何度も色を重ねて
花火、綺麗ですね。
どぉん、どぉんって、身体に響く音が良いですよね。
今日は連れてきてくれて、ありがとうございます。
こんなところから、あんなに綺麗に見えるなんて。
へぇ。
穴場スポットなんですね。
だから、私達以外に人がいないんだ。
頑張って探してくれたんですか?
いつもありがとうございますね。
ん?
ふふ♥
ちゃんと花火見てますか?
私の方ばかり見てる気がしますけど。
あんまり見ないの。
ふ♥
私の方が綺麗だから?
今日はそればかりじゃないですか。
私の浴衣姿、そんなに良かったんですか?
ふぅん。
ねぇ。
さっき、あなたがたこ焼きを買いに行ってくれたとき、お話ししていた女性の人。
とっても綺麗な人でしたね。
ね。
ん?
どうしたんですか?
別に怒ってませんけど。
ただ、ね。
私に綺麗、綺麗と言ってくれるのに、他の女性の浴衣姿にあんな顔をしちゃうんだなって思っただけです。
へぇ。
yurika様の方が綺麗です、ね。
本当にそう思ってますか?
ふぅん。
じゃあ、そうですね。
ちゃんと言葉にして欲しいな。
私のことが好き、って。
yurika様のことが大好きです、って。
大きな声で。
花火の音に負けないくらい大きな声で言ってくれないと。
私、あなたのこと、信じられないな。
出来る?
出来るの?
そう。
じゃあ、私が指をパチンと鳴らしたら言ってくださいね。
いいですか?
いきますよ。
パチン。
ふ♥
聞こえない♥
もう一度。
パチン。
あれ、さっきより声、小さくないですか?
パチン。
ほら、もっと。
パチン。
大きな声で。
パチン。
私に告白しろ♥
あは♥
顔、真っ赤ですよ。
私が指を鳴らすだけで、呼吸荒くしちゃったんだ。
ふ♥
ちょっと、花火の方、見ていてくださいね。
耳、貸して。
知ってますよ♥
ふふ♥
もう、ダメ、ですよ。
あなたは、私だけのわんこ、なんですから。
あなたは、私だけを見ていないとダメです。
あはたは、私だけを想っていないとダメです。
何回も、何回も私のことを想って、
私への想いを重ねてくださいね。
ん。
よしよし♥
あ。
花火、終わったみたいですね。
じゃあ、帰りましょうか。
んー?
ふふ♥
はいはい♥
お手♥
ん、いい子。
ぎゅ♥
あは♥
本当に、わんこは手を繋ぐのが好きですね。
そんなに良いですか?
ふぅん♥
じゃあ、このまま手を繋いで、わんこのお散歩しながらお家まで帰りましょうか。
ふふ♥
ね。
次の連休の日、またどこかに行きたいな。
うん。
またどこか、行きましょうね。
もちろん、わんこは一緒に行ってくれますよね?
楽しみですね。