あなたは何処にいますか?
もしもし?
うん、yurikaです。
待ち合わせ時間にはまだ早いですけど、
わんこのことだから、もう着いていると思って。
ふふ♥
やっぱり。
それで、今どこにいますか?
改札の前?
さっき見て回ったんですが、
見つからなかったんですよね。
北口の方で合っていますよね?
ふぅ。
休日は人が多くて分からないですね。
探すのも大変です。
ん?
私のこと探してくれるの?
だめ。
もう少し待っててね。
必ず見つけるから。
あなたは私のわんこ、忠犬なんですから。
私の忠犬は、ちゃんと私のこと、
待っていてくれますよね?
うん。
いい子。
ふふ♥
んー、それにしても人が多いです。
くらくらしちゃいます。
ねえ。
ちょっと万歳ってしてみてくれませんか?
そうです。
両手をあげて、ばんざーいって。
その方があなたが何処にいるのか、分かるかもしれないですから。
ね。
やって。
いい?
やった。
じゃあ、せーの、ばんざーい。
ふ♥
ん?
なんでもないですよ。
ほら、ばんざーい。
んー。
見つからないですね。
いくら人が多いからって、万歳していれば目立つと思ったんですけど。
ねえ。
ちゃんとやってますか?
全然あなたのこと見つからないんですけど。
ちゃんと万歳してます?
私、探すの疲れてきたんですけど。
やってる?
本当に?
じゃあ、私のこと、呼んでもらえますか?
yurika様ここです、って。
万歳しながら、言って。
あは♥
ごめんね。
まだ見つけられないです。
だから、ね。
私が見つけるまで何回も繰り返してください。
yurika様ここです、って。
僕はyurika様のわんこです、って。
ね。
改札を背にして。
ちょうど駅前にあるカフェに向かって。
万歳をしながら。
yurika様ここですぅ、って。
何度も、何度も、繰り返して?
あは♥
恥ずかしいわんこ♥
ねえ。
あなたが見てるカフェの二階席、見えますか?
うん。
そうです。
そこの端っこの席で、手を振っている女性がいますよね?
ふふ♥
ずっと見ていましたよ。
あなたのこと。
私が、私のモノを見つけられないわけないじゃないですか。
早く来てくださいね。
あなたの分のアイスコーヒー。
氷が半分くらい溶けてきてますから。
ね。
早く、おいで。
ふふ♥