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SESエンジニアチームにおける成功の秘訣
SES企業として、アイネはチームでのシステム開発業務において高い評価を得ています。本記事では、アイネのSESエンジニアがチームとして効果的に業務を遂行するために実施している4つのポイントを紹介致します。
SESエンジニアとして働くことに興味がある方、また現在SESエンジニアとして働いているものの、チームワークに課題を感じている方に、特に参考になる内容となっています。
SES(System Engineering Service)とは
SESは、エンジニアの技術力と労働力をクライアント企業に提供するサービスです。以下が主な特徴です。
SES企業とクライアント企業間で準委任契約を結びます。
エンジニアはクライアント企業に常駐して業務を行います(基本的に複数人で参画し、チームを構成します)。
エンジニアの所属はSES企業にあり、クライアント企業からの直接の指揮命令は受けません。
多様なプロジェクトに携わることで、幅広いスキル習得や様々な現場経験が可能です。
請負契約の場合、システム全体の開発責任を開発会社が負い、成果物の品質に対する責任が明確になります。一方、SES契約は開発コストを抑えられ、要件変更にも柔軟に対応できるというメリットがあります。
アイネはSES契約でサービスを提供していますが、チーム単位での参画し、リーダーがチームメンバーを管理する体制を取っています。また、明確な作業範囲を設定し、チーム内で適切なマネジメントを行うことで、SES契約でありながら請負契約と同様の品質管理体制を整えています。このような取り組みにより、確実にプロジェクトを成功へ導いています。
EVM(Earned Value Management)の導入と活用
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EVMはプロジェクトの進捗とコストを統合的に管理する手法であり、以下の3つの主要指標で管理します。
計画値(PV:Planned Value):各タスクの予定工数と期間から算出される計画上の価値
出来高(EV:Earned Value):実際に完了した作業の価値を金額換算したもの
実コスト(AC:Actual Cost):実際にかかった費用
従来、アイネではガントチャートを用いて進捗を管理していましたが、、作業の進み具合を数値として把握することが難しく、客観的な評価が困難でした。この課題を解決するため、EVMの導入を決定しました。
具体的な運用方法としては、以下のステップで実施しています。
(1) プロジェクト開始時にWBS(Work Breakdown Structure)を作成し、各タスクの予定工数と期間から計画値(PV)を設定
(2) 日次でタスクごとの出来高(EV)と実コスト(AC)を測定
(3) 計画値(PV)との差異を分析し、進捗やコストの乖離を早期に発見
この手法の導入により、以下のような効果が得られました。
進捗状況の定量的な把握が可能になり、問題の早期発見と対応が容易になりました。
取引先との日次報告を通じて、緊密なコミュニケーションが実現できています。
進捗の遅れが発生した場合でも、即座に対応策を検討・実施できる体制が整いました。
その結果、プロジェクトのスケジュール遵守率が向上し、より確実なプロジェクト運営が可能となりました。
心理的安全性を重視したハイブリッドワーク環境の構築
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心理的安全性とは、チーム内で誰に対しても恐怖や不安を感じることなく、安心して自分の意見や気持ちを発言・行動できる状態のことです。
私たちは、効果的なチームビルディングの基盤として、心理的安全性の確保に重点を置いています。以下では、その実現に向けた具体的な取り組みをご紹介します。
(1) ハイブリッドワーク体制の確立
コロナ禍を経て、私たちはリモートワークと出社を組み合わせたハイブリッド体制を導入しました。この体制には以下のような特徴があります。
個人の働きやすさに配慮したリモートワークの活用
フェイスツーフェイスでのコミュニケーションを重視した定期的な出社
柔軟な勤務形態による、ワークライフバランスの向上
(2) リモートワーク環境の整備
離れた場所でも円滑なコミュニケーションを実現するため、以下の施策を実施しています。
Zoomの常時接続による「バーチャルオフィス」の実現
気軽に相談できる雰囲気づくり
画面共有やチャットツールの活用による情報共有の促進
(3) リモートワーク環境でのコミュニケーション方法の最適化
コミュニケーション不足に陥りがちなリモート枠環境では、状況に応じて適切なコミュニケーション手段を選択することで、より効果的な情報伝達を実現しています。
簡易な連絡事項:チャットツールの活用
重要な議論や意思決定:対面またはビデオ会議での実施
日常的な雑談:Zoomの常時接続環境を活用
(4) 心理的安全性を高めるための具体的な取り組み
全てのメンバーが自由に意見を述べられる環境づくりのため、以下の施策を実施しています。
定期的な1on1ミーティングの実施
役職や立場に関係なく発言できる場の創出
失敗を学びの機会として捉える文化の醸成
建設的なフィードバックの奨励
(5) 期待される効果
これらの取り組みにより、以下のような効果が期待されます。
チームメンバー間の信頼関係の強化
イノベーションを生み出す創造的な議論の活性化
問題の早期発見・解決
働きがいのある職場環境の実現
このように、私たちは心理的安全性を基盤としながら、リモートとリアルのベストミックスを追求し、より良いチーム作りを目指しています。
KPT(Keep-Problem-Try)によるプロジェクト改善の取り組み
KPTは、プロジェクトや業務の振り返りを効果的に行うためのフレームワークであり、課題の共有し、改善点を明確化できます。以下の3つの要素で構成されています。
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アイネでは、プロジェクト終了時に必ずKPTによる振り返りを実施しています。実施方法は以下の通りです。
Zoom上でテキストを画面共有し、参加型のワークショップ形式で意見を出す
チームメンバー全員が意見を出し合い、活発な議論を促進
出された意見を整理し、次のプロジェクトでの具体的な改善策を策定
この取り組みにより、以下のような効果が得られています。
プロジェクトの成功要因と課題が明確化
チーム内での知見の共有と蓄積
継続的な改善サイクル(PDCAサイクル)の実現
次のプロジェクトへの具体的な改善策の反映
このように、KPTを活用した振り返りは、アイネのプロジェクト品質向上に重要な役割を果たしています。
RACIチャートの活用
プロジェクトを成功に導くためには、チームメンバー一人一人の役割と責任を明確にすることが不可欠です。そこで非常に役立つのが「RACIチャート」というツールです。
RACIチャートのRACIとは、以下の4つの役割の頭文字を取ったものです。
Responsible(実行責任者):実際に作業する担当者
Accountable(説明責任者):最終的な承認や決定する責任者
Consulted(相談先):作業の進行において意見や助言を求める相手
Informed(報告先):作業の進捗状況を知らせるべき関係者
例えば、次のように表形式で整理します。
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アイネでは、以下のような目的でRACIチャートを活用しています
プロジェクト間の人員配置の最適化(メンバーの負荷状況を可視化、主担当とサポート担当の明確な区別、スキルと経験に基づく適切な役割分担)
コミュニケーションの効率化(誰に相談すべきか即座に分かる、報告ルートの明確化、意思決定プロセスの迅速化)
リスク管理の向上(担当者不在時の代替対応が明確、責任の所在があいまいになることを防止、プロジェクト間の依存関係の把握)
RACIチャートを導入することで、チームメンバーは自分の役割と責任を明確に理解でき、また他のメンバーとの協力関係も把握しやすくなります。
アイネのチームでは、複数プロジェクトを同時進行しているので、このような明確な役割分担の可視化が、プロジェクトの成功に大きく貢献します。
このように、RACIチャートを単なる表ではなく、チームの効率的な運営とスムーズなプロジェクト進行を支える重要なマネジメントツールとして使用しています。
今後の展望とまとめ
今回の記事では、アイネにおけるチームとしての取り組みのうち、4点を紹介いたしましたが、他にも以下の施策を実施しています。
チーム内教育の体系化
業務効率化ツールの開発による生産性向上
品質の均質化に向けた取り組み
IT業界の課題は常に変化し続けています。アイネは今後も真摯に課題と向き合い、チーム力の向上を通じて、メンバーの働きやすさとクライアントの満足度向上を目指してまいります。
株式会社アイネでは一緒に働く仲間を募集しています
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