小寒(薔薇蜜と柚子) 移ろいゆく水と花
一年を春夏秋冬の4つに分け、さらに約15日ごとに分けた二十四節気。農業の目安として季節の変化に対応するために中国より伝来したと言われています。
移ろう季節をより身近に感じることができたらと思い、emmyと、Mayu Araiによるドリンクといけばなを二十四節気の時季に合わせ、お手紙のやりとりをしています。
今回は第二十五回目の『小寒』、emmyからのお手紙です。
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Mayuさん、こんにちは。
冷気が鋭く感じるようになった寒の入り、『小寒』の節気ですね。
そして新しい年が始まりました。
このお手紙のやりとりも節気を一巡し、二年目を迎えましたね。
節気の始まりは立春からですが、昨年外出を控える時期が続いたことがやりとりを始めるきっかけとなったので、冬から春、夏、秋とめぐり、冬を迎えて、また『小寒』のお手紙をしたためているのがとても感慨深いです。
今年もMayuさんから頂く季節のお便りからどのような出会いがあるのかとワクワクしています。
すぐに指先がかじかむこの時期には体の中から温まる飲み物をと思い、とろみのあるホットドリンクをつくりました。
たっぷりのはちみつにジンジャー、シナモン、クローブ、ローズ、唐辛子とスパイスを盛りだくさん。ふわりとすりおろした柚子の皮とローズチップを葛でやんわりと閉じ込めます。
薔薇の花びらを飾り、花の蜜のようなとろけるドリンクとなりました。
はちみつはチューリップの花の蜜のものを使いました。
花によって香り、味わいがそれぞれ。
チューリップのはちみつはなめらかなコクと伸びやかな葉を思い起こす緑の香りがします。
ほかにも何か似ている、、と思ったら冷蔵庫に待機していた百合根と目が合いました。そういえばチューリップは球根から育つのだよなとつい連想してしまいました。
華やかな薔薇の花びらと合わせて潤いと温かい香りを加えました。薔薇もお茶やハーブと同じように、昔から薬として扱われていたようですね。
とろみのあるドリンクはいつもとは違った表情ができるので新鮮な気持ちになりました。
冬至にいただいた万年青と松のお正月花、しなやかな力強さに思わず背筋が伸びました。年末の駆けるような忙しなさの中、Mayuさんのいけばなにふと季節を感じる余白をいただきました。
新年も迎え気を引き締めて、、
と思いきや寒さに負けてぬくぬくと緩んだお正月を過ごしてしまいました。
そろそろお正月の疲れが出やすい頃です。お体を温めてお過ごしください。
寒さはまだ続きますが、ゆっくりゆっくりと季節は次の暦、春の準備へと向かっていきます。移ろいゆく時の流れを贈り合えること、とても嬉しく思います。
それではまた!
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二十四節気に合わせ、季節に寄り添ったドリンクとお花の交換会をしていきます。(タイトルが変わりました)
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