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向上心が強いのも……「英語のそこのところ」第118回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2016年9月29日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 わたしは、Native English Speakerといっしょにfootball観戦することがありますが、そんなところから、Native English Speakerもつらいのだなぁ、と感じたときのエピソードです。(著者)

拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。

 2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。

新展開 第4弾! 映画や小説の台詞を英語にして英語力を鍛える「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル10」発売中!

 English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト(全10巻)で、英文法を網羅しましたので、「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル7」以降では、様々なコンテンツの名言、名台詞を英語するより実践的なトレーニングをやっていきます。

映画などの日本語のセリフは、字幕作成者の素晴らしい努力のおかげで自然な日本語になっています。つまり、自然な日本語を英語にするときの最高のテキストなんです。

 この「ESM Practice 10」では、とスターウォーズでレイを演じたデイジー・リドリーのインタヴューとノッティングヒルの恋人たちのセリフを英語にすることにトライします。

画面越しでなく、素のあなたはどんな人?(from デイジー・リドリーのインタヴュー)
口が悪いわ。(from デイジー・リドリーのインタヴュー)
シュールだけど、素晴らしい。(from ノッティングヒルの恋人)
うちには防犯カメラがあるんだ。(from ノッティングヒルの恋人)
ズボンに本を隠しただろ。(from ノッティングヒルの恋人)
どんな本?What book? 君のズボンのなかの本。(from ノッティングヒルの恋人)

お愉しみに。

大好評! Kindle で一日500ページビュー 「English Sentence Maker」シリーズ

 English Sentence Maker は、あなたの感情や意見、思っていることを伝えるためにはどの時制や助動詞、文法事項を選ぶべきかがわかる実践英語・英会話力養成テキストです。

 著者の主宰する英会話スクール「英語・直観力」の企業向けテキストから、契約企業様向けの問題文などを差し替え、一般向けに手直ししました。

 7年間で100名以上のビジネスピープルを単独での海外出張や海外赴任ができるスキルを持った国際ビジネスピープルにした実績があります。

 ぜひ、この実績あるテキストを完全マスターしていただき、世界を相手にビックディールを成し遂げ、人生を愉しんでください。このテキストはその扉を開くカギになります。

 実践英語・英会話力養成テキストEnglish Sentence Maker は、3つの特色を持っています。

 ひとつ目は、能動的な学習だということ。
 English Sentence Maker は書き込み式のテキストです。各Lesson ごとの解説を読み、そのあとに掲載されている日本文をご自身のノートもしくはkindle のノートブックなどに英語にして書き入れてください。その際に、知らない単語は調べたりせずに、日本語のまま英語の文の位置においてください。そうすることで、知っている単語、知らない単語を区別し、身に着けるべき単語を浮かび上がらせることが出来ます。

 ふたつ目は、どの文法事項を使うかの判断基準を身に着けられるということ。
 小・中・高校と長い間英語を学ぶために、多くに人々は英語の現在形、過去形などの文法事項を知っています。しかし、残念ながら、その文法事項をどういう場合に使えばよいかという判断基準を身に着けていません。

 たとえば、ここ何ヶ月かフットボールに夢中になっているということを伝えたい場合に使うべき時制は、現在形でしょうか? それとも現在進行形でしょうか? 迷われると思います。
 この知ってはいるけれども使い方に迷ってしまう文法事項を使う判断基準を各Lesson ごとの解説でくわしく説明しています。それを理解することで、英語を使う際に十全にあなたの感情や意見、思っていることを伝えることが出来るようになります。

 みっつ目は、英語を英語で考えることが出来るようになるということ。
 English Sentence Maker は日本語を英語にしていくことで、英語を習得していくテキストです。しかも、どういうときに、どういうことを言いたいときに、どの文法事項を使えばよいかという判断基準が出来ていくために、日本語の文字面を英語に移していくのではなく、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを英語にするというスキルを身に着けることが出来ます。頭の中のイメージから英語を作ることが出来るということは、そこに日本語は介在しません。つまり、英語を英語で考えることが出来るようになるのです。

具体的には、

私は彼が来るだろうことを知っていた。

という日本語を英語にする際には、日本語の文字面を英語に移していくと、

I knew that he will come.

と、しがちです。「知っていた」なのでknew、「来るだろう」なのでwill comeというわけです。
 しかし、よく考えてください。「彼が来るだろう」というのは、「私が知っていた」過去の時点のことです。であれば、「彼が来るだろう」と書いてあっても、過去から見た未来のwould を使って、would come としなければなりません。日本語をその字面のまま英語にしてはいけないのです。しかし、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを、判断基準をもって英語にすることが出来れば、問題はなくなります。頭の中に時の流れのイメージがあるために、

I knew that he would come.

という英文が難なく作れるようになります。 英文作成力や速読力を付けたいと思っておられる方ぜひ、手に取ってみてください。必ず、英語・英会話が出来るようになります。

☆「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」および「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル」で使っている英文はすべて、Native English Speakerと協同で製作したものです。安心して、Native English Speakerの自然な英語を知り、習得してください。

【本文】

 暑さ寒さも彼岸までと昔の人は言ったものですが、最近はそうでもないですね。9月も終わろうとしているのにまだ30度近くまで気温が上がったりする。一体いつからこんなふうになって来たのかは正確には判りませんが、ゼロ年代ぐらいからのような気がしています。90年代、私が塾に勤めていた頃は10月には既にコートを引っ張り出していた記憶がある。

 なんでそんなことを憶えているかと言うと、私立の中学校・高校が「塾向けの学校説明会」という名目で10月ぐらいから銀座だの六本木だので接待をしてくれるんです。夜な夜な呑み歩きながら、買ったばっかりのY’s のコートをひらひらさせていた(バブルですいません)。
 ゼロ年代は英会話スクールのVice president になっちゃって、イベントや遊びでNative English Speakerと呑むことが多くなりましたが、10月にコートを着ていた記憶はありません。シャツか着ててもその上にジャケットで過ごしてた。
 そういう意味では、昼間は暑いけど夜はすごしやすい期間が増えたのかもしれませんね。呑兵衛にはいい時代かも(笑)

 そう言った、Native English Speakerと仕事が終わってから呑みに行くということはよくあったんですが、この時期に多かったのはフットボール観戦です。ただ観戦と言ってもスタディアムではなくてEnglish Pub に行って、ライヴの中継を見るというパターン。時差の関係でEngland のデイゲームだと日本の夜10時ごろから見られる。しかも開幕してすぐだから、どのチームのサポーターも夢を見ていい時期で、去年は二ケタ順位だったけど、今年はなんとかってわけで、応援にも力が入ります。

 それで、スタッフたちと新宿のEnglish Pub によく繰り出していたんですが、ある時Native English SpeakerとNative Japanese Speakerの差をまざまざと見せつけられたことがありました。

「オー! マイガ!」
 栗色のもじゃもじゃ頭のPeteが両手を頭に当てて、もじゃもじゃ頭をさらに掻き毟った。そのまま、テーブルに肘をついて下を向いてしまう。
「あぁあぁぁ」
「ふむ」
 とRichと徳田が首を振る。リバプール対マンチェスター・ユナイテッドの試合は0対3。たった今3点目が決まったところだ。もちろん、テーブルに沈み込みそうなほど頭を抱えているPeteは負けているリバプールサポーターだ。
「いま、何分?」
「75分だね。かなり厳しい」
 頭を抱えたままだったPeteががばっと起き上がった。
「まだ、まだ15分もあるじゃないか!」
「でも、4点取んなきゃ勝てないわよ。15分じゃぁ、無理じゃないの?」
 エールビールを片手に程よく酔っぱらっている玲子が非情なことを言った。だが、Peteが強く首を振る。
「いや、リバプールは奇跡のチー……」
 わぁっと歓声が上がる。
 Peteの言葉は最後まで聞こえない。
 4人の目がモニターに向くとユナイテッドのルーニーがとどめの4点目を決めたところだった。
 Peteの口があんぐりと開く。
 開いた口が塞がらないというのを本当に見ることになろうとは思わなかった。
「0:4かぁ。なかなかの惨劇だね」
「うん。目も当てられない」
 Richと徳田は比較的冷静だ。ふたりはどちらのチームのサポーターでもない。いい試合があるから一緒に行こうとPeteに誘われた口だ。
「もういいじゃない。Pete帰ろうよ」
 つまらなそうに玲子。
 勝って盛り上がれると思って来たのに、応援しようと思っていたチームが大惨敗では盛り上がりようがない。玲子にして見れば、負け試合を観せられてしかも盛り上がらないのではどうにも楽しいはずはなかった。
「ねぇ、Pete、また来れば? 負けは決まったんだしさぁ」
 反応がないPeteに玲子が追い打ちをかけてしまう。もういい加減、河岸を変えて呑み直したいのがありありと判った。
「いや、ダメだ。最後まで応援しなきゃ!」
「ええ、だってもう負けは決まってるよ。観ても仕方がなくない?」
「結果は決まったかもしれない。でも、僕のチームが闘ってるんだ。見捨てられないよ」
 Peteはそういうと親指の爪を噛んで貧乏ゆすりを始める。血走った目で残り10分ほどのゲームを睨みつける。
 玲子は困ったようにRichと徳田を見た。ふたりは首を振る。
「ふん」
 玲子はサムダウンして肩をすくめた。

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