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ある朝、私の目の前で起きた出来事
朝、車で通勤している時に警察のバイクが前を走っていました。
リュックを背負っていたので、「あぁ、仕事が終わって、本署に戻って着替えてから家に帰るんだな」など思いながら、警察の後ろを走っていました。
国道に出るところで、信号が変わりそうだったので、前を走っていた警察のバイクも、私も減速したところに、ガソリンスタンドから出てきた白い軽自動車が、私たちの前に割り込むかたちで入ってきたんです。
「まぁね…ちょっとここは強引にでも、割り込まないと、次の青(信号)で(国道に)出れないもんね…別にいいけど…」と、モヤモヤしながら信号待ちしてたんです。
すると、警察のバイクがその軽自動車の運転席側に回って、窓をコンコンとノックしたんです。
「おっ!どうするの?注意するのか?でも、これくらいで?」など思い、少しワクワクしながら眺めていました。
窓を開けた運転手に警察が話し掛けていましたが私に聞こえるわけもなく、「(私の車の)前で注意してたら、次の(青)信号行けなくない?」など頭を過ぎったところで、運転手が車から出てきてガソリンスタンドに走って行ったんです。40代くらいで髪をひとつに結び、ジャージを着ている女の人でした。
「は?」っと思いながら、そのまま眺めていると、その女性は、車の給油口のキャップを持って、また走って戻ってきました。
その間、警察はバイクを降りていて、さらにスタンドを下ろして停めて待ってました。
運転手の女性が恥ずかしそうに、給油口にキャップを取り付けて、警察の人に軽いお辞儀を何度もしながら、車に戻っていきました。
警察の人も笑顔でした。
その軽自動車も警察のバイクも私も無事に次の青信号で国道に出ることが出来ました。ほんの1分ほどの出来事です。
警察の人がこの時に給油口のキャップに気付かず、女性がそのまま車を走らせて国道を曲がりガソリンが漏れたところで車を停めていたとしたら、それはそれで国道が渋滞していたかもしれないですし、この車をガソリンスタンドへ誘導し、キャップを付けさせていたら、次の青信号でこの軽自動車も警察も次の青信号では行けなかったと思います。そして、このまま誰もキャップに気づかずに軽自動車が行ってしまって、後にこの女性が、気づいたところで取りに戻るのにも時間がかかると思います。警察の人も夜勤明けで、今から起こる仕事が長引けば、帰るのが遅くなることを承知して、目の前に起きた「気づき」を無視せず仕事でしょうが、きちんと処理した事…否、警察じゃなくても、人として親切な事をしただけかもしれません。私なんか前に割り込まれて「チッ!」って感じでしたからね。そんな、やさぐれている私なんですがこの日、事務所に入るとシュレッダーから出たであろう小さなゴミが床に落ちているのに気づき、普段は無視するんですが、その小さなゴミを拾ってゴミ箱へ捨てました。多分、この一連の出来事を見てなかったら、このゴミは拾ってなかったと思います。全てを丸く納めた警察官の行動を見て私の中のトゲトゲした心がほんの少し癒された、そんな朝でした。