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試される? 経る?「英語のそこのところ」第153回
【前書き】
今回、投稿するエッセイは7年前の2018年2月1日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
今日から東京の中学受験が始まりましたね。今回はUKとUSの教育制度からの話をしているうちに、彼らの自然観についてあることに気がついたお話です。(著者)
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英語なんて好きでもないし、得意でもない。ていうか、むしろ嫌い。でも、仕事で英語を教えなきゃならなくなった! さあ、こまったぞ、どうする?
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2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle とペーパバックで復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。
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この「ドリル24」では星新一の「おーい、でてこーい」と「きまぐれロボット」を題材に英文を作っていきます。英文を作ってみたあと、ぜひ「ぼっこちゃん」と「きまぐれロボット」を購入してください。名作ですよ。
「おーい、でてこーい」
彼は勢いよく石を投げ込んだ。
村人たちはちょっと心配したが、数千年は絶対に地上に害は出ないと説明され、また、利益の配分をもらうことで、なっとくした。(おーい、でてこーい)
これで、ゆっくり休みが楽しめる。手紙や書類は観なくてすむし、電話もかかってこない。まず、ビールでも呑むとするか。
これは、うまい。さすがは、優秀なロボットというだけのことはある。
しかし、二日ほどすると、様子が少しおかしくなってきた。ふいに、ロボットが動かなくなったのだ。(きまぐれロボット)
英語でどう言うのでしょうか?
このテキストを使えば、きっちり身に付きます。お試しください。
【本文】
2月の1日ですね。
このエッセイは木曜日の午前中に(初出2018年)発刊・配信してもらうことになっているので、もしかしたら寒い体育館や混雑しているカフェでこのファイルを開いている方もいるかもしれません。お疲れ様です。もう少し待てば終わりですよ、頑張ってください。
と、判らない人には判らない書き方をしてしまいましたが、これ、中学受験の話でして。
今日は東京の国立・私立中学の入試の解禁日なんです。解禁日ってことは当然トップクラスの国立・私立中学は今日試験を実施する。まぁ、同じ日に試験をやれば分身の術でも使わないと併願ができませんからね。うちこそが一番と思ってらっしゃる中学校、麻布・開成・武蔵、女子学院・雙葉・櫻蔭というビックネームがずらりと顔をそろえる。あとは進学校ではなく、大学の付属校もこの日に試験を実施したりします。ビックネームが大学受験を見据えて生徒を鍛え上げるのに対して、中学に入ってしまえば系列の上の大学に進学できる付属校は受験者の志向が違うんで、受験者層が被らない。なんで、同じ日に試験を実施する。よく考えてあるなぁっと思います。
こういう風に書いているとなんだか私が最初から「中学受験」なるものに詳しかったと思われるでしょうが、私は勉強した口です。大学を卒業して最初に就職したのが進学塾だったんです。初めは東京の受験のことがよく判ってなくて、進学塾というのは中学生・高校生を相手にするものなのかなと思っていた。で、研修が始まってみるとメインは小学生と中学生だって言うんで、なんじゃ、そりゃ? と思ったわけです、はい。
まぁ、大学の就職課に行って一番給料が高くて、出社時間が遅い求人票をみてそこに応募したんで、いい加減極まりないんですよ、私。
で、入社前の研修受けながらびっくり。
東京では私立・国立の中高一貫校がトップクラスなんですね。で、東大生の3人に1人がそういう学校出身なんだそうです。私なんか九州の田舎の高校出身なんで私立は公立よりもちょっと下という感覚が強くて、ところ変われば品変わるだなと思ったものでした。
そういう「中学受験」というのをメインにしている進学塾にとって、今日2月1日というのは「王国の興廃、この一戦に在り」(Ⓒネルソン提督)ってなもので、勝負の日。気合の入る一日でした。今でも前日の1月31日はちょっとそわそわしたりします。
「へぇ、日本の教育システムって、画一的なものだと思ってたけど、東京にはそういう道もあるんだね」
またぞろEnglish Pubでグラスを傾けながら、徳田はNative English speaker の友人、DidoとRichと呑んでいた。たまには居酒屋に行こうと提案するのだが、Native English speaker にとってはやはりキャッシュ・オン・デリヴァリィのEnglish Pub が気楽でいいらしい。
「そうだね。東京とか大阪とかの一部の場所だと思うけど、独自の教育を提供するPublic schools はあるよ」
徳田がRichにそういうと、脇から邪魔が入る。
「No, Private schools.」
Didoが赧い顔をして修正する、と途端に、
「Yes, Public schools.」
と、Richが再修正する。ふたりとも判ったうえでのじゃれ合いなのだ。私立学校のことをUSではPrivate schoolと呼び、UKではPublic schoolと呼ぶ。中高一貫校という意味で徳田はPublic schoolを使っていた。ちなみに、UKで私立学校をPublic schoolと呼ぶのは王の面前に出て、王家を支える者を養成する、公衆を支える人材を養成する学校という意味らしい。
「それはともかくとして、アメリカの教育制度ってどうなってんの?」
しつこく修正し合うふたりの間に入って徳田がDidoに訊いてみる。
UKとUSの教育制度に興味がある方は恐れ入りますが、購入をお願いします。
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