米国映画・テレビドラマを活用した英語学習はどうなのか?クリアに聞き取れるようになる勉強法
米国の映画やテレビドラマを教材として、英語学習をする方法があります。
米国の新聞・雑誌は書き言葉の米国英語の学習教材となりますが、米国映画・テレビドラマは、英語スピーキングとリスニングという口語英語・英会話の学習教材となります。
英語学習教材としての米国映画・テレビドラマの特徴とともに、どのような立場の方々がどのように学習すると効果的か、米国映画・テレビドラマを活用した英語学習法を解説したいと思います。
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英語学習教材としての米国映画・テレビドラマの特徴(1)発声スピードが速い
米国映画・テレビドラマにおける俳優の発声スピードは、1分間に250~350語程度で、怒ったりして早口になると1分間に400語を超える場合もあります。
これに対して、一般的な日本人向け英会話音声教材は1分間に180語~250語程度のものが多く、やや遅いスピードとなっています。
日本人向け英会話音声教材の発声スピードはリピーティングなどのトレーニングを行うには妥当な発声スピードですし、多くの日本人英語学習者向けのリスニング教材としても妥当な発声スピードと考えられます。
しかし、英語ネイティブスピーカーに対して現実的に通用する英語力としては、1分間に250~350語程度の発声スピードのリスニング力を身に着ける必要があります。
英語学習教材としての米国映画・テレビドラマの特徴(2)独特の口語英語が使われる
英単語・英熟語に関しては、一般的な日本人向け英会話音声教材は、多くの日本人英語学習者が記憶しているレベルの英単語・英熟語を多く文例に利用しています。
日本人になじみのない英単語・英熟語を文例にあまりに多用すると、単語・英熟語の意味の理解が障害となり、非常に難解な教材となってしまうからです。
これに対して、米国映画・テレビドラマは、米国人同士が日常会話で使っている英単語・英熟語な訳ですが、日本の学校教育英語には出てこない英単語・英熟語が非常に多くなっています。
英語学習教材としての米国映画・テレビドラマの特徴(3)内容の面白さ
学校教育における英語教材や大学入試や英語力評価テストにおける英語問題コンテンツはどうしても、お堅い内容・まじめな内容となるのは仕方がないと思いますが、同時に内容的に面白みに欠けるコンテンツとなりがちです。
これに対して、米国映画・テレビドラマは、エンターテインメント(娯楽)としてのコンテンツですので、視聴者を楽しませ、ひきつける面白い内容となっているものが多いという特徴があります。
そのため、英語学習教材としても学習意欲の維持・向上に役立つものがあります。
米国映画・テレビドラマの活用方法(1)大学入試突破を目指す高校生
日本の大学入試における英語学習は非常に独特の世界を形成しています。
大学入試は選抜試験であることから、100点満点で平均点が60点くらいになるような問題とする必要があるため、難しすぎず、優しすぎず、得点差がでるような問題としなければなりません。
難しすぎる問題だと、ほとんどの人が不正解となり得点できず、得点差が出ませんし、易しすぎる問題だと、ほとんどの人が正解となってしまって、得点差が出ません。
そのため、英文法力を問う問題だと、ある程度割合の人しか正解できないような特殊な用例について問うてみたりします。
長文読解における英単語・英熟語力に関しても、難しすぎると、ほとんど人が文意を理解できず、不正解となってしまうと、得点差が出ませんし、易しすぎるとほとんどの人が正解となり、得点差がでません。
そこで英単語6000語レベルを設定することにより、得点差が出るようにしている訳です。
大学入試を突破したいという高校生にとって、このような制約条件のもとで、英語テストの点数を向上させようとすると、求められている範囲の英文法力、英単語・英熟語力等を習得する必要がありますが、それを超えて大学入試問題に出ないような範囲のことまで学習することは時間の無駄ということになります。
英語以外の教科の学習も必要なので、英語学習ばかりに時間を費やす訳にはいきません。
このような状況のもとで、米国映画・テレビドラマをどのように活用すればよいでしょうか?
大学入試突破のための英語学習は、試験での点数を向上させたいということでかなりつらいものがありますが、ごくたまに米国映画・ドラマを英語学習教材として勉強して、米国で現実的に通用している英語というものを認識し、いずれこのレベルの英語を身に着けたいと考えつつ、米国映画やテレビドラマを楽しんで、英語学習のモチベーションを維持するのが良いと思います。
大学入試突破ためだけの英語学習となると、とかく苦行となりがちで、この世界がすべてという視野狭窄におちいりがちなので、視野を広げ、時に楽しむために米国映画やテレビドラマを学習するというのは非常に有効だと思います。
米国映画・テレビドラマの活用方法(2)就職対策や昇進のための大学生・社会人
就活や昇進のためにTOEICなどの英語力評価テストの点数向上を目指している大学生・社会人の方も多いと思います。
英語力評価テストは、大学入試のような選抜試験ではありませんが、年に数回実施されても、各回で同じくらいの点数の場合、同じくらいの能力であることを示す必要があり、各回のテストの難易度を揃える必要があります。
そのため、大学入試の英語と同様に、テストで使われる英文の難易度、英単語・英熟語のレベルも一定の範囲をなります。
そうなるとその範囲での学習参考書が多数販売されて、それをまずは学習するという構図になります。
試験で求められていないよう学習事項は時間の無駄となります。大学生は、教養科目や専門科目の勉強を多数しなければならず、英語の勉強ばかりしている訳にはいきません。
社会人も同様に本業の仕事で忙しいのに、英語の勉強ばかりしている訳にはいきません。
このような状況ですが、大学入試の場合と同様に、英語力評価テストの得点向上のための英語学習は、かなりつらく、なかなか点数が伸びないとモチベーションの維持が難しいものがあります。
そこで、少しの時間、米国映画・ドラマを英語学習教材に時間を費やして、米国でのリアルな英会話のレベルというものを認識し、いずれこの米国人俳優のセリフを英音のみ・字幕なしで楽しめるようなレベルの英語を身に着けたいと考えつつ、米国映画やテレビドラマを楽しんで、英語学習のモチベーションを維持するのが良いと思います、
英語力評価テストの得点力向上のためだけの英語学習となると、とかくつらくとなりがちで、この世界がすべてという視野狭窄におちいりがちなので、視野を広げ、時に楽しむために米国映画やテレビドラマを学習するというのは非常に効果的だと思います。
英語力評価テストにおけるリスニング問題の発声スピードは、大学入試と比べてかなりスピードが速くなるので、英語力評価テストにおけるリスニング問題演習で得点力が伸び悩んでいる場合は、米国映画やテレビドラマにおける高速発声スピードでの音読トレーニング積むことにより、英語リスニング力向上のブレイクスルーを図るという活用方法も考えられます。
米国映画・テレビドラマの活用方法(3)英語ネイティブスピーカーに対して現実的に通用する英語力を目指す方々
大学入試英語学習を頑張り、大学入試を突破し、さらに英語力評価テスト学習を頑張り、就職でき、さらに昇進を果たした方々、目的を達成したからもう英語の勉強は卒業と考えたいところだと思います。
しかし、現実が甘くないことはすぐに判ります。
たまにある米国のパートナー企業の米国人との英語での契約交渉、その後の懇親会での英会話、たまにある米国視察旅行における米国企業の説明と質疑応答などで、自分の英語スピーキング・英語リスニングともなかなか通用しない現実に直面します。
家で米国の映画・テレビドラマを、実力把握のために、英音のみ・字幕なしで視聴するとほとんどついていけないこともすぐにわかります。あれだけ英語は勉強したはずなのに、おかしい、なぜだろうとなります。
大学入試英語はもとより、英語力評価テストにおける限定的な試験範囲の英語学習では、英語圏のリアルな場で通用する英語力には十分には達しないということなのです。
これをブレイクスルーするために、米国映画・テレビドラマを利用して学習することが考えられます。
米国映画・テレビドラマの学習方法(1)学習教材としての米国映画・テレビドラマの選び方
まず、学習教材としての米国映画・テレビドラマの選び方ですが、まず重要な選択基準として、視聴して楽しめるかどうかが非常に重要です。
それなりに学習時間が必要なので、視聴して楽しめることが学習モチベーションの維持つながります。
2番目に重要な選択基準としては、英語字幕、日本語字幕、英語スクリプトの存在です。米国映画・テレビドラマには字幕のないものも存在し、字幕がないと英語学習が難しくなります。
米国からの輸入映画・テレビドラマだと、日本語字幕はなく、英語字幕だけというものがほとんどなります。
英語力に自信があったり、日本では発売されていないが、米国のみで販売されている映画やドラマをぜひ勉強してみたいというときは英語字幕のみでの学習も可能です。
英語力に自信がなかったり、勉強してみたい映画・テレビドラマが日本で販売されている場合、英語字幕に加えて、日本語字幕も備えている場合が多く、要確認です。
さらにその米国映画・テレビドラマのセリフ台本(スクリプト)があると、セリフを流れで見ることができるので便利です。
米国映画・テレビドラマの学習方法(2)音読トレーニングの仕方
学習教材として選んだ米国映画・テレビドラマを、3分間くらいの1シーンを英音のみ・字幕なしで視聴します。
この時、大半の日本人は俳優の方々のセリフがほとんど聞き取れず、たまにわかる英単語があるくらいという状況だと思います。
現実の英会話のシーンでは、セリフの発声は1度きりなので、この初回の英音のみ・字幕なしの映画・テレビドラマのリスニング力が、現実の英語リスニング力となります。
いきなりすらすら俳優の方々のセリフがすらすら理解できるというのは難しいのでめげずに頑張る必要があります。
次に同じシーンを日本語字幕を見ながらセリフの意味を確認します。英語字幕のみで意味が容易に理解できる場合は、日本語字幕での意味確認のプロセスは省略してOKです。
同じシーンを英語字幕もしくはセリフ台本の英文を見ながら、俳優の方々のセリフを聞いたあと、1回目はセリフの意味を十分に認識しつつゆっくり正確な音読をします。
2回目も、セリフの意味を十分に認識しつつ、俳優の方々と同じくらいの発声スピードでセリフを音読します。このセリフ音読の際、発声方法がポイントとなります。
日本語の発声特性で音読トレーニングを積んでも、英語リスニング力の大幅な向上は見込めません。
日本語の発声特性で音読をしても英音聴覚脳を十分に構築することができないからです。
英語の発声特性を十分踏まえて、セリフの音読トレーニングを積むと、英語リスニング力の向上が見込めます。
英音発声特性を十分に踏まえてセリフの音読トレーニングを積むと、英音聴覚脳の構築が可能となるからです。
英音聴覚脳が構築できれば英語リスニング力の向上するという理屈になります。英音発声特性を踏まえての英文音読トレーニングの方法論は、英音研学習で詳細に解説していますので、そちらを参照してください。
米国映画・テレビドラマの学習方法(3)セリフの英単語・英熟語
米国映画・テレビドラマの学習時間が十分に取れるときは、セリフの中に知らない英単語・英熟語を記録し、記憶学習することも有用です。
この場合、セリフ台本(Script)が電子データであると、作業が効率的にできます。
英語の映画・テレビドラマ名とscriptでインターネット検索してMS-Wordなどにコピーペーストしておきます。
セリフで知らない英単語・英熟語があったら、インターネット上の英和辞典で調べて、その結果をMS-Excelなどを利用しての単語帳として貼り付けていき、記憶学習をしていきます。
この作業は時間と労力が結構かかるので、米国映画・テレビドラマの学習時間が十分に取れないときは、残念ながら、省略してひたすら音読トレーニングに励み、まずは英語リスニング力の向上を目指した方が良いと思います。
米国映画・テレビドラマの学習方法(4)海外映画・ドラマ学習スマホアプリの活用
米国映画・テレビドラマの視聴方法としては、DVD・ブルーレイの購入やAmazon Prime VideoやNetflixなどのオンラインビデオを利用することが考えられます。
日本国内で視聴する限り、英音、日本語字幕、英語字幕を装備している映像ソフトはかなり豊富に提供されています。
しかし、セリフの音読トレーニングをするには1文6秒間くらいの巻き戻しを繰り返すことが必要で、この作業がDVDやオンラインビデオでは難しいものがあります。
この点に関し、海外映画・ドラマ学習スマホアプリを活用すると英語セリフ音読学習効率を格段に向上させることが可能です。
海外映画・ドラマ学習スマホアプリはハリウッド映画や米国映画・TVドラマの映像ソフトをダウンロードすると、日本語・英語の字幕が同時表示できたりするものもあります。これは従来のDVDにはなかった機能です。
ただ、日本語字幕は超訳しすぎな箇所があることは確かです。しかし、提供機能全体を見ると、優れた英語音読学習アプリだと思います。
知らない英単語調べに関しては、カーソルを字幕にマウスオーバーするだけで簡易辞書がツールチップで表示する機能に加え、辞書マークをクリックすれば詳しい内容を調べることができるアプリもあります。
俳優のセリフ単位での音声リピーティング機能があり、俳優のセリフと同時に発音練習するリピーティングも簡単に実施することができます。この機能は俳優のセリフスピードと同じスピードでリピーティングを何回もすることができるので大変なすぐれものです。
ただし、1分間に300語の発声スピードのリピーティングはなかなかタフなものがありますが、長いセリフを5~6回練習してもそれほど時間もかかりません。気に入った映像ソフトがあれば有力な海外映画・ドラマ学習スマホアプリだと思います。
まとめ
英語学習教材としての米国映画・テレビドラマの特徴として以下の3つがあります。
(1)発声スピードが速い
(2)独特の口語英語が使われる
(3)内容の面白さ
そして学習者の立場によって活用方法も微妙に異なります。
(1)大学入試突破を目指す高校生
(2)就職対策や昇進のための大学生・社会人
(3)英語ネイティブスピーカーに対して現実的に通用する英語力を目指す方々
米国映画・テレビドラマの学習方法としては以下の4項目に留意すると効果的です。
(1)学習教材としての米国映画・テレビドラマの選び方
(2)音読トレーニングの仕方
(3)セリフの英単語・英熟語
(4)海外映画・ドラマ学習スマホアプリ
英文の音読トレーニングは、英語スピーキングやリスニングに効果があると聞いて、トライした人は多いと思います。
そして多くの人が音読トレーニングを止めてしまっていると思います。
それは時間をそれなりにかけて音読をした割に、英語リスニング力の向上が感じられないからなのです。
そうなってしまう理由は、日本語の発声特性で音読してしまうからです。
日本語の発声特性で英文音読トレーニングをいくら頑張っても、英音聴覚脳を十分に構築することは困難です。
他方、英語発声特性で英文音読トレーニングを積むと、英音聴覚脳の構築が可能となり、英語リスニング力の向上も期待できます。
英音研学習では、日英の発声特性の構造的な違いを解明し、体系化し、図式化しました。
そして日本人がどのようにすれば英音発声特性に基づいた発音ができるのかも図式化しました。
さらには、米国人ナレーターによる1分間に180英単語の低速、250英単語の中速、330英単語の高速の3段階の発声スピードでの英文読上げ音声を提供し、ハイスピードな音読トレーニングも可能とした英語リスニング力向上の教材を提供しています。