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SN1572 (短編戯曲)
苦悩の末書き上げた【SN1572】
生まれてきたのは不幸だったのでしょうか?
当たり前が当たり前でないこと。
生まれないと機会そのものがないこと。
夜空を見上げて涙する人。
起承転結はなく答えもありません。
戯曲らしくない体裁。
どんな風に受けとるのか演出家に問うのかもしれません。
これをやってみたい人は希少価値かもしれないので、多分上演される機会はなさそうです。
SN1572のイントロ
以前、おにぎり食べたいと言い残して飢え死にした人がいました。どこか遠くの貧しい国ではなくこの日本でです。
困窮しても充分な支援がなかったのか餓え死したそうです。影響力が皆無の一個人の信号は届かず餓え死で初めてその存在が認識されたのでしょうか?
世の中、力のある人ばかりでなく多数の普通の人(ノーマル)がいます。ですがそこに入れない少数の人がいます。飢え死にした人も、そのうちの一人だったのかもしれません。小さな信号は届かなかったり、届いてもノイズにかき消されたり、信号と認識されずノイズに聞こえてしまうのかもしれません。
私は相模原での事件・ハンセン病施設など数々のことが頭の片隅から離れません。私の書いた【タクシーを待ちながら】【値引き家族】も様々な悲しい出来事の影響を避けることができなかった作品と言えるでしょう。
モリエールの戯曲に友人を批判する場面があります。よくもまあ次々と悪口が出てくるものだなあと感心します。現代戯曲を読んでもやはり言葉が多いなあと感じます。私にはそんなに出てくる言葉がないのです。大きな力量差を感じてしまいます。私の書くものはスモールなのです。力不足で微弱な信号なのでしょう。こんな微弱な信号の作品で届くのでしょうか?
夜空にはたくさんの星があります。肉眼で見れるのは6等星までですが目がいいだけでなく様々な条件がそろわないと見ることはできないようです。それより遙かに暗いのは10等星。天文学者が高性能望遠鏡で努力して探し出したのでしょうか?
これらの星も、いつの日か超新星となり明るく輝く瞬間が来るかもしれません。夜空を見上げて微弱で届かない光に思いをはせて。
概要
Sは スモールsmall シグナルsignal サイレントsilent
Nは ノイズnoise ノーマルnormal
SN1572は1572年に初めて観測された超新星
https://note.com/eio_note/n/n8ca20837dea4