重慶飯店麻布賓館での会食 〜ヒエラルキーの媚薬〜
こんにちは。
会食後のひとこと
大変お世話になっている出版社ディスカヴァー21の干場社長と会食した後のことです。
後日SNSに会食の写真とともに上がっていたコメントの中で印象深く、どうしてもココロに引っかかる一言が掲載されていたので、それについて考えてみました。
原文はこちら。
文面全体が印象に残るのではないでしょうか。僕が40代男性であるから印象に残ったというだけではないと思います。
キャリアの相当はやい段階から社長および編集者として出版社を率いてきた干場さんならではの表現だと感じました。
その中でも「ヒエラルキーの媚薬」という表現についていろいろ思うところがありました。
ヒエラルキーの媚薬とは
「ヒエラルキーの媚薬」とは僕は次のように解釈します。
すなわち、簡単に言えば出世欲。
もう少し具体的に言えば、組織の中で生き抜き上にあがるために、仕事を一生懸命して、与えられた目標を達成しつつ、周りの比較対象となる人たちよりも少しでも高い評価(必ずしも成果とは限らない)をあげるための努力を最優先にすること、だと解釈しました。
そしてその後「罠」という表現を使われていることから、どちらかというとネガティブな文脈でとらえられている事も見て取れます。この媚薬にはまりすぎると結果的に身を滅ぼしかねないという意味で。
干場さんのキャリアを通じて見てきた、同世代の男性たちが通ってきた実例をもとに仰っているわけなので、説得力はあります。
キャリアにおける40代の意味
確かに40代は、職業人生の一つの分かれ目なのかもしれません。
例えば、一般的な転職は40歳を境に状況が変わってきます。ポテンシャル採用は当然ですが一切無くなります。
今所属している会社によっては、大企業プレミアムがついてしまい、同じ給料だと求められるものがあまりに高くなることも多いでしょう。
40になるまで転職を経験しないで同じ会社にいると、その先も同じ会社グループに居続けることを選択した、という事にもなるわけです。
また、体力面でも無理が利かなくなります。20代のように自分が動けば何とかなるという責任範囲ではなくなるのと引き換えに、そもそも頑張りすぎると翌日に響くようになったりするのです。
一方で色んな事に目が向くようになり、動いた事に寄るインパクトもかなり大きなものになります。所属組織という器を通じて社会に及ぼす影響も大きくなるのです。
人に頼られることも多くなるでしょう。ちょっとした悩み相談は若い頃からあるかもしれませんが、ビジネスの提携話や新規ビジネスの相談、キャリア相談といった人の人生を左右しかねないことも増えてくるのです。
その意味では、この10年間の過ごし方如何によってその後の仕事人生がどの程度面白くなるかが決まってくるという事なのでしょうね。
その流れに、一刺ししてくれているのが先ほどの「ヒエラルキーの媚薬」です。
せっかくの重要で楽しい40代。そのなかで「ヒエラルキーの媚薬」の罠にはまってしまう、主に男性が多いと仰るのです。
「ヒエラルキーの媚薬」の誘惑に負けないとは
この言葉に対する、僕の解釈は冒頭述べた通りですが、現時点の自分自身に置き換えて考えると、幸か不幸かこの罠にははまっていません。
実際にはついこのあいだまでは、具体的に言えば前職の会社の途中までにいたる約10年くらいはこの媚薬の罠にはまっていました。
ですので、非常に社内評価に対して敏感になっていました。その弊害は至る所にありました。良い評価を取る事が最優先事項になるため、人の顔色をうかがったり、数字をよく見せるために動いたり。その間、今から思うと仕事が楽しくなかったように思います。そして結果的に巧く行きませんでした。
一方でその「ヒエラルキーの媚薬」から解放された今、少なくともやりたい仕事とやるべき仕事が一致しており、日々大変なことは多いのですが、不思議と楽しんでいる気がします。仕事の幅も広がり、いわゆるスキルやリーダーシップと言った側面でも日々成長実感があります。
これって不思議なもので、よく言われるように『人でもお金でもそのものを追いかけると逃げていってしまう。本来追いかけるものを追いかければ、結果的に人やお金がついてくる』というのは真実なのではないかとすら思います。
干場さんの本来の意図は、今度機会があったら伺ってみたいと思いますが、そんなことを連想させる名言でした。
皆さんはどう思われますか?
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