夢への一歩、里山作りの実習始めました ~1日で学んだ質・量共に半端ない
小学校の頃から地球の自然環境に貢献するのにどうすればいいか考えていた。高度経済成長期に育ち、公害が問題となり、石油ショック等を経験して、問題意識を子どもなりに持っていたのだろう。
人工林ではない自然の山の近くに住んでいたので、野山とその生きものたちと図鑑が私の先生だったこともある。
通信の仕事で「人と人を臨場感でつなぐ」ことを目標に30年近くやって、当初目指していたところまで「技術的」には出来た感があり、コロナが通信利用を一気に加速化してくれた中、次のステップを色々考えると原点に戻ってきた。地球温暖化・SDGsがクローズアップされる前から、「里山」が人の暮らしとして理想ではないかと思っていて、それが科学的にも正しいことが今理解出来てきた。
なかなか思ったことを行動に移せない自分の質(たち)ではあるが、今回は早かった。色々な事がシンクロした感があり、とにかく飛び込んでみたら、たった1日で身に染みる勉強になること多数。
そして、簡単に「里山を作るのが夢」と言えないぐらいそれが難しいことを体感したので記す。
散歩で見つけた里山化への活動
日が短くなってから朝に在宅勤務対策の運動をするようになり、近くの市民の森をウォーキングしていたら、里山(雑木林)の説明をする掲示板を見つけた。
「雑木林」と書いてあるが「管理作業サイクル」と書かれている通り、これは意図的に「里山」にするための工程だ。
間伐して萌芽させ、下草を刈り、生きものを増やす。このサイクルを10年~15年でやるという。
里山作りの夢のために、どこか遠くの森に修行に行かねばと思っていたのに、こんな身近にあるとは!
3週間ほどで里山の活動を調べてみて、この近くの別の場所に緑地保存をしている活動があり、参加ボランティアを募集していることがわかった。少し活動を読んで、ピンと来たので〆切後だが次の活動に申し込んだ。
里山作り活動へ初参加
まずは対象となる緑地の歴史を説明してもらった。
元々個人の所有林で、畑だったものを1950年代の造林臨時措置法を受けて、木材のため杉・檜を植えて作られたものが、気候が適さず上手く育たないことと、海外からの輸入材木の影響で価格も1/10と商売にならず、放置された林であることを知った。人の手が入らないと、下草も生えない真っ暗な森となり、業者の違法廃棄場所となってしまい荒れ放題だったという。それを20年掛けて整備しているところだという。
次に緑地を案内してもらった。約5haで東京ドーム敷地と同じサイズというが、その広いこと。
空も見えない森をここまで間伐したという。相当数の杉・檜が切られたことがわかる。日が当たるようになると草が生えるので、その雑草の処理も夏は大変だろう。
この日はミズキの木を切る作業グループに参加させてもらった。杉・檜の間に多数生えており、相当除伐する必要があるそうだ。
除伐1日で2本の大変さ!
チェンソーで切るのだが、広葉樹は枝がかりするため倒す方向を念入りに決めて、精確に準備して切り口を付けて行く。それをさらにロープでアシストしながら目的の方向に倒れるように誘導する。ロープのかけ方、結び方、安全な場所への移動、立ち位置などさまざまな注意事項を実践しながら学んだ。これが一本目。別の木に引っかかったため、捻りながらなんとかロープで引いて倒すことができた。午前一杯、2時間要した。
午後から2本目に入るが、これも広葉樹同志、山桜にがっちりYの字部で枝がかりした。これは大変で何度も様々な方向からロープで引っぱったり、つり上げたりしながら、最後は少しずつ木を切断しながら違う方向からトライして、振り子のように綱引きしてやっと倒すことができた。3時間要した。
枝を切って集め、40cmずつ丸太をスライスして本日の作業終了。
学んだこと
1日で質・量共に多くを学ばせて頂いた。
・国の政策で植林された杉・檜林は管理されないと活性の低い森になる
・細く、根がしっかり張らない木が増えて、災害で倒木しやすくなる
・下草も生えないうっそうとした、誰も入りたくない森になる
・人の手が入らないと、違法廃棄の対象になってさらに荒れる
・周りの畑には日照を遮る悪者になる
・木を倒すのに綿密な計算と、ロープによるアシスト、人手が掛かる
・広葉樹は半日で1本しか切れない事もあり、多くても5,6本
・未管理の杉・檜山を里山にするのは相当大変である
チェンソーの講習を受けて、必要な機材の動かし方と、管理方法を学べば里山作りができるのではとほんわかと考えていた自分の考えの甘さを思い知った。
これからしっかりと実践を通じながら、道具の使い方と経験値を高めることに努めていきたいと思う。