにあるAVAは、いくつかのカウンティにまたがっているAVAが多いため、下記の産地説明は、必ずしもカウンティ単位にはなっていない。

サンタ・クルーズ・マウンテンズ Santa Cruz Mountains AVA(セントラル・コーストAVAには含まれない)サンフランシスコの南にあるサンタ・クルーズ山脈を主体とする比較的広範囲なAVA。森林の多い山地の中に点在する畑は低い所で標高120m、高い所は800mにも達し、眼下にはサンタ・クララ・ヴァレーと太平洋を見下ろす。粘板岩や石灰岩を含む土壌から、カベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルとともに、ピノ・ノワールとシャルドネもカリフォルニアを代表する高品質なワインが生み出されている。カリフォルニアワインのパイオニアの多くが、この地区で霧のかかる位置より標高が高く、冷涼ながら日照量の豊富な場所を選んでワイナリーを興した。

リヴァモア・ヴァレー  Livermore Valley AVA 
オークランド南東の丘陵地にあるAVAで、比較的温暖な気候がソーヴィニヨン・ブランやカベルネ・ソーヴィニヨンに適している。19世紀にフランスからこの地にもたらされたソーヴィニヨン・ブランやシャルドネの苗木から、カリフォルニアで初のヴァラエタル・ワインが生まれ、これらの苗木の子孫は、優良なクローンとして、カリフォルニアの多くの地域で栽培されている。特に、シャルドネのウェンテ・クローンは、現在カリフォルニアで栽培されている全シャルドネの90%以上がこのクローンから派生したものとされる。


■サン・ベニート・カウンティ San Benito County 
マウント・ハーラン Mount Harlan AVA 
カリフォルニアにおけるピノ・ノワールのパイオニアの一人であるジョシュ・ジェンセンは、ブルゴーニュでワイン造りを学んで帰国し、ブルゴーニュと同じ石灰岩土壌を2年間探し続けた結果、1974年にガヴィラン山脈のマウント・ハーランにそれを見い出し、カレラを創設した。標高670mに至る畑は、非常に乾燥していて、海風の影響で冷涼だが、霧の上に出ているため日照に恵まれている。このAVAにあるワイナリーはカレラのみである。


■モントレー・カウンティ Monterey County 
モントレー Monterey AVA 
風光明婿なカーメルやペブル・ビーチで知られるモントレーからサリーナス・ヴァレーまでを含む広大なAVA。太平洋に大きく開いたモントレー湾周辺には海からの影響を進る丘陵がないため、東南に向かってキングシティまで続く広大なサリーナス・ヴァレーには、太平洋の冷たい空気や霧が大量に流れ込む。また、雨量が非常に少なく乾燥しているため、ブドウの生育期間はカリフォルニアの他の地区より約2週間も長くなる。主要ブドウ品種はシャルドネで、北部ではピノ・ノワールやシラー、南部ではカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ等も栽培されている。

サンタ・ルチア・ハイランズ Santa Lucia Highlands AVA 
サリーナス・ヴァレーの南西側にあるサンタ・ルチア山脈中腹の台地にあるAVA。冷涼だが、標高が高く日照に恵まれた畑からは高品質のシャルドネやピノ・ノワールが生まれている。ここには、ピゾーニ、ロセッラ、フランチョーニ等、著名なグローワーによる単一畑も多く存在する。

シャローン Chalone AVA
ガヴィラン山脈のシャローン峰に近い、約600mの斜面に最初のブドウが植えられた。石灰岩質を主体とする土壌で、ほとんどの時間霧の上に出ているため昼夜の温度差の大きく乾燥した気候から、ミネラルの凝縮したワインが生まれる。このテロワールに惚れ込んだディック・グラフは、ここにあったワイナリーを買い取り、1966年からシャローン・ヴィンヤードとしてワインを造った。このAVAにあるワイナリーは現在もシャローン・ヴィンヤード(現在はディマジオ社の所有)のみである。


■サン・ルイス・オビスポ・カウンティSan Luis Obispo County 
パソ・ロブレス Paso Robles AVA 
サン・ルイス・オビスポ・カウンティの北半分を占める大きなAVAで、この中に11のサブリージョンが認定されている。1797年にフランシスコ修道会によって最初のブドウが植えられたが、近代に本格的なワインブドウの栽培が始まったのは1960年代から1970年代だった。大小のブドウ園やワイナリーが設立され、中には生産規模の大きな企業も現れた。西側に山脈があるため、海の影響は造られ、日中は日照量が多く温暖で、夜は急激に気温が下がる。カベルネ・ソーヴィニヨンが最も多いが、ジンファンデルとローヌ系の品種が成功している地域としても知られる。シャトード・ボーカステルのシャトー・ヌフ・デュ・パープで知られるペラン家は1987年にアメリカのパートナーとともにパソ・ロプレスの北西部にタブラス・クリークを設立した。ペラン家はローヌからブドウ苗(TCVクローンと呼ばれる)を輸入し、他の生産者にも提供したため、ローヌ品種全般の品質向上に貢献した。

エドナヴァレー Edna Valley AVA 
サンタルチア山脈の西側にあり、太平洋に向かって大きく開けたヴァレーであるため、冷たい空気が大量に流れ込み、非常に冷涼な気候になる。高品質なシャルドネとピノ・ノワールが産出されている。

アローヨ・グランデ・ヴァレー Arroyo Grande Valley AVA 
エドナヴァレーの東側に隣接するAVA。霧より標高の高い畑は日照量が多くカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデルに適し、それより低い場所は非常に冷涼になるため、ピノ・ノワールとシャルドネに適している。


■サンタ・バーバラ・カウンティ Santa Barbara County 
サンタバーバラカウンティはセントラルコーストの一番南にあり、西から南が太平洋に向って開けているため、海からの冷たい風や霧が大量に流れ込む。サンタバーバラの南側では、北から流れてきた寒流と南カリフォルニアから上がってくる暖流がぶつかるため、特に大量の霧が発生する。

サンタ・マリア・ヴァレー Santa Maria Valley AVA 
サンタ・バーバラ・カウンティの北西側にあり、太平洋から続く平坦で広大なエリアを含むサンタ・マリア・ヴァレーは、非常に風が強く冷涼な気候で、カリフォルニアで最も高品質なピノ・ノワールやシャルドネの産地の一つとして知られる。土壌は砂質ロームや粘土質ローム。ピノ・ノワールの伝道師と呼ばれるジム・クレンデネンは、1982年にオー・ボン・クリマを設立し、ブルゴーニュスタイルを追求したワイン造りでサンタ・マリア・ヴァレーを世界のワイン地図に載せた。

サンタ・イネズ・ヴァレー Santa Ynez Valley AVA
東西に長いヴァレーで、両端で気候が大きく異なるため、4つのサブ・リージョンがある。西部のサンタ・リタ・ヒルズAVAは、最も太平洋に近く、冷涼な気候と石灰質を含む土壌から、特に高品質なシャルドネとピノ・ノワールが生まれる。中央部から東部では海の影響が少なくより温暖となるので、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、シラー等が栽培されている。


[セントラルコーストのワイン産地]
⁃ San Francisco County サンフランシスコ・カウンティ
⁃ San Francisco Bay AVA サンフランシスコ・ベイ
⁃ San Mateo County サン・マテオ・カウンティ
⁃ Santa Cruz County サンタ・クルーズ・カウンティ
⁃ Santa Cruz Mountains AVA サンタ・クルーズ・マウンテンズ
⁃ Contra Costa County コントラ・コスタ・カウンティ
⁃ Alameda County アラメダ・カウンティ
⁃ Livermore Valley AVA リヴァモア・ヴァレー
⁃ Santa Clara County サンタ・クララ・カウンティ
⁃ San Benito County サン・ベニート・カウンティ
⁃ Mt. Harlan AVA マウント・ハーラン
⁃ Monterey County モントレー・カウンティ
⁃ Chalone AVA シャローン
⁃ Monterey AVA モントレー
⁃ Santa Lucia Highlands AVA サンタ・ルチア・ハイランズ
⁃ Arroyo Seco AVA アロヨ・セコ
⁃ San Luis Obispo County サン・ルイス・オビスポ・カウンティ
⁃ Paso Robles AVA パソ・ロブレス
⁃ Edna Valley AVA エドナ・ヴァレー
⁃ Arroyo Grande Valley AVA アローヨ・グランデ・ヴァレー
⁃ Santa Barbara County サンタ・バーバラ・カウンティ
⁃ Santa Maria Valley AVA サンタ・マリア・ヴァレー
⁃ Santa Ynez Valley AVA サンタ・イネズ・ヴァレー



■シエラ・フットヒルズSierra Foothills AVA
シエラ・フット・ヒルズは、シェラ・ネヴァダ山脈の西側の山驚に点在するブドウ畑の総称で、北はユバから南はマリボザまでの8つのカウンティにわたる広域のAVA。標高1,200mに達するブドウ栽培地区は、非常に冷涼な気候の場所もある。ここは、1840年代から50年代のゴールドラッシュの舞台となったエリアで、その当時にブドウ栽培が始まった。その後、19世紀末のフィロキセラ禍によってほとんどのブドウ畑は打ち捨てられたが、ジンファンデルの畑のいくらかは生き残り、100年を超える樹齢のブドウから凝縮した味わいのワインが生まれる。シエラ・フット・ヒルズ内に含まれるAVAは、全ての地区でジンファンデルが代表的なブドウ品種となっている。

カリフォルニア・シェナンドア・ヴァレー California Shenandoah Vally AVA
アマドア・カウンティにある、シエラ・フット・ヒルズ内で最も歴史の長いワイナリーが集まっている地区。日照に恵まれた樹齢の高い畑が多く、非常に深みのある味わいのジンファンデルで知られる。



■セントラル・ヴァレー Central Valley
セントラル・ヴァレーは、海岸山脈とシェラネヴァダ山脈の間にある、肥沃で広大な農業地帯(ワインのAVAではない)。ここでは、柑橘類をはじめとする、果実、野菜、ナッツ、縮花等、あらゆる農産物が栽培されていて、膨大な面積のブドウ畑もある。干しブドウや生食用ブドウの生産も多い。セントラル・ヴァレーの北部はサクラメント・ヴァレー、南部はサン・ホアキン・ヴァレーからなり、ここからカリフォルニアの日常消費用大型ブランドワインのほとんどが産出されるが、それらのほとんどは“カリフォルニア "という州名表示のワインとなる。南部のサン・ホアキン・ヴァレーは、ストックトン周辺からベイカーズ・フィールドまでの南北約350km、東西約80kmにわたるエリアで、肥沃な土壌と、厳しい日照のために、ブドウの収量は高く、機械化されたブドウ栽培管理と、近代的な醸造方法を駆使するワイナリーにより、クリーンでフルーティな味わいと安定した品質を持つ、世界的な大型プランドのワインが生産されている。
サンフランシスコ湾と内陸のサクラメントの間には、サクラメント・デルタと呼ばれる低地帯がある。その一番は、海岸山脈が途切れているため、海からの冷たい風がサクラメント・ヴァレーに流れ込み、セントラル・ヴァレーの他の地城より、かなり穏やかな気候となる。この地域では、手頃な価格ながら充実した品質のワインが生まれるため、ローダイを始め、いくつかのAVAが認定されている。

ローダイ Lodi AVA
サンフランシスコ湾とシェラネヴァダ山脈の間に位置する広大なローダイAVAの中には多様な地域が存在するため、7つのサブAVAが認定されている。ローダイAVAの位置は、サンフランシスコ湾の西にあるが、湾に吹き込む冷たい海風は、北側に続くサン・パプロ湾に向かい、カルキネス海峡からサクラメント・サンホアキン・デルタを超えてローダイに到達する。このため、ローダイの西側を占めるマカロミー・リヴァーAVAは、涼やかな海風が吹く穏やかな地中海性気候となる。積算温度はナパ・ヴァレー中部に近いが、昼夜の寒暖差はそれほど大きくなく、より穏やかな酸と豊かな果実味を持ったワインが生まれる。このAVAにあるローダイの町の周辺は細かい砂質ローム土壌で、フィロキセラが生息できないことから、100年を超える株仕立てによる自根の畑にはジンファンデルの他にアルバリーニョやサンソーも存在し、ドライ・ファーミング(灌漑を行わない農法)で栽培されているものも多い。これらのブドウ生産者のなかには、禁酒法時代にも自家用ワイン製造向けのブドウを東海岸等に出荷することで生き長らえた者もあり、ブドウ栽培の長い歴史と伝統を持つブドウ栽培農家が多く存在するのがローダイの特徴である。ローダイAVAの東部は、シェラネヴァダ山脈に向かって標高が高くなり、山脈から流れ出たミネラルの多い粘土ローム質土壌から優良な赤ワインが造られている。ローダイは長年、優良な赤ワインの産地として知られてきたが、近年は白ワインの生産も増え、赤が3分の2、自が3分の1を占めるまでになっている。多様なブドウ品種が栽培されており、近年では、乾燥した気候に適するスペイン、ボルトガル、ローヌ系の品種も増えている。主要ブドウ品種は、黒ブドウではカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、メルロ。ジンファンデルは歴史的にもローダイを代表するブドウ品種であり、ローダイのあるサクラメント・カウンティとサンホアキン・カウンティのジンファンデル破砕量は、カリフォルニア全体のジンファンデル破砕量の40%を占める。白ブドウはシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランが従来からの主要品種だったが、現在ではアルバリーニョが最もトレンディかつ高品質なワインとして注目を集めており、栽培面積でもシャルドネを超えた。ローダイではブドウ栽培農家が多いことから、特にサステイナブル農法に関する取り組みを早くから実施しており、ローダイワイングレープ・コミッションが1992年に始めたサステイナブル農法に関する教育プログラムは、カリフォルニア州内外で取り入れられ、2005年にはLODI RULE ローダイ・ルールとして正式な認証制度として制定された。カリフォルニア州及びその他のいくつかの州と、海外ではイスラエルでも採用されており、2017年現在約18,600haのブドウ畑と約30のワイナリーが認証されている。ローダイの栽培農家は、大手ブランドを含む他のワイナリーにブドウを販売することが多かったが、現在は高品質ワイン生産者がローダイのブドウに注目しており、自らワインを造る栽培農家も増え、品質も大きく向上していることから、ローダイAVAへの注目が高まっている。



■サウス・コースト South Coast AVA
カリフォルニア州南部のロサンゼルス・カウンティから南を包括する広域のAVA。レインボー峡谷を通って入ってくる冷たい空気の影響を受けるテメキュラ周辺を除いては、非常に暑く乾燥している。この地域はメキシコ国境に隣接し、北部カリフォルニアより長いワイン造りの歴史を持つが、現在では農業地の市街化と長期的早慰による水不足が脅威となっている。主要ブドウ品種は、白はシャルドネ、ピノ・グリ等、赤はカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、テンプラニーリョ等。

テメキュラ・ヴァレー Temecula Valley AVA
サンディエゴとロサンゼルスの間に位置するテメキュラ・ヴァレーは、日中は日照量が多く非常に温暖で、夜間は周囲の山から吹き下ろす風で気温が下がる。レインボー・ギャップを通ってくる海風の影響で適度な湿度もある。ピアス病でかなりのブドウ畑が被害を受けたが、植え替えを余儀なくされたことにより、よりこの地の気候に適した、高品質ワイン用ブドウ品種が栽培されるようになった。

参考資料 日本ソムリエ協会教本、隔月刊誌Sommelier  
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